全国大会イベント企画の概要

招待講演(1):韓国の情報化経験とこれからの課題

3月8日(水)10:10-11:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]

 
  [講演概要]
韓国は広帯域インターネット普及率,インターネット利用率,無線移動通信を利用したデータ通信などにおいて,世界で最も先端を歩む国家として知られている.そしてこれらの情報化を基盤とした製品が世界の市場で頭角を現し始めている.このような韓国の情報化の成果は,この4〜5年という短期間の努力の結果であると認識されている.しかしこの成果は1980年代から現在までの,持続的な努力の結果だといえる.1982年に確定,推進された,TDX電子交換機の開発事業として始められた大型な研究開発である国策事業を続けたことによって得た,プライドや自信が,情報化の進展を加速させたと考えられる.この講演では過去の韓国の情報化推進事項を観察し,これからの方向を提示するものとする.
  Yang Seung Taik(東明情報大学総長)
1939年生まれ.ソウル大学において電気工学学士,Virginia Polytechnic Institute工学修士,Polytechnic Institute of Brooklyn工学博士の学位を取得.
アメリカのベル研究所において11年間勤務後,帰国.
1980年代TDX電子交換機,1990年代CDMA移動通信システム開発事業などを主導し,韓国電子通信研究院長,韓国情報通信大学総長,情報通信部長官などを歴任し,現在東明情報大学の総長として在職中である.
 

 
招待講演(2):Introduction to CAC (Computing Accreditation Commission) of ABEEK (Accreditation Board for Engineering Education of Korea)

3月8日(水)11:10-12:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
 
  [講演概要]
Accreditation Board for Engineering Education of Korea (ABEEK) has established the standards and guidelines for engineering and related education programs and has promoted advanced engineering education in Korea since 1999. During this period, ABEEK has received recognition, approval and authorization of operation status from a national ministry of educational, legislative mandates and other authorities (governmental and non-governmental). In order to improve global competency of Korea in IT-related fields, ABEEK has launched the Computing Accreditation Commission (CAC) in 2004 as its second accreditation commission. Within ABEEK, the Computing Accreditation Commission is responsible for the accreditation of programs in computer science and information systems for outcomes-based education, while the Engineering Accreditation Commission (EAC) is responsible for the accreditation of various programs in engineering such as electrical and electronic engineering, mechanical engineering, chemical engineering, etc. In this invited speech, after presenting history of the CAC of ABEEK, I will discuss the role of the Korea Information Science Society (KISS), which is the lead society within ABBEK for accreditation of IT-related programs, followed by accreditation criteria and experiences in accreditation using the criteria.
  Sung Jo Kim(KISS副会長/Chung-Ang University)
Prof. Sung Jo Kim received the B.S. degree from the Seoul National University in 1975, the M.S. degree from the Korea Advanced Institute of Science and Technology in 1977, the Ph.D. degree from the University of Texas at Austin in 1987, respectively. He held a visiting professor position with the University of California - Irvine during 1997-98 academic year. He was also the Dean of Graduate School of Information and the CIO of Chung-Ang University from 1999 to 2003. He has been serving as Senior Vice Chairman of Accreditation Operation Division of Accreditation Board for Engineering Education of Korea since 2004. He has been also serving as a Vice President of the Korea Information Science Society in charge of IT Education Commission since 2005. He was the editor-in-chief of the KISS Journal during 1996~97. Currently, he is the Dean of College of Engineering and a Professor of the School of Computer Science and Engineering at Chung-Ang University. His research interests include embedded system, mobile computing system, and Linux system.
 

