会長挨拶
会長挨拶
江村克己
情報処理学会会長/日本電気(株)
<目次>
- 創立記念日に寄せて(2021年4月22日)
- 新年のご挨拶(2021年1月5日)
- 学会創立60周年記念週間(11月23日~27日)とメモリアルページ(2020年11月23日)
- 2020年5月15日から7月31日までの豪雨による災害について(2020年9月10日)
- 2020年度新体制のスタートにあたって(2020年6月4日)
- 創立記念日に寄せて(2020年4月22日)
- 全国大会のオンライン開催の成功をうけて(2020年3月13日)
- 新年のご挨拶(2020年1月6日)
- 2019年8月から10月までの台風および停滞前線による豪雨および暴風雨災害について(2019年10月21日)
- より多くの人と社会価値創造に取り組む—会長就任にあたって—
(2019年6月6日)
創立記念日に寄せて
新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。昨年は、新型コロナウイルス感染症の拡大が急激な変化を社会にもたらしました。気候変動の影響も顕わになる中で、地球の持続可能性を如何に担保していくかがグローバルに解くべき課題として意識されるようになりました。日本ではコロナによりデジタル化の遅れが明白になりました。一方で、仕事、教育、医療などでリモートでの取り組みが一挙に進み、新しい社会の姿の端緒が見え始めてもいます。課題が顕在化する中で情報処理の重要性が一般に広く認知された一年だったとも言えます。
学会創立60周年記念週間(11月23日~27日)とメモリアルページ
新型コロナウイルス感染症の終息がなかなか見通せないため、10月30日に予定していたオンサイトでの60周年記念式典は中止をし、11月23日から27日を学会創立60周年記念週間として、様々なコンテンツをオンラインで発信することにしました。11月26日にはIEEE会長の福田敏男先生による記念講演も予定されています。また中止した式典に代えて同日に開催した60周年記念パネル討論や、各界からのご祝辞、特別寄稿等もアップされます。オンサイトのイベントでは参加者が限られますが、オンラインではその制約から解放されます。是非多くの方にメモリアルページを訪れていただき、学会の来し方、行く末に思いを馳せていただければと思います。このタイミングで、「情報処理学会60年のあゆみ」と「情報処理技術遺産とパイオニアたち」の2冊の書籍も刊行されました。こちらも是非ご参照ください。
記念週間にも関連しますが、このひと月ほどで私にとって学会のあり方を考えさせられるイベントがいくつもありました。ひとつは、創立記念週間に向けて収録を行った学会歴代会長・有識者による上記のパネル討論です。第1部では第25代から28代の白鳥、古川、喜連川、富田の歴代会長と議論を行いました。第2部では外部有識者としてIEEE会長福田先生、IEEE-CS前会長笠原博徳先生、Yahoo! JAPAN研究所田島玲所長、メディアアーティスト他多様な顔を持つ落合陽一さんを迎え議論しました。詳しくはオンライン配信を見ていただきたいのですが、その中で学会と社会のつながりの強化、尖った人材を引き立て、新しい技術分野を拓くなど難しいことに積極的にチャレンジすることの重要性、ローカルな問題解決に貢献するためにダイバーシティを高め、外部連携を強化すべきことなどについて意見をいただきました。
11月2日には、学会のアドバイザーの皆様にオンラインでお集りいただきアドバイザリーボードを開催しました。ここでもコロナ禍で情報の重要性が明らかになってきた中で、情報を扱う学会として情報発信や提言の機能を強化すべきとの指摘がありした。女性やジュニア会員への対応を含めダイバーシティを高めることの重要性、技術のみならず情報の利活用への取り組みを強化することの必要性などについても議論がありました。
10月23日には、中国最大の情報系の学会Chine Computer Federationの全国大会CNCC2020で情報処理学会会長としてリモートで招待講演を行いました。昨年はCNCC2019 に現地参加し、参加者数が約8000名というその規模の大きさに驚かされました。今年は北京で規模を縮小して開催と聞いていたのですが、北京以外にも5か所に特別会場を設置、全6か所で7000名が参加、加えてオンラインで2万名が参加したそうです。環境変化に素早く対応し新しい開催方法を模索しながらも、多くの人が情報技術に取り組んでいることを見るにつれ、グローバルな中での情報処理学会の立ち位置を明確にするとともに、グローバルな連携をどう進めるかを再度明確にすることの必要性を感じました。
情報処理技術が成熟し、世の中に浸透するとともにデータの時代へのシフトが起きています。新型コロナウイルスや気候変動が大きな問題となる中で世の中の変化も激しくなり、不確実性も高まっています。学会も、従来の姿にとらわれることなく、新しい形に変化を遂げていくことが必須になっています。そこで学会60周年のこのタイミングで、これからの学会の進むべき方向をまとめ“情報処理学会創立60周年宣言”として発することにしました。多くの皆様とともに、これからも広く社会に寄与する学会となるべく活動を進めていきますので、よろしくお願いします。
