2015年05月07日版

「〜学会55周年を迎え、次の50年に向けて:新しい動きから進化へ〜

徳田 英幸(副会長)

 情報処理学会の副会長を仰せつかって、早いものでもうすぐ一年を迎えようとしている。また、学会は、この4月で創立55周年を迎える。私が学会に最初にかかわったのは学部4年生のときで、1974年京都国際会議場で開催された第15回全国大会で、当時の電子技術総合研究所推論機構研究室でインターンシップをさせていただいた縁で参加させていただいた。翌1975年には、慶應義塾大学日吉・矢上台キャンパスで行われた全国大会にて、学生アルバイトとして大会運営をお手伝いさせていただいた。振り返るとあっという間の40年間である。

 この間、情報処理技術はめざましい進化をとげ、学会も大きく変わった。私が実感するのは、明らかに、学会と社会の関係が大きく変わった点であろう。特に、情報処理の黎明期では、一部の専門家が議論していたことが、高度情報化社会へと進化し、広く一般に必須な情報リテラシーとなった点や社会を発展させていく原動力としてのITの持つ重要性が広く認知された点である。さらに、インターネットの普及により、学会が発信してきたさまざまな情報が紙メディアからオンラインメディアへと移行していることも挙げられる。学会誌である「情報処理」は、iPadなどのタブレット上のニューススタンドアプリ経由でも容易に読むことが可能となった。一方、学会と学会メンバとの関係も、技術進化のスピードほど早くはないが、着実に変わってきている。無料学生会員制度を発展させ、小学生から大学3年生までを対象にしたジュニア会員制度やITフォーラムにより新たな領域で活動されているメンバの発掘が行われてきている。

 私が着任してから、昨年10月には、政策提言委員会と若手研究者会合同という形で、内閣官房IT総合戦略室の方々とIT世界最先端IT国家創造宣言の改定やサイバーセキュリティ戦略などに関して大変有意義な意見交換会を行うことができた。また、1月には、中国CCF(China Computer Federation)の表彰式への表敬訪問をかねてCCFとの相互連携に関する意見交換会、3月には「ICTによるイノベーションの創出 〜スマートシティからオリンピック・パラリンピックまで〜」をテーマにソフトウェアジャパン2015を開催。また、第77回全国大会は、「社会に浸透し、社会を変革するICT」をスローガンに京都大学にて、創立50周年時の第72大会に継ぐ過去2番目の規模で成功裏に開催された。

 これらを通じて感じるのは、喜連川会長、下間事務局長をはじめ、現在の理事、事務局の方々のリーダシップによって、学会が次の50年を視野に大きく新しい形に向かって着実に進化してきていることである。20年来の会員減少に歯止めがかかっただけでなく、ジュニア会員制度の確立やドワンゴとの提携による学会行事のニコニコ生放送によるネット配信の開始、若手研究者によるIPSJ-ONEの開催、リクルートとの連携による全国大会と連携した学びのイベント「情報処理祭」の開催など新しい試みが始まり、素晴らしい成果を挙げてきている。これらの動きをさらに力強いものへと発展させ、社会にとってより重要な学会となるようメンバー総出で学会を進化させていかなければいけないと思っている。

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