 
招待講演(3):コンピュータと機械工学の45年
−ロケット・ロボット・マイクロ技術−

3月9日(木)13:00-14:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
 
  [講演概要]
情報処理学会が設立されたのが1960年と聞いた.私が大学を卒業した年である.私は,その年,初めてコンピュータを使用した.東大工学部6号館綜合試験所に設置されていたTAC(Todai Automatic Computer)である.
それ以来,45年間,コンピュータを愛用しつつ,機械工学を専門として研究教育生活を過ごしてきたが,研究テーマは,上記副題の3つを渡り歩いた.大学2年の秋,人類最初の人工衛星スプートニクが打ち上げられた.宇宙に興味を持ち,修士,博士論文は,ロケットの誘導制御に用いられるジャイロ機器に関するものであった.当時,東大のロケットの手伝いをした.NASAのアポロ計画にも,短い期間だが参加した.ロケットの打ち上げが,大学から宇宙科学研究所へ移ったので,研究テーマをロボットに変えた.約15年後,マイクロ技術にテーマが変わった.3つのテーマとコンピュータについて話したい.
  三浦 宏文(工学院大学学長)
1960年3月東京大学工学部機械工学科卒業.1965年3月同大学院修了,工学博士.1978年2月東京大学工学部教授(機械情報工学,情報工学),1998年3月東京大学を定年退官,東京大学名誉教授(5月),同年4月工学院大学教授(機械システム工学科)等を経て2003年4月より工学院大学学長.専門は,機構学,機械力学,システム工学,ロボット工学.日本機械学会フェロー・名誉員,日本ロボット学会フェロー,日本IFToMMフェロー.主な著書は,『機械力学―機構・運動・力学―』(朝倉書店 2001),『ロボットと人工知能』(岩波書店 2002),『ハンディブック メカトロニクス(改訂2版)』(監修,オーム社 2005)等.
 

 
招待講演(4):次世代スーパーコンピュータにかける夢
−国家基幹技術としての推進ビジョン−


3月10日(金)13:00-14:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
 
  [講演概要]
文部科学省は,2006年度より7ヶ年計画による次世代スーパーコンピュータ「京速計算機システム」プロジェクトに着手する.このプロジェクトは,地球シミュレータに続く「ナショナル・リーダーシップ・システム」の実現を目指すものである.
 「リーダーシップ」とは,大学をはじめとする多くの研究機関が導入する「インフラストラクチャ・システム」の先がけとなるものという意味で用いている.このようなインフラ・システムへの垂直展開を,継続的に取り組むべき国の責務として位置づけ,中長期的なビジョンの下での「第一期」開発計画として立案されている点が,本件プロジェクトの特色であり,これまでのスパコン開発プロジェクトとの際だった違いである.
 そして超高速ネットワーク時代に適切に対応した最新のサイバー・サイエンス・インフラストラクチャとして,次世代スパコンのみならず多種多様な「(広義の)計算機」等の有機的な連携や仮想研究組織環境(ヴァーチャル・オーガニゼーション)で研究組織や個人が「しなやかな関係を構築する」ことを容易ならしめる−これこそが本プロジェクトの真の目的である.
 本講演では,計算機科学や計算科学という分野的視座からのディテールではなく,科学技術政策論的に見た次世代スパコン・プロジェクトの目指すものとその実現による科学技術・学術界へのインパクトについて,ライバルである米国の状況と比較しつつ述べる.
  星野 利彦(情報科学技術研究企画官)
1991年4月 科学技術庁 入庁
1996年1月 郵政省通信政策局技術開発推進課国際研究係長
1999年7月 科学技術庁原子力局政策課(総括担当)
2000年5月 外務省在ロシア連邦日本国大使館一等書記官
2004年1月 文部科学省研究振興局情報課情報技術推進室長(現職)
 

 
特別セッション(1):ここまで来たコンピュータ将棋

3月8日(水)13:15-18:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [全体概要]
将棋はチェスと異なり敵から取った駒が再利用できるため,場合の数がはるかに大きく,また終盤になるほど選択肢が多くなるという特徴を有している.そのためにコンピュータにとって将棋はチェスよりもむずかしく,1970年代後半に研究開発が始まったコンピュータ将棋はなかなか強くならなかった.しかし最近になって急速な進歩をとげ,アマ5段のレベルに達するまでになってきた.将棋のプロ棋士の組織である将棋連盟がプロ棋士とコンピュータ将棋の対戦を原則禁止するという措置を取っているほどである.この特別セッションではまず実際にアマ日本一である清水上氏とコンピュータ将棋世界一の激指(げきさし)の対戦を見ることによってコンピュータ将棋の実力を確認する(プロ棋士の島八段に解説をしていただく).さらにコンピュータ将棋がいつ名人レベルになるかなど今後の展望について社会的な影響を含めてコンピュータ将棋関係者,プロ棋士を交えて議論する.人間とコンピュータのこれからの関わりを考える上での貴重な題材を提供してくれるものと期待される.
 