2020年5月15日から7月31日までの豪雨による災害 (*1)について
2020年度新体制のスタートにあたって
創立記念日に寄せて
全国大会のオンライン開催の成功をうけて
第82回の全国大会は、新型コロナウイルスの感染を防ぐという観点から、金沢工業大学での開催を中止し、一般・学生セッションすべてと一部のイベント企画をオンラインで開催しました。現地開催中止の決定からオンライン開催まで2週間という短期間でしたが、岡部大会運営委員長、中野副委員長、中沢プログラム委員長、河並副委員長、齋藤現地実行委員長、事業担当理事をはじめとする各委員会委員の皆様やサポーター、事務局の皆様の多大なるご尽力で大きなトラブルもなくオンライン開催を無事に実施することができました。ご協力いただいたすべての皆様に感謝します。
私もいくつかの講演を聴講しましたが、発表はクリアでしたし、議論もスムーズに行われていました。短期間でオンライン開催の手引きが作成されたことも大変大きかったと思います。何よりオンラインでセッションを進行していただいた座長の皆さん、オンラインで発表いただいた講演者の皆さん、積極的に質疑に参加いただいた聴講者の皆さん、それぞれが高い情報リテラシーとオンラインでの実施への深い理解を持たれていたということが成功につながったのだと思います。それぞれのセッションの運営にあたっては、研究会・研究グループの皆さんの強力なサポートがありました。ありがとうございました。 20を超えるセッションが同時に粛々と進行され、3日間で約750件の発表と延べ約3000人の参加があったということは素晴らしいことで、将に本学会の面目躍如たるところかと思います。
将来を見据え、今、学会として力を入れていることに、グローバル化の推進とジュニア層を中心とした会員層の拡大があります。今回はいつも参加いただく米中韓のSister Societyからの参加は残念ながら見送られました。この新型コロナウイルスの問題が一日も早く収束することを願っています。落ち着いたタイミングでグローバル化対応の強化、海外学会との連携促進にも再度注力していきます。 ジュニア層を中心とした会員層の拡大に関しては、昨年から土曜日までの開催を断行し、中高生やジュニア会員のために多くのセッションを組むようになりました。今回のような状況でも、中高生情報学研究コンテストを従来のポスターセッションとは形を変えて実現することができましたし、「先生質問です!」公開セッションやSamurAI Codingコンテストもオンラインで実施されました。若い人たちとの接点の持ち方についても新しい可能性のヒントがあったのではないかと思っています。
今年は本学会創立60周年にあたります。感染を防ぐという目的ではありましたが、オンライン開催が成功したことを受け、全国大会や研究会の今後のあり方を検討したいと思っています。次の60年も、持続可能な学会であるために何を変えていくかを考える契機とすることで今回の出来事をプラスにしていきましょう。今回のオンライン開催ではいろいろな気づきがありました。今回は時間の関係で既存の遠隔会議のアプリケーションをそのまま使う形でしたが、気づきをベースに学会発表や遠隔授業に適した機能を追加することにチャレンジし、広く展開していくことも重要と考えます。 コロナウイルス対応でリモートワークやオンライン学習が本格化し、遠隔診療の議論も進んでいます。情報をメインとする本学会での検討が、今後の社会の変革に寄与できるところは大きいと考えます。会員の皆さんとともに、技術の進展への貢献はもちろんですが、教育や情報技術の社会浸透への貢献についても取り組んでいきたいと考えていますのでよろしくお願いします。
最後になりますが、現地開催に向け準備をいただき、最終的にはオンライン開催への対応含め大会の開催・運営にご尽力いただいた金沢工業大学の関係者の皆様には、大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。オンライン開催にあたっては、多くのスポンサー、サポーター、委員の皆さんに多大なるご協力・ご尽力をいただきました。改めまして関係したすべての皆様に感謝の意を表し、結びとします。ありがとうございました。
新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます.昨年は,新しく令和の時代が始まり,ラグビーワールドカップで国中が盛り上がりをみせるなど明るい出来事が数多くありました.一方で,台風による豪雨など多くの災害が発生しました.グローバルに地球温暖化問題への関心が高まり,各国情勢に数多くの不安定要素が見られる等,変化が激しい時代になっていることを改めて痛感した1年でもありました.
