特集論文募集

57号「アフターコロナのコンタクトセンター」論文募集

論文誌デジタルプラクティス編集委員会

 

コンタクトセンター特集号の第5回目として、「アフターコロナのコンタクトセンター」をテーマに論文募集を行います。

これまでにコンタクトセンター特集号は4回組まれており、第1回目では、「進化を続けるコンタクトセンター」、第2回目では、「経営に貢献するコンタクトセンター」、第3回目では、「価値を創造するコンタクトセンター」、第4回目では、「変革の先にあるコンタクトセンター」を取り上げてきました。

今回、本テーマを取り上げる背景としては、「採用難とキャリア」と「AIなどテクノロジーの高度化」「感染症対策によるリモートワーク」といったここ数年の大きな環境変化があります。

従来、メインのチャネルであった電話対応からチャットボットや有人チャットのように電話対応以外のノンボイスチャネルが少しずつ普及し始め、FAQのように顧客が自己解決する仕組みも増えています。

一方、コンタクトセンターは、コロナ禍による大幅な売上減少に見舞われた飲食業界や宿泊業界からコンタクトセンターに人が流れ、またコロナワクチン接種の予約センターなどコンタクトセンター特需があちこちで見られましたが、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せるようになってきて、再び採用難の兆しを見せています。

また、コンタクトセンター内のキャリアに関する問題も依然として解消していません。センター内のポストもかなり限定的で、キャリアアップしようにも、ポストがないため、キャリアアップができません。大規模センターのようにモニタリングやトレーニングなど複数のキャリアの選択肢を準備できるセンターは問題ありませんが、中小規模のセンターでは、キャリアアップの仕組みが頭打ちの状態になっています。

少子高齢化が進む中で、人でなくても対応できる領域がAIやロボットに置き換わっていく一方、顧客の用件が複雑化し、対応の難易度も上がっているために、オペレータに要求される問題解決力は高くなっています。高度なテクノロジーを活用しながら、顧客満足度の高い対応をするには、人と機械の棲み分けを真剣に検討する必要がでてきました。

 これまでは主に「生産性の向上」「品質の向上」を目標にセンターを運営してきてましたが、今後は「従業員の満足度を高めつつ、高度なテクノロジーを活用しながら、経営貢献すること」に注力しなければなりません。従業員の満足度を上げなければ、顧客に対して満足してもらえるサービスを提供しようとする動機が発生しないため、従業員満足度の向上は、センター運営にとって不可欠となってきています。

そして、これまでコンタクトセンターは、リモートワークがなかなか浸透しませんでしたが、感染症対策の影響によって、リモートワークに舵を切ったセンターも多くなりました。しかし、セキュリティの問題で、リモートワークを実現できないセンターも多くあります。さらに、コミュニケーションの問題や、管理者の負担増加などの問題などにより、従業員に出社を求めるセンターが少しずつ増えつつあります。

そこで、コンタクトセンターでは、次の3つのテーマが重要になっています。

  1. 採用難とキャリア:採用難の中、情報技術を使いながら、どのようにして魅力ある職場にしていくのか?キャリアはどのように形成していけば良いのか?
  2. チャットボットやAIなどのテクノロジーの活用:人と機械の業務の棲み分けをどうすれば顧客満足度の高い対応ができるのか?
  3. コロナ禍の中のマネジメント:アフターコロナを見据えて、リモートワークやシステムを活用しながら、どうやってセンター運営をしていけば、従業員満足の高い運営ができるのか?コロナ禍の中、オンライン研修含め、どのように管理者を育成していくのか?

2024年1月の特集号では、情報技術を活用した上記の3つのテーマ「採用難とキャリア」「テクノロジーの活用」と「コロナ禍のマネジメント」を実践し新たなサービスの変革を行ない、先導的な知見が得られた以下のような論文を広く募集します。

  • AIやチャットボットなどの高度テクノロジーの活用により自動化や省力化を実現する。
  • コンタクトセンターを魅力ある職場にし、採用難の状況から脱却する。
  • センター内だけでなく、センター外の部署にもキャリアの道を広げる。
  • サービスの収益を直接的、または間接的に改善し、経営に貢献する。
  • 人にしかできないサービスを提供する。
  • センターを支える従業員の教育、従業員の満足度を向上する。
  • リモートワークとリアルの比重を決める。
  • 管理者を単発の研修ではなく、長期で育成する。

投稿要領

(1) 論文の執筆要領
論文執筆にあたっては、 「論文誌デジタルプラクティス」原稿執筆案内をご一読のうえ、 「論文誌デジタルプラクティス」原稿テンプレートによりご投稿ください。提出の際は、投稿者チェックリストをチェックし、原稿と合わせて提出ください。原稿は電子メールでデジタルプラクティス担当(tdp@ipsj.or.jp)宛てにSubjectに特集名を記載して送信してください。

(2) 投稿締切: 5月8日(月) 9:00※募集は終了しました

(3) 掲載特集号:2024年1月号 (Vol.5 No.1)

(4) 特集ゲストエディタ:寺下薫(コンタクトセンタフォーラム)

(5) 特集号編集委員:
論文誌デジタルプラクティス
編集委員長:佐藤 聡(筑波大学)
副編集委員長:坂下 秀(アクタスソフトウェア)、藤瀬哲朗(三菱総合研究所)
編集委員:青木学聡(名古屋大学)、荒木拓也(日本電気)、石井一夫(公立諏訪東京理科大学)、飯村結香子(NTT)、今原修一郎(東芝)、岩倉友哉(富士通)、江谷典子(ANA)、鬼塚 真(大阪大学)、鎌田真由美(日本マイクロソフト)、上條浩一(東京工科専門職大学)、斎藤彰宏(日本アイ・ビー・エム(株))、佐藤裕一(富士通)、澤邉知子(日本大学)、立床雅司(三菱電機)、戸田貴久(電気通信大学)、長坂健治(キンドリルジャパン)、西尾直也(日立製作所)、西山博泰(日立製作所)、新田 清(ヤフー)、濱崎雅弘(産業技術総合研究所)、平井千秋(日立製作所)、福原知宏(マルティスープ)、藤原一毅(国立情報学研究所)、細野 繁(東京工科大学)、三宅悠介(GMOペパポ)、横井直明(日立製作所)、吉野松樹(日立製作所)、除補由紀子(NTT ソフトウェアイノベーションセンタ)
(論文募集公開時点(2023年2月)