2018年04月02日版

「研究会運営の現状と課題」

角谷 和俊(調査研究担当理事)

 2017年度より調査研究担当理事として、コンピュータサイエンス領域委員会・調査研究運営委員会を主に担当しております。これらの委員会では、研究会・研究グループ(以下、研究グループを含めて研究会と表記します)の運営、研究会が所属する領域の運営、さらに領域全体の運営について、いかに研究会活動を活発化するか、また研究会を通じて学会員の研究活動をどのように支援するかについて検討しております。私自身、過去にデータベースシステム研究会の幹事・主査を務めた経験もあり、研究会活動については一通り理解していたつもりでしたが、他の研究会・研究領域の活動の全体像を認識したのは、領域委員会や調査研究運営委員会の委員長を拝命してからでした。個々の研究会活動は、想像していた以上に「多様性」があり、その運営形態は千差万別でした。ご存知の通り、研究会の設置や運営については学会で定めた規則があり、上位の委員会への報告・承認、最終的には理事会への報告・承認という流れになっております。この流れに基づき、研究分野の特性や状況により、シンポジウム等のイベント企画や論文誌(トランザクション)の発刊などの多くの選択肢から、各研究会で独自のメニューが設定されています。

 研究会活動、特に運営側(主査・幹事・運営委員ら)の活動の現状と課題について、以下の2点に絞り雑感を述べたいと思います。一つは、運営側のイベント企画や準備、研究会報告・論文誌の編集作業などの諸々のタスクとその負荷についてです。もう一つは、研究会活動がさらに活発化して当該の研究分野が発展するために、いかに新しい登録会員(特に、「ジュニア会員」)を獲得するかについてです。

 まず、主査・幹事らの研究会役員、およびシンポジウム等の運営委員などが、研究会活動にかける労力や負荷は、研究会の分野や規模の大小を問わずきわめて大きいことは論を俟ちません。新たに企画するイベントはもちろんのこと、定期的に実施しているイベントでさえ、その検討・準備には多くの時間と労力がかかります。新しい研究トピックや萌芽的なテーマなどをいかに抽出して研究発表のセッションを構成するか、また、他の研究会と連携することで境界領域に存在する問題を顕在化させるなど、新しい事柄をタイムリーに取り上げてどのような枠組みで扱うかを判断し実行することは研究会の使命の一つです。このような定量化されない膨大な作業が、研究会運営者らの「ボランティア」で実施されていることを意識することも必要であると考えております。研究会活動や他の学会活動も含めて、これらの活動はいわゆる企業における経費としての人件費としての見返りはなく、無償で運営を行っていることになります。また、新しく企画したイベントの参加者数が計画より大幅に下回り赤字になることもあります。この赤字は「経営的」にはもちろん決して良いことではありませんが、新しい研究のチャレンジとしては少なからず意味があります。一度、研究会活動とその経営的な価値観について潜考する必要があるのではないかと考えております。

 次に、研究会の登録会員についてですが、これも各研究会によって状況はさまざまです。登録会員がほとんど変わらない研究会もあれば、入れ替わりが多い研究会もあります。すべての研究会に共通しているのは、学生の年次進行に伴う入会・退会です。たとえば、大学の学部4年生(最近は3年生からも)が研究室配属になり、研究発表を行うために研究会登録するというケースが多く考えられます(もちろん、毎年同程度数の退会者も)。2015年から設置されているジュニア会員は、学部4年生未満(小中高校生、大学学部3年生以下、高等専門学校専攻科1年生以下、短期大学生、専門学校生)の学生を対象としたものであり、これらの学生と研究会活動を適切に結びつけることができれば、将来研究会で活躍が期待できる有望な会員となってくれるはずです。調査研究運営委員会や企画政策委員会でもこの「結びつけ」についていくどとなく検討しておりますが、まだ良い案が出ておりません。ぜひとも会員の皆様からアイディアをいただければ幸いです。なお、(私個人としては)ジュニア会員という呼称は高校生以下までには適していますが、大学生に対する呼称としてはやや違和感があります。あと数年で学会活動の中心となって活躍してくれるであろう姿に期待を込め、その役割に相応しい呼称に変更してはどうかと考えています。

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