情報処理を取り巻く環境も大きく変わりつつあります.本会創立60周年にあたる今年2020年が,情報処理にかかわるすべての人や関係機関にとって良い年になることを祈念しています.昨年6月の会長就任以来,これまでさまざまな活動を通して,学会として新たに取り組めるものがたくさんあるのではと思うようになってきました.新年でもありますので,将来への期待も込めて,その内容をお伝えします.今年を,大還暦(次なる60年)に向けて,次なる新しい一歩を踏み出す年にしたいと思っていますので,よろしくお願いします.
デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みがあらゆるところで進められるようになってきました.デジタルの力でこれまでのやり方を変革し,新しい仕事の進め方や文化を創り上げていくことがデジタルトランスフォーメーションの本質です.それを支えるのが情報処理そのものです.数年前からデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが主に企業で進められるようになりました.今ではその取り組みが多くの業界にひろがっています.さらに,大学や自治体など他の多くの機関でも変革への取り組みが行われるようになりました.こうしたデジタルトランスフォーメーションにかかわる人は,プロセス変革や文化改革をしている人からデジタル化・IT化を現場で支えている人までを含めると膨大な数になります.私たちの学会が寄与できる範囲が大きく拡がっていますし,学会の会員として迎えることができるメンバも私たちの想定をはるかに超えて多くなっていると言えます.
本会ではジュニア会員の増強を進めており,小中学生のジュニア会員も増えています.昨年末,小学4年生が数学検定一級に合格したということがニュースになりました.昨年の全国小中学生プログラミング大会でグランプリに輝いたのは小学2年生でした.ジュニア会員には,情報オリンピックやロボコンにチャレンジする高校生や高等専門学校の学生さんもいます.ジュニア会員の興味も多様になっており,本会が提供できるものは多岐にわたると思います.小学校からのプログラミング教育推進,生徒1人1台タブレット端末の配布,大学入試科目への情報の導入を目指す取り組みなど関連した変化もいろいろと起きています.情報教育を広く展開するプラットフォームの構築が不可欠になっていますが,教える側の人材が大幅に不足することが懸念されています.一方で,情報に関する高い知見と豊富な経験を有しながら,すでにアカデミア,産業界の第一線を退かれた方が,多数いらっしゃいます.こういった方々の能力の認定を行うとともに,必要なところとのマッチングを行うことにも学会として取り組む価値が十分にあると思います.
以上のことを考えると本会がカバーするポテンシャルがある領域とその人財層は,現状,学会がカバーしているものをはるかに超えていると思います.従来の固定観念にとらわれることなく,学会としてもトランスフォーメーションにしっかり取り組むことが大切です.学会としてのサステナビリティを高め,さらに成長を続ける学会への変革です.今年は学会創立60周年にあたるので,いろいろなイベントが企画されています.それらの中で学会の来し方を振り返り,行く末に思いを馳せながら,次の一歩を皆さんと一緒に踏み出していきますので,よろしくお願いします.
