ITフォーラム:IPA/SEC 情報処理推進機構(関連団体)

人工知能を支えるIoT ~2020年の安心・安全なIT社会の実現に向けて~

(会場:2F中会議場3)
【セッション概要】経済産業省の産業構造審議会商務流通情報分科会情報経済小委員会が平成27年5月21日に取りまとめた報告書「中間取りまとめ ~CPSによるデータ駆動型社会の到来を見据えた変革~」には、ITの技術革新がもたらす産業構造・ビジネスモデルの大変革を見据えた取組みに関する検討結果が記されている。その中では、IoT・ビッグデータ・AI等によって、実世界から得られたデータを分析・解析し、その結果を再び実世界にフィードバックするというサイバーフィジカルシステム(CPS)が現実のものとして認識されている。本セッションでは、このようなIoT時代において、安心・安全なIT社会を実現するために必要なこと、新たなビジネスを創出し続けるために求められる人材・組織等について、参加者と共に考えたい。

【参考:情報経済小委員会 中間取りまとめ報告書】
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/report_001.html

プログラム[09:30〜12:00]

【講演概要】「コンピュータに蓄積されていく物事(Things)のデータが、Internetが世の中を変えたのと同様に世の中を変えるに違いない」1999年のKevin Ashton氏の講演タイトルで登場したIoT(Internet of Things)。IoTにより急速蓄積されるビッグデータ、それらを活用する人工知能など、Internet以上の変化を世の中にもたらそうとしている。その一方、セーフティ、セキュリティ、プライバシーの確保などの課題も明確になってきている。本講演では、IoTを俯瞰し、その課題解決に向けた取組みを概観する。
田丸 喜一郎

田丸 喜一郎(IPA/SEC 調査役)
【略歴】1981年慶應義塾大学工学研究科博士課程修了(工学博士)。同年、株式会社東芝入社。半導体技術研究所、本社技術企画室などを経て、2004年よりIPAの活動に従事。現在、IPA技術本部ソフトウェア高信頼化センター調査役。九州工業大学情報工学部客員教授、一般社団法人スキルマネージメント協会顧問などを務める。

【講演概要】IoTの広がりによって、センサー、家電製品、ヘルスケア/医療機器から自動車まで、多くのデバイスがインターネットにつながり、様々なサービスと結びつくことで、より便利な社会となることが期待されています。一方で、セキュリティ上の脆弱性や設定不備等を狙った攻撃によって、情報の窃取や資産の損失、重大事故を生じる危険性が指摘されています。本講演では、最近の脅威・インシデント事例を踏まえながら、IoT時代のセキュリティ対策をどのように考えるかについて紹介します。
辻 宏郷 辻 宏郷(IPA/セキュリティセンター 情報セキュリティ技術ラボラトリー 研究員)
【略歴】1988年東北大学工学部情報工学科卒。1989年三菱電機株式会社入社。コンピュータネットワーク、分散処理システム、情報セキュリティ、サイバーセキュリティの研究開発・標準化活動に従事。2009年静岡大学大学院理工学研究科(博士後期課程)単位満了退学。博士(工学)。2014年よりIPA研究員。現在、組込みシステムや制御システム、IoTのセキュリティに関する調査及びそれらの成果の普及活動に従事。
【講演概要】異なる製品がつながって新しいサービスを創出するIoT時代が到来し、更に実システムから得られるデータ分析結果を当該システムの制御にフィードバックするデータ駆動型社会が訪れつつあります。色々な製品が連携して動作する環境であることから、これらを「つながる世界」と呼んでいます。このつながる世界では、新サービスの創出という花の一面がある一方で、システムが複雑・広範化することにより、セーフティ、セキュリティ上の問題が顕著化する懸念があります。ここでは、それらの課題を克服していくためのIPA/SECの高信頼化の取り組みについて紹介します。
中尾 昌善

中尾 昌善(IPA/SEC ソフトウェアグループリーダー)
【略歴】1958年京都府生まれ。1982年京都大学工学部大学院修士課程修了、同年電々公社入社。主にコンピュータ・システム関連の研究開発に従事。2009年NTT理事、主席研究員を経て、退職。同年、NTTソフトウェア株式会社入社。2014年より現職。

【講演概要】IoTなど変革の時期であるIT業界において、変化に対応するためには、組織力を強化することが一策と言えます。ここでは、人材に着目した組織力強化のためのしくみとして、「i コンピテンシ ディクショナリ(iCD)」を紹介します。2015年6月30日に公開したiCD2015の概要と、iCDを利用した組織能力の見える化とその活用方法について解説します。
奥村 有紀子 奥村 有紀子(IPA/IT人材育成本部 HRDイニシアティブセンター)
【略歴】ソフトウェアテストやソフトウェア品質の改善に従事。現在はIPAにて、IT人材育成を担当。日本科学技術連盟ソフトウェア品質管理研究会第5分科会「ソフトウェアテスト」副主査(第23年度~第26年度)、同主査(第27年度~現在)。