2020年02月03日版

「情報処理の楽しさ」

佐藤 真一(教育担当理事)


 2019年度より教育担当理事を務めております。情報処理教育に関する活動について担当しており、あわせてジュニア会員活性化委員会も担当しております。本会ジュニア会員は、2015年度から新たに始まった会員区分であり、大学学部3年生以下、高専専攻科1年生以下の、小中高校生を含む方が無料で会員になれる制度です。昨今、特に中高生の情報処理に関する教育について、大変動が起きています。新学習指導要領における小中学校の児童生徒への「情報教育」の導入決定等、高校はもとより、中学、さらには小学校でもプログラミング教育が始まろうとしています。さらに、大学入学共通テストへ教科「情報」が導入されようとしており、情報処理は皆が学ぶ教科になろうとしています。

 その一方で、特に小中高で教科「情報」を教えることのできる教員の不足が問題化してきています。学校によっては、専門外の、たとえば家庭科や音楽の先生がプログラミングを教えることになりかねないそうです。これで、生徒にプログラミングの楽しさ、情報処理の奥深さが伝わるのか、心配に思っています。自分が中学生だった40年前は、プログラミングなどはごく一部の好き者の遊びであり、そもそもコンピュータなるものがとても高価でもありほとんど存在しない状況でしたが、プログラミングが本当に好きで、コンピュータがプログラムを書いた通りに動くこと、特に、うまくプログラムが書ければ思い通りにも動くし、一部にバグがあるとその通りに間違った動きもするし、すべてが自分次第という感覚は本当に楽しいものでした。今は、スマホもあるし、小中学生のお小遣いでラズパイも買えるし、やろうと思えばだれでもプログラミングができます。しかし、当たり前になりすぎると皆興味を失っていくのも世の常であり、かつ教科として勉強しなければならない対象になるとどうか、さらには専門家でない人に教わるとどうか、皆プログラミング嫌いになったりしないか、心配しています。

 情報処理学会では、ジュニア会員の中高生を対象とした研究発表会である中高生情報学研究コンテストを2019年度より開始しており、2020年も全国大会にて開催予定であり、2019年度を大幅に上回る62チームの参加が予定されています。その発表内容を見ると、皆さん普通にPythonやTensorFlowを駆使しているし、VRや画像認識や人工知能等の最先端の研究テーマに取り組んでいるし、独自言語のコンパイラ設計に取り組んでいるチームもあり。。。いずれも大学院生やプロの研究者の研究テーマと見まごう専門的なテーマに取り組んでいて、むしろ斬新さではさらに優れているものばかりです。一部なのかもしれませんが、少なからぬ全国の中高生たちは、最先端の情報処理技術を大いに楽しんでいるようです。大人が心配するよりも、子供たちはずっとまともに情報処理・プログラミングと正しく付き合っているのかもしれません。情報処理の未来は明るいかも。中高生情報学研究コンテストでの皆さんの発表を心より楽しみにしています。

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