対局 「人間とコンピュータの対戦」
3月8日(水)13:15-15:45(終了目安)[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  対局者:清水上 徹(2005年アマ竜王/NEC)
2003年 明治大学経営学部経営学科卒.
日本電気(株)入社,社会インフラソリューション企画本部資材部 所属.
■将棋の戦績
1991年 小学生名人戦 優勝
1992年 中学生名人戦 優勝
1993年 中学生選抜選手権 優勝
1996年 高校竜王戦 優勝
2002年 学生名人戦,学生王将戦,GC戦 優勝
2003年 アマチュア王将戦 優勝
2005年 アマチュア竜王戦,GC戦 優勝
  「激指」開発者:鶴岡 慶雅(東大/JST)
1974年宮城県生まれ.工学博士.2002年東京大学大学院工学系研究科・博士課程終了.科学技術振興機構・戦略的研究推進事業発展研究・研究員.現在,東京大学理学部にて自然言語処理の研究に従事.専門分野は,機械学習を利用した自然言語処理,医学生物学文献からの情報抽出.2005年,第15回世界コンピュータ将棋選手権優勝.
  解説:島 朗(日本将棋連盟プロ八段)
1963年東京都出身.
1980年プロ棋士(四段).1988年初タイトル(竜王).2004年八段.タイトル戦出場6回.A級在位9期.
著書は「純粋なるもの」ほか5点ほど.現在,日本将棋連盟理事を務める.
コンピューター将棋とは,以前コンピューター将棋協会主催の学会パネリストを務めて以来の造詣.
  聞き手:伊藤 毅志(電通大)
1994年, 名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了.工学博士.1994年より電気通信大学電気通信学部情報工学科助手.
一貫して,人間の問題解決,学習過程に興味をもち,認知科学,人工知能的手法を用いて,学習支援,教育工学,ゲーム情報学の研究に従事.ここ数年は,将棋を題材とした熟達者の思考に関する認知科学的研究を行い,人間の思考を模倣した将棋ソフトの開発も行っている.情報処理学会,電子情報通信学会,ICGA,日本認知科学会各会員.
   