2019年8月から10月までの台風および停滞前線 (*1)による豪雨および暴風雨災害について
このたびの台風や停滞前線による河川氾濫等により亡くなられた方々に哀悼の意を捧げますとともに,被災された方々,今なお家屋破損等で不便な生活を余儀なくされている方々,関係者の方々に心よりお見舞い申し上げます.
今回の台風・前線影響は広範囲に及んでおり,被災された地域には多くの情報処理学会員がいらっしゃいます.本災害による被害の大きさに鑑み,当面の被災者支援として,被害にあわれた会員の方々の2019年度分の会費を免除することにいたしました.つきましては,本件に該当する会員の方々にはご面倒をおかけしますが,本ページからリンクされている会費免除手続きにかかるページをご参照いただき,お手続きをお願い致します.
8月には線状降水帯が27日から29日にかけて九州北部に停滞し,特別警報が発令された3県(長崎,佐賀,福岡)に豪雨をもたらしました.9月には関東地方に接近した台風15号が9日に千葉県に上陸し,暴風雨により家屋や送配電設備に甚大な被害をもたらしました.10月には台風19号が12日から13日にかけ,東海/甲信越/関東/東北地方を縦断し,特別警報が発令された13都県(静岡,神奈川,東京,埼玉,群馬,栃木,山梨,長野,新潟,茨城,福島,宮城,岩手)においては,豪雨による堤防決壊や河川氾濫,家屋浸水等甚大な被害が発生しました.本来「数十年に一度」の災害時に発令される特別警報が頻発される事態は,残念ながら今後も継続すると推定され,情報処理学会としては,情報処理技術により,短期的には発生時の被害規模の縮小,長期的には地球温暖化の防止等に貢献すべく,研究開発に取り組んでいく所存です.
*1)2019年8月から10月の前線等に伴う大雨(台風第10号,第13号,第15号,第17号および特定非常災害に指定される可能性がある台風第19号の暴風雨を含む).
会長就任にあたって
より多くの人と社会価値創造に取り組む
—会長就任にあたって—
江村克己
情報処理学会会長/日本電気(株)
(「情報処理」Vol.60, No.7, pp.580-582(2019)より)
社会課題解決と価値創造に貢献する
ディジタル化により,社会課題解決や価値創造に新たな形で対応することが可能になりました.ディジタルトランスフォーメーションとも呼ばれますが,その源泉となっているのがデータやAIです.この大きな流れの中で,私たちはどのような貢献ができるのかを徹底的に考え,具体的なアクションにつなげることが重要になっています.
ディジタル化がもたらす新しいパラダイムを学会の価値向上につなげる
自然災害の予兆検知やシステムの故障予測など十分なデータが得られない場合には,演繹的なアプローチと帰納的なアプローチを組み合わせていくことも必要になります.ここに新しい融合学問領域が出現します.このような新領域で本会は先導的な役割を果たすべきです.異なる分野の学会やグローバルな学会との連携を視野に入れ検討します.
データによる価値創出においては,データの多寡が性能に影響を与えます.この議論をするとよくGAFA(Google,Apple,Facebook, Amazon)や中国によるデータ囲い込みの問題が話題になります.地政学上,産業的に対応が難しい場合も出てきていますが,アカデミックで中立な学会ならできるグローバル対応もあります.これまでにも本会は,ACM(Association for Computing Machinery)やCCF(China Computer Federation)などグローバルにプレゼンスのある学会との連携を進めています.複雑な国際情勢の中では,このようなアカデミックな連携を強化することの意味は非常に大きいと考えます.
人を活かすという観点から学会の今後を考える
最近,将棋の藤井聡太さん,囲碁の仲邑菫さん,卓球の張本智和さん,フィギュアスケートの紀平梨花さんなど若くして才能を開花している人たちが数多く出てきています.情報処理の世界でもゲームやハッカーの領域で若くして天賦の才を発揮している人たちがたくさんいます.会誌「情報処理」を読んでいる小学生のジュニア会員もいます.天賦の能力を磨くのに早すぎるということはありません.西尾前会長はジュニア会員を中心に会員増に尽力されました.この活動を継続・拡大し,将来を担う世代に魅力あるサービスを提供することが学会のサスティナビリティを高めることそのものです.
