電子情報通信学会情報・システムソサイエティ、ヒューマンコミュニケーショングループおよび情報処理学会が共同開催する情報科学技術フォーラム(FIT: Forum on Information Technology)は、2002年に創設され今回が第13回となる日本の情報科学分野最大の学会大会である。査読採択論文は各分野の講演論文集に収録されている。
FIT2014では、本フォーラムで最も特徴となるFIT査読付き論文について、情報分野のより一層の活性化を目指すべく、前回と同様の「コンファレンスペーパー」としての査読に加えて、優秀な論文をFITとして電子情報通信学会または情報処理学会の論文誌へ推薦する「論文誌推薦制度」を継続した。査読はこれまでと同様、各分野に分野責任者を置き、各研究会から推薦された担当委員と協力して、それぞれの分野および研究会で独立に論文査読を行った。
以上の過程を踏まえて、6月9日に査読会議を開催し、採択論文の決定、船井ベストペーパー賞・FIT論文賞候補論文の決定、論文誌への推薦論文候補を決定し、それに引き続きプログラム編成会議でFIT2014プログラムを策定した。論文査読を行った各分野の投稿数、採択件数、採択率は次の通りである。
分野 | 投稿数 | 採択件数 | 採択率 | |
---|---|---|---|---|
A | モデル・アルゴリズム・プログラミング | 6 | 0 | 0% |
B | ソフトウェア | - | - | - |
C | ハードウェア・アーキテクチャ | 7 | 5 | 71.4% |
D | データベース | 13 | 5 | 38.5% |
E | 自然言語・音声・音楽 | 0 | - | - |
F | 人工知能・ゲーム | 8 | 6 | 75.0% |
G | 生体情報科学 | - | - | - |
H | 画像認識・メディア理解 | - | - | - |
I | グラフィクス・画像 | 7 | 1 | 14.3% |
J | ヒューマンコミュニケーション&インタラクション | 7 | 6 | 85.7% |
K | 教育工学・福祉工学・マルチメディア応用 | 11 | 4 | 36.4% |
L | ネットワーク・セキュリティ | 8 | 5 | 62.5% |
M | ユビキタス・モバイルコンピューティング | - | - | - |
N | 教育・人文科学 | 1 | 0 | 0% |
O | 情報システム | 24 | 14 | 58.3% |
合計 | 92 | 46 | 50.0% |
以下の5編は、FIT2014学術賞選定委員会が採択された査読付き論文の中から所定の選定手続きを経て選んだ船井ベストペーパー賞3編・FIT論文賞2編である。
・RC-004 | FPGAによるブレ補正機構に関する研究 ○丸山 裕士・山口 佳樹・児玉 祐悦(筑波大学) |
・RF-003 | 架空名義操作不可能な再配分メカニズムの特徴付け ○鶴田 俊佑・岡 雅晃・東藤 大樹・櫻井 祐子・横尾 真(九州大学) |
・RJ-004 | 瞬目種類識別のための形状特徴量に関する一検討 ◎松野 省吾(電気通信大学)・大山 実(東京電機大学)・阿部 清彦(関東学院大学)・大井 尚一(東京電機大学)・板倉 直明(電気通信大学) |
・RO-011 | 予備系システムのダウンサイジング手法及び評価 ○市原 利浩・原田 篤史・樋口 毅(三菱電機) |
・RO-012 | 多品種対応ドメインを用いたモデル駆動開発の実現 ○根路銘 崇(電気通信大学/日本アイ・ビー・エム)・沼尾 雅之(電気通信大学) |
最後になったが、多忙の中、査読プロセスの運営および論文賞候補選考にご尽力頂いたFIT2014プログラム委員会およびFIT2014学術賞選定委員会の方々、限られた短期間で論文査読の責務を果たして頂いた査読者の方々に深く感謝する。
FIT2014プログラム委員会
FIT2014学術賞選定委員会
委員長 安本 慶一