パネル討論「将棋とコンピュータ」
3月8日(水)16:00-18:00(対局終了後)[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [討論概要]
コンピュータチェスが1997年に人間の世界チャンピオンに勝ったのはよく知られているが,将棋は持ち駒制度(敵から取った駒を再利用できる制度)によってチェスより場合の数がはるかに大きく,コンピュータはなかなか強くなれなかった.チェスで効果的だった終盤の完全探索が使えないなど,チェスで有効だった手法のかなりの部分が将棋には向いていないためである.ようやくアマ初段までなったのは1990年代半ばのことであるが,それからは約2年間で1段の割合で強くなり,いまではアマ5段のレベルにまで達している.昨年アマの日本一を決める大会に激指(げきさし)というソフトが出場してベスト16になったことは記憶に新しい.またプロ棋士の組織がプロ棋士とコンピュータが事前了解なしに対戦することを禁じたのも大きなニュースになった.
ここではパネラーにプロ棋士,アマ日本一,コンピュータ将棋開発者などを迎えることによって,コンピュータが強くなった技術的なポイントや(いつ名人にコンピュータが勝つかの予想を含めて)将棋における今後の人間とコンピュータの関わり方などについて議論したい.
  司会:松原 仁(はこだて未来大)
1959年東京生まれ.
1981年東大理学部情報科学科卒業.
1986年同大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.
1986年通産省工技院電子技術総合研究所入所.
2000年公立はこだて未来大学システム情報科学部教授.
現在に至る
  ゲスト:清水上 徹(2005年アマ竜王/NEC)
2003年 明治大学経営学部経営学科卒.
日本電気(株)入社,社会インフラソリューション企画本部資材部 所属.
■将棋の戦績
1991年 小学生名人戦 優勝
1992年 中学生名人戦 優勝
1993年 中学生選抜選手権 優勝
1996年 高校竜王戦 優勝
2002年 学生名人戦,学生王将戦,GC戦 優勝
2003年 アマチュア王将戦 優勝
2005年 アマチュア竜王戦,GC戦 優勝
  パネリスト:伊藤 毅志(電通大)
1994年, 名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了.工学博士.1994年より電気通信大学電気通信学部情報工学科助手.
一貫して,人間の問題解決,学習過程に興味をもち,認知科学,人工知能的手法を用いて,学習支援,教育工学,ゲーム情報学の研究に従事.ここ数年は,将棋を題材とした熟達者の思考に関する認知科学的研究を行い,人間の思考を模倣した将棋ソフトの開発も行っている.情報処理学会,電子情報通信学会,ICGA,日本認知科学会各会員.
  パネリスト:島 朗(日本将棋連盟プロ八段)
1963年東京都出身.
1980年プロ棋士(四段).1988年初タイトル(竜王).2004年八段.タイトル戦出場6回.A級在位9期.
著書は「純粋なるもの」ほか5点ほど.現在,日本将棋連盟理事を務める.
コンピューター将棋とは,以前コンピューター将棋協会主催の学会パネリストを務めて以来の造詣.
  パネリスト:鶴岡 慶雅(東大/JST)
1974年宮城県生まれ.工学博士.2002年東京大学大学院工学系研究科・博士課程終了.科学技術振興機構・戦略的研究推進事業発展研究・研究員.現在,東京大学理学部にて自然言語処理の研究に従事.専門分野は,機械学習を利用した自然言語処理,医学生物学文献からの情報抽出.2005年,第15回世界コンピュータ将棋選手権優勝.
 

 
特別セッション(2):サービス・サイエンスの出現

3月9日(木)9:00-12:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [全体概要]
現在サービス産業に従事する労働人口は先進国では70%を越え,急速に増加し続けている.一方で,学問としてのサービスへの取り組みは理工学やMOT,MBAの各領域で個別に研究が進められているが,イノベーションや産業界との連携の遅れが指摘されてる.1950年代にコンピューター・サイエンスが出現したように学問領域としての「サービス・サイエンス」の確立に向けて,米国やヨーロッパ諸国において産学官で検討が進んでいる.日本においてもサービス産業の生産性の体系的な向上が持続的な経済にとって重要であることが認識されつつある.
情報処理学会においても,情報技術をはじめとするテクノロジーがサービス化されていく社会や経済にどのように貢献できるか,学会としてもそこでどのような役割を担うのか議論を行う.
 
基調講演「Service Sciences, Management and Engineering (SSME)」
3月9日(木)9:00-10:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
As the economies of the world shift to higher and higher percentages of services, business services and information services are two of the fastest growing parts of the global service economy. The development of more systematic approaches to service innovation that complement product and process innovation techniques is a key need of our times.
Services Sciences, Management and Engineering (SSME) aims to bring together ongoing work in computer science, operations research, industrial and systems engineering, business strategy and modeling, management sciences, social and cognitive sciences, and legal sciences to develop the skills required in a services-led economy. We define Services Science, Management, and Engineering (SSME) as the application of scientific, engineering, and management disciplines to tasks that one organization beneficially performs for others ("services").
By integrating the knowledge needed to create more systematic approaches to service innovations, embodied by an SSME practitioner or "service scientist," this will lead to more predictable improvements in service productivity, quality, performance, compliance, growth, knowledge reuse, and work evolution, especially in work-sharing and risk-sharing relationships between service providers and clients. Services are the application of knowledge and skills for the coproduction of value with the service recipient. As such, developing service innovation capabilities is a key enabler of knowledge-based economies.
  Jeffrey T. Kreulen(IBM)
Jeffrey Kreulen, senior manager of Services Oriented Technology in the Almaden Services Research function at the IBM Almaden Research Center, leads a team of researchers focused on services-oriented computer science technologies. Dr. Kreulen oversees technology innovations that leverage IBM Research's unique ability to improve the business performance of service delivery.
Dr. Kreulen's most recent work has been on the Business Insights Workbench (BIW) project, which brings together structured and unstructured data to improve the shape and caliber of decision making for business professionals. BIW has been successfully applied to real customer business problems in areas such as customer relationship management, intellectual property analysis and marketplace intelligence applications. The recipient of two IBM Outstanding Technical Achievement Awards, Dr. Kreulen holds 10 patents and has published extensively at conferences and in journals.
He received his B.S. in applied mathematics (computer science) from Carnegie-Mellon University and his M.S. in electrical engineering and Ph.D. in computer engineering from Pennsylvania State University. Since joining IBM in 1992, he has worked on multiprocessor systems design and verification, operating systems, systems management, web-based service delivery, integrated text and data analysis, service-oriented technologies and service science.
 