AI人材の不足が叫ばれていますが,ディープラーニングのオープンソース化が進み,情報処理の基礎的知識を有している人なら誰もがAIを使える環境になってきています.AIは敷居が高いものという印象を払拭し,AI活用人材の底上げに貢献することも学会の役割です.本会ではソフトウエアジャパン,各種セミナを通してのIT人材の育成やITエンジニア向けの認定技術者制度を推進しています.この範囲をさらに広げていくことを検討します.
データの活用による価値創出において,情報処理技術に携わる人はドメイン知識を持つ他の領域の人たちと連携して活動することが不可欠です.このとき我々のカウンターパートの人は,情報処理の基礎を理解していることが望まれます.データ活用にあたっては社会科学的な視点も重要になります.他分野の方々との出会いの場を,学会として提供していくことで学会の価値を上げていきたいと思います.
データを活用する価値創造では,市民を加えた産官学民連携が必要と言われています.データを使うことへの過度な心配は価値創造の阻害要因になりかねません.一般市民のAIやデータ利用への理解を高め,リテラシーを上げることが重要です.本会には情報処理について公平で最も見識が高いメンバが集まっています.本会が社会や市民へのアウトリーチ活動を行い,データ活用のメリットを丁寧に説明することが重要になっています.人生100年時代を迎え,リカレント教育の必要性も高まっています.私たちが接点を持つべきは老若男女を問わず,ありとあらゆる世代の人たちです.皆が集う場として,より多くの人に本会に興味を持っていただくことが本会の成長と新たな展開につながると考えています.
新しい時代に向け学会の基盤を強化する
本会が新しいことにチャレンジし,より良いサービスを提供していくためにも,学会の運営基盤をさらに強固にしていくことが不可欠です.その基本は会員の増加を図り,財政基盤を確固たるものにすることです.本会の魅力を上げていくことが必要で,科学技術面での高いポテンシャルを維持するとともに,人材の育成や社会課題にも積極的に対応していくことが必要になります.カバーする話題のスペクトルを広げること,グローバル化を促進すること,会員のダイバーシティを高めることをあわせて考えることが必要です.科学技術面でのポテンシャルの高さは学会が最も大切にしてきた生命線です.情報処理に関する論文の発表先として本会が選ばれ,最先端の情報が常に本会にあるようにすることが重要です.大会や研究会の魅力をさらに上げるとともに,英文論文誌の質を向上し,グローバルな認知度を上げていきます.
人材育成に関しては,初等中等教育を含めた情報教育,技術者の認定プログラムを提供しています.時代の流れに合わせてその内容を見直し拡大すること,リカレント教育を意識したプログラムをつくることを検討します.これらをより多くの機関や企業に活用いただくことで,結果として情報処理学会に目を向け,加入いただける個人が増えると考えています.
データ活用やAI利用が進む中で,社会受容性や倫理的な問題が顕在化することも想定されます.このような場合に,技術的な見識が高い学会として提言や意見表明をタイムリーに行います.最近の会誌「情報処理」の特集は非常に多岐に渡り,しかも時宜を得た内容になっています.一般の方々の生活や仕事に関連するものも多くなっています.市民との接点を増やし,こういった情報を広く発信することで,情報処理技術がより広汎に世の中に浸透し,それが社会価値創造への貢献につながると期待しています.
ディジタルトランスフォーメーションの進展とともに世の中が大きく変化しています.変化を先取りする形で新たな取り組みを進めれば,本会の提供する価値がより大きくなり,会員としての仲間も増えると確信しています.学会のさらなる発展に向け会員の皆様と一緒にチャレンジしていきたいと思いますので,ご支援,ご協力よろしくお願いいたします.
(2019年4月26日)
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