2006年度(平成18年度)長尾真記念特別賞の表彰

 

 

伊藤 孝行

伊藤 孝行 君(正会員)

「計算論的メカニズムデザインに基づく協調・交渉機構の実現」

 1995年名古屋工業大学工学部知能情報システム学科卒業.2000年同大学大学院 工学研究科博士後期課程修了.博士 (工学).日本学術振興会特別研究員を経 て,2001年より北陸先端科学技術大学院大学知識科学教育研究センター助教授. 2003年より名古屋工業大学大学院情報工学専攻助教授.2006年より同大学院産 業戦略工学専攻助教授.マルチエージェントシステムの研究に従事.この間, 2000~2001年米国南カリフォルニア大学客員研究員, 2005~2006年 米国 Harvard大学およびMIT客員研究員.2005年日本ソフトウェア科学会論文賞, 2006年Int. Joint Conf. on Autonomous Agents and Multi-Agent Systems (AAMAS2006) 最優秀論文賞,2007年文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞. 情報処理学会,AAAI,ACM等各会員.

[推薦理由]
検索エンジンでの広告やオークション等のインターネット上での経済活動が拡大している.伊藤孝行君は,これらの分野への応用を目的としたエージェント間の協調・交渉機構の研究に一貫して取り組んでいる.具体的には,正直が最良の策となるオークションメカニズム,非線形多属性効用に基づく交渉メカニズムの開発等,計算論的メカニズムデザインと呼ばれる,情報科学と数理経済学の境界領域の研究分野において,国内外で高く評価されている優れた業績をあげている.これらの研究は今後,応用領域のさらなる拡大が期待されるものであり,本賞を贈るにふさわしいものである.

櫻井 保志

櫻井 保志 君(正会員)

「大規模データ集合のための高速類似検索技術に関する研究」

 1991年同志社大学工学部電気工学科卒業,同年NTT入社.1996年奈良先端科学技術大学院大学博士前期課程修了.1999年同大大学院博士後期課程修了.工学博士.2004年から2005年までカーネギーメロン大学 客員研究員.現在,NTTコミュニケーション科学基礎研究所 主任研究員.索引技術,データストリームの研究に従事.平成16年度情報処理学会論文賞,平成18年度日本データベース学会上林奨励賞,第17回データ工学ワークショップ(DEWS2006)優秀論文賞受賞.情報処理学会,日本データベース学会,電子情報通信学会,ACM各会員.

[推薦理由]

 近年の情報通信の技術革新などにより多種多様な情報が急速に増大しており,そのような大量の情報を効率的かつ効果的に処理したいというニーズが高まっている.櫻井保志君はデータベース分野において,大規模データ集合のための高速類似検索技術に関する研究に従事してきた.具体的には,多次元ベクトルの類似探索を高速かつ正確に処理するためのデータ構造やアルゴリズム,さらにデータストリームのための高速類似パターン検出技術を確立した.これらの成果は先駆的かつ実用的であり,国際的に高い評価を受けている.学術,産業両面において有意義であり,本賞を贈るにふさわしい.

角  康之

角  康之 君(正会員)

「実世界インタラクションの理解と支援に関する研究開発」

 1990年早稲田大学理工学部電子通信学科卒業、1995年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。同年、(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)に入所し、知能映像通信研究所、メディア情報科学研究所において、グループ議論支援システム、コミュニティ支援システムなどの研究開発に従事。2003年から京都大学情報学研究科助教授(2007年から准教授)。現在の主な研究テーマは、実世界インタラクションの理解と支援、および体験メディア。

[推薦理由]

 今後、ロボットや環境型の知的システムが人と共存していくには、人の何気ない行動(見る、喋る、触る、移動する等)から状況や意図を理解する技術が必要である。角康之君は、環境や身体に装着したセンサから、人と人、人と環境の間のインタラクションを記録してそのパターンを解釈し、その応用として、展示見学のガイドやミーティング記録といった応用システムの研究開発を行ってきた。その成果は、学会の招待講演や表彰により高く評価され、本賞の受賞にふさわしいものである。

  

 


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