パネル討論「サービス・サイエンスの確立に向けて」
3月9日(木)10:00-12:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [討論概要]
産業構造に占めるサービス産業の比率が急速に高まり,先進国では従事する人口比でもGDPに占める比率でも70%を越えるまでになっている.従来,科学技術は主として製造業に応用されその発展に大きな貢献をしてきたが,サービス産業に対してはどのような貢献ができるのかに関心が集まっている.とくに我が国のサービス産業の生産性は国際的に見て低いと指摘されており,科学技術が貢献できればその効果は大きいと考えられる.しかしながらこの分野の研究はまだ緒に就いたばかりで,どのような科学技術が必要とされるのか,またそれをどのように育てていけばよいのか,必ずしも明確になっているとは言い難い.本パネル討論においては,「サービス・サイエンス」の学問分野とは何か,またそれを発展させるには何をなすべきか,学会の果たすべき役割は何か,を情報処理技術とその社会との接点の分野の専門家と政策立案者とにより議論したい.
  司会:丹羽 邦彦(JST)
1969年, 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了.
日本電気株式会社中央研究所入社.デジタル通信・デジタル信号処理システムの研究開発,映像機器開発,技術企画などに従事.その間,INTELSAT (International Telecommunications Satellite Organization),NEC Americaに出向.
2001年,日本テキサスインスツルメンツ株式会社入社.ブロードバンド通信用半導体ビジネスに従事.
2003年10月から独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センターに勤務.シニアフェロー.
工学博士.
  パネリスト:Jeffrey T. Kreulen(IBM)
Jeffrey Kreulen, senior manager of Services Oriented Technology in the Almaden Services Research function at the IBM Almaden Research Center, leads a team of researchers focused on services-oriented computer science technologies. Dr. Kreulen oversees technology innovations that leverage IBM Research's unique ability to improve the business performance of service delivery.
Dr. Kreulen's most recent work has been on the Business Insights Workbench (BIW) project, which brings together structured and unstructured data to improve the shape and caliber of decision making for business professionals. BIW has been successfully applied to real customer business problems in areas such as customer relationship management, intellectual property analysis and marketplace intelligence applications. The recipient of two IBM Outstanding Technical Achievement Awards, Dr. Kreulen holds 10 patents and has published extensively at conferences and in journals.
He received his B.S. in applied mathematics (computer science) from Carnegie-Mellon University and his M.S. in electrical engineering and Ph.D. in computer engineering from Pennsylvania State University. Since joining IBM in 1992, he has worked on multiprocessor systems design and verification, operating systems, systems management, web-based service delivery, integrated text and data analysis, service-oriented technologies and service science.
  パネリスト:内丸 幸喜(文部科学省)
1964年2月21日福岡県生,京都大学工学部卒.1987年4月科学技術庁研究開発局企画課.1988年9月通商産業省通商政策局北アジア課総括係長.1990年10月科学技術庁科学技術振興局国際課企画係長.1992年6月同科学技術政策局計画課専門職(総括担当).1994年1月同研究開発局宇宙利用推進室室長補佐.1995年7月郵政省近畿電気通信監理局電気通信部電気通信振興課長.1997年7月科学技術庁科学技術振興局研究基盤課課長補佐.1999年7月同研究開発局ライフサイエンス課課長補佐.2000年7月同研究開発局企画課課長補佐.2001年1月文部科学省研究開発局開発企画課課長補佐.2001年7月理化学研究所横浜研究所研究推進部調査役兼構造プロテオミクス研究推進本部企画調整室長.2002年10月文部科学省科学技術・学術政策局計画官付企画官兼評価推進室長.2005年1月内閣府科学技術政策統括官付企画官(総合戦略担当)兼科学技術基本政策担当室次長.2005年6月文部科学省科学技術・学術政策局計画官.
  パネリスト:徳田 英幸(慶大)
1975年慶應義塾大学工学部卒.同大学院工学研究科修士.ウォータールー大学計算機科学科博士 (Ph.D. in Computer Science).1983年米国カーネギーメロン大学計算機科学科に勤務,研究准教授を経て,1990年より,慶應義塾大学環境情報学部に勤務.慶應義塾常任理事(1997-2001年)を経て,現職.
主に,オペレーティングシステム,分散システム,ユビキタスコンピューティングシステムに関する研究に従事.現在,情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会顧問,ネットワークロボットフォーラム会長,ユビキタスネットワークフォーラム技術部会長&電子タグ高度利活用部会長,総務省ユビキタスネット社会の実現に向けた基本政策WG副委員長.研究教育業績に関してMotorola Foundation Award, IBM Faculty Award, 経済産業大臣賞,総務大臣賞などを受賞.
  パネリスト:中島 秀之(はこだて未来大)
1952年11月14日生まれ 西宮市出身
1977年3月 東京大学工学部計数工学科 卒業
1983年3月 東京大学大学院情報工学専門課程博士課程 修了
1983年4月 通商産業省工業技術院電子技術総合研究所 入所
1999年4月(上記機構改革して)産業技術総合研究所サイバーアシスト研究センター長 就任
2004年4月 公立はこだて未来大学学長 就任 現在に至る
  パネリスト:橋本 正洋(経済産業省)
1982年東京工業大学大学院修士課程修了.同年通商産業省(現経済産業省)入省.2002年産業技術環境局大学連携推進課長を経て,2004年より現職.2002年より東京農工大学および東京工業大学非常勤講師,2003〜04年北陸先端科学技術大学院大学客員教授,2004〜05年京都大学客員教授及び早稲田大学客員教授.主な論文に『MOTのすすめ』(一橋ビジネスレビュー Vol.51.4)がある.
 

