2019年05月07日版

「「先生、質問です!」 ─ 若い世代に向けたサービスについて考える」

重野 寛(新世代担当理事)


 元号が令和に変わり、新しい時代が始まりました。大型連休でゆっくりとしたスタートとなりましたが、AIやデータサイエンスといった高度ITの引き起こす波は大きく、社会の仕組みが大きく、そして、急速に変化しようとしています。高度ITを軸とした世の変化は望むところではありますが、何事も数値化されて分析されているような、さらには、どこかで損得がきっちり色分けされているような(本来はそんなこともないはずなのですが)、なんとなく窮屈な感じがすることも多くなってきました。変化の激しい時代だからこそ、新しい価値に加えて、もう少しゆったりと、時代に左右されない豊かな価値を探したくなるのも人情というものでしょう。

 激しい変化の時代にあって、情報処理学会もさまざまな改革に取り組んできています。私もこの2年間、新世代担当理事として、新生代企画委員会で若手の委員や他の理事の協力を得ながら、若手会員向けサービスの在り方や具体的なサービスの検討に取り組みました。ちょっとした改善につながった議論や、まったくお蔵入りとなった企画などありますが、そんな検討の中から生まれたのが、学会誌における「先生、質問です!」のコーナーです。

 「先生、質問です!」は特にジュニア会員からの素朴な疑問・質問に対して、何名かの情報学の専門家・研究者の皆さんに答えていただこうというコーナーです(実際には質問はどなたからでも受け付けています)。2018年8月から学会誌に掲載されていて、学会Webページでも読むことができますので、ぜひ、ご覧いただければと思います。
https://www.ipsj.or.jp/magazine/sensei-q.html)

この企画は新世代企画委員会の2人の若手研究者の委員が中心となって進めてくださり、学会誌をご担当する委員会との共同企画という形で実現しました。最初はSNSでインタラクティブなサービスにしたいなどの今風のアイディアもあったのですが、学会というフレームワークやジュニア会員を対象とするにあたっての問題点などを注意深く検討した結果、オーソドックスな学会誌の記事という形でスタートしました。

 「先生、質問です!」については賛否さまざまなコメントをいただいていますが、最近では、意外にも一般会員の方からの「楽しみにしています」といったポジティブなコメントが増えています。この企画は、インターネットのSNSに投稿された学生の素朴な疑問に、その道の大家と呼ばれるような先生が実に真摯に回答されていたのを目にしたことがきっかけで始まりました。素朴だけれどもそれだけに本質的な疑問を持つジュニアに、専門家が真面目にコメントする。両者を結びつける。そんなことができたら、ちょっと素敵ですねというのがそもそもの始まりです。よくよく考えてみると、このようなことは学会が本来持っている価値のひとつではないかとも思われます。学会が学術の最先端で研究者や技術者が切磋琢磨する場であることは間違いありませんが、同時に、さまざまな立場の方が世代を超えて議論し、一緒に考え、交流する場でもあります。「先生、質問です!」は小さなコーナーではありますが、実はそんな学会が本質的に持つ価値 ─ 楽しみを垣間見せてくれる、そんなコーナーでもあるように思えるのです。

 最後になりますが、「先生、質問です!」にご協力をいただいている皆様に感謝申し上げます。特に、企画を担当されたお二人の若い研究者の先生は、今も編集者として記事の取りまとめを担当してくださっています。ありがとうございます。また、質問に回答をいただきました先生方にも感謝申し上げます。

 ジュニア会員、学生会員、あるいは若いマインドをお持ちの皆様、素朴な質問を募集しています。大人の会員の皆様、いつか若い編集者のお二人から質問への回答の執筆依頼を受け取られるかもしれません。その際は、ぜひ、こころよくお引き受けください。多くの皆様に一緒に「先生、質問です!」をお楽しみいただけたら何よりです。

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