柿本 正憲 君

  • 柿本 正憲

    [対象業績]「視覚特性を考慮したCG描画技術の研究開発およびメディア学教育に関する貢献」

      1982年富士通研究所入社以来、一貫してCG技術研究に従事。1993~2011年は複数企業でCG製品開発・システム構築に携わり、2005年東京大学で博士(情報理工学)取得。2012年から東京工科大学メディア学部教授、2017~2020年に同学部学部長、2021~2022年に同大学の副学長を務める。情報処理学会グラフィクスとCAD研究会主査、可視化情報学会理事等を歴任。Pacific Graphics Best Papers Award、画像電子学会技術賞など国内外の受賞多数。教科書執筆やシリーズ監修も担当し、次世代のCG人材育成にも貢献している。

    [業績推薦理由]

    柿本正憲君は、人間の視覚特性と眼球構造を考慮したCG技術の先駆的研究者として、波動光学に基づくグレア表現や視力矯正シミュレーションにおいて独創的な研究成果を挙げ、理論と実用を高レベルで両立させた。特に独自のブラーフィールド概念導入は、複雑な光学現象を効率的に近似し、眼鏡産業の設計プロセス改革に貢献した。学部長・副学長として教育改革や産学連携を推進し、理論と実務の架け橋となる人材育成に尽力した。他にもCGスキルの標準化や、メディア学体系シリーズの監修など、学術と教育の両面で社会的意義の高い功績を残している。