 
特別セッション(3):Symbiotic Computing シンポジウム

3月9日(木)14:30-17:30[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [全体概要]
今や情報処理システムは単独での設計では十分な効果を期待できない.ユーザやオペレータとしての人間との協調は言うまでもなく,環境や社会とのインタラクションをも考慮した上での設計・開発が不可欠になってきてる.それに伴い,従来の情報処理基盤技術から新たな技術課題への挑戦が必要である.本特別セッションでは,人間,環境,社会と情報処理システムが共生するSymbiotic Computingのあるべき姿を議論するとともに,そこで考慮しなければならない技術や倫理や社会システムについても議論を行う.是非,多くの方にもご参加いただき,今後の情報処理システムのあるべき姿についてご議論いただきたい.
 
基調講演「Symbiotic Computing−ポスト・ユビキタス情報環境へ向けて−」
3月9日(木)14:30-15:10[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
ユビキタス情報環境として,コンピュータとネットワークが社会の隅々まで行き渡った後に必要となるのは,その効果的な運用と活用である.高度な情報社会において,人やコンピュータ,ネットワークも,そして環境も社会も,単独では機能しない.そのため,これらの間における自然で円滑な相互作用が本質的に重要となる.具体的には,人,コンピュータ,ネットワーク,環境及び社会の,それぞれが自律動作し,相互に円滑にコミュニケーションし共生することが肝要である.このようなコミュニケーションに基づいた共生の実現へ向けて,ポスト・ユビキタス情報環境のコンピューティングパラダイムとして「Symbiotic Computing」について議論し,その課題を展望する.
  白鳥 則郎(東北大)
1946年宮城県生まれ.1977年東北大学大学院博士課程修了.1984年同大学助教授(電気通信研究所).1990年同大学教授(工学部情報工学科).1993年同大学教授(電気通信研究所).人とIT環境の共生,コミュニケーション論,やわらかいネットワーク,共生コンピューティングの研究を推進.IEEEフェロー.情報処理学会フェロー.電子情報通信学会フェロー.2004年情報処理学会副会長.2004年IFIP日本代表.電子情報通信学会業績賞,情報処理学会25周年記念論文賞,IEEE ICPADS 2000・最優秀論文賞,など受賞.
 
