特集論文募集

53号「コロナ禍後も見据えたオンラインコミュニケーション環境の活用と課題」論文募集終了

論文誌デジタルプラクティス編集委員会

 

インターネットによる音声や映像の配信技術を利用したリアルタイム遠隔授業やテレカンファレンスの試みは20年以上前から行われてきている。インターネットの広帯域化とH.323等の国際標準規格に基づくビデオ会議システムの普及やそのHD(ハイビジョン)化により、その活用範囲は徐々に広がってきてはいたが、比較的高価な専用機器と、ファイアウォール(NAT)等の制限のない今日においては一般的とは言えないネットワーク環境が必要であったこと、3地点以上での相互接続が容易でない等の要因から、これまでその活用は非常に限定的であった。

並行して、PC上で動作するソフトウェアベースのビデオ会議システムも開発されてきてはいたが、品質が不安定で汎用性や相互接続性が低く、またサブスクリプションベースのサービスモデルが多かったこともあり、なかなか広く受け入れられない状況が続いていた。近年になって性能向上や機能向上が急速に進み、従来のビデオ会議システムを置き換え得る状況となってきていたところでコロナ禍を迎えたことから、一気に世界的に普及することとなった。

コロナ禍がもたらしたものは、単純なビデオ会議システムの置き換えだけではなく、これまであまりビデオ会議システムの適用が試みられることがなかった実習や実技を伴う授業や、学会等における貴重な情報交換の場である懇親会等におけるコミュニケーションをオンライン化する際の課題についても浮き彫りにした。ビデオ会議システムはあくまでもオンラインコミュニケーション環境を実現する上でのツールの1つであり、効果的なオンラインコミュニケーションを実現する上でどのように活用するかが、その先の本質的な課題である。ビデオ会議システムをとりまく技術自体についても、ネットワーク整備における配慮、教材提示手法、カメラ制御、音響環境整備、仮想空間概念の導入を始めとして、従来のビデオ会議システムを活用する上での知見とは違った観点も要求され、まだまだ多くの課題が残されている。 そこで、本特集では、このようなオンラインコミュニケーション環境に関連する取組みに基づく論文を募集し、さまざまな知見を広く共有することでさらなるオンラインコミュニケーション環境の発展につなげる。

投稿要領

(1) 論文の執筆要領
論文執筆にあたっては、 「論文誌デジタルプラクティス」原稿執筆案内をご一読のうえ、 「論文誌デジタルプラクティス」原稿テンプレートによりご投稿ください。提出の際は、投稿者チェックリストをチェックし、原稿と合わせて提出ください。原稿は電子メールでデジタルプラクティス担当(tdp@ipsj.or.jp)宛てにSubjectに特集名を記載して送信してください。

(2) 投稿締切:2022年5月16日(月)9:00※募集は終了しました  

(3) 掲載特集号:2023年1月号 (Vol.4 No.1)

(4) 特集ゲストエディタ:中村素典(京都大学 学術情報メディアセンター)

(5) 特集号編集委員
編集委員長:吉野松樹(日立製作所)
副編集委員長:細野 繁(東京工科大学)、藤瀬哲朗(三菱総研)
編集委員:青木学聡(名古屋大学)、荒木拓也(日本電気)、西山博泰(日立製作所)、鎌田真由美(日本マイクロソフト)、飯村結香子(NTT)、石井一夫(公立諏訪東京理科大学)、今原修一郎(東芝)、岩倉友哉(富士通)、江谷典子(ANA)、大嶋嘉人(NTT)、鬼塚 真(大阪大学)、上條浩一(東京工科専門職大学)、斎藤彰宏(日本IBM)、坂下 秀(アクタスソフトウェア)、佐藤 聡(筑波大学)、佐藤裕一(富士通)、澤谷由里子(名古屋商科大学大学院)、澤邉知子(日本大学)、立床雅司(三菱電機)、戸田貴久(電気通信大学)、長坂健治(キンドリルジャパン)、西尾直也(日立製作所)、新田 清(ヤフー)、濱崎雅弘(産業技術総合研究所)、平井千秋(日立製作所)、福原知宏(マルティスープ(株))、藤原一毅(国立情報学研究所)、横井直明(日立製作所)
アドバイザ:喜連川優(国立情報学研究所・東京大学)
(論文募集公開時点(2022年2月))