講演(1)「アンビエント・ナレッジとトラスト」
3月9日(木)15:10-15:30[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
ユビキタスネットワーク社会やユビキタスコンピューティングという言葉で語られる近未来社会であるが,実空間とサイバー空間の関係を,本講演では,知識・コンテンツの利活用環境,いわば,「ユビキタス・コンテンツ環境」の立場から語ってみたい.
携帯電話やPDAをもって毎日実空間を我々は本当に「うつむき」ながら歩きたいのであろうか.また,監視機器やセンサー機器に囲まれて,また,自らも多くのデジタル機器を身につけて,実空間を本当に歩きたいのであろうか.サイバー空間の設計は今の実空間を我々がどのようにしたいのかと密接な関係があると考えられる.
本講演では,このような観点から,実空間における知識・コンテンツの取得・利用環境,人間と実空間の間でデータを相互にやりとりする際のアクセス制御はどうあるべきか,実空間とサイバー空間を連携させた情報検索の可能性,コンテキスト・コンピューティングの限界,獲得できる知識・コンテンツのトラストなどの観点から論じるとともに,関連する京都大学およびNICTにおけるこれまでの研究について述べる.
  田中 克己(京大)
1974年京大・工卒,1976年同大学院修士課程了.1979年神戸大・教養部・助手,1986年工学部助教授,1994年工学部教授を経て,2001年より京大大学院情報学研究科社会情報学専攻教授.京大・工博.
主にデータベースとマルチメディア情報システムの研究に従事.ACM TODS Area Editor,情報処理学会論文誌:データベース共同編集委員長など歴任.情報処理学会フェロー,日本データベース学会副会長.
 
講演(2)「企業・組織・共生・計算」
3月9日(木)15:30-15:50[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
変化が激しい現代社会においては,ビジネスの遂行においても自律的な組織・自律的な行動が必須となる.そのためのパラダイムとして遺伝的アルゴリズムを代表とする進化計算がある.本パネルでは,人・組織・ソフトウェアが共生するために進化計算の考え方がどのように役立つのかを論じ,今後の「Symbiotic Computing」のありかたについて考察する.
  寺野 隆雄(東工大)
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻教授.
機械学習,創発的計算手法,組織行動,知識システム開発方法論などの研究に従事.
所属学会:人工知能学会,計測自動制御学会,日本OR学会,情報処理学会,電気学会,経営情報学会,社会情報学会,IEEE,AAAI.
1976年東京大学計数工学科数理工学コース卒業.1978年同情報工学科修士課程修了.1978年〜1989年(財)電力中央研究所勤務.1990年より筑波大学大学院経営システム科学専攻,1996年同教授.工学博士.1996年イリノイ大学ならびにスタンフォード大学客員研究員.
主要著書:知識システムハンドブック(1990),オーム社(共編著);エキスパートシステム(1991),丸善(共著);エキスパートシステム評価マニュアル(1992),オーム社(編著);知識システム開発方法論(1993),朝倉書店ほか
 
講演(3)「Social Ware」
3月9日(木)15:50-16:10[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
高度な情報通信技術に立脚したサイバー社会が人々の多彩な活動を支える新しい社会として人々と共生し発展してゆく上で,これまで人間社会の中で産み出され蓄積されてきた様々な知識(社会知)を効果的に活用できるようにすることが重要である.そこで,種々の社会知に基づいて設計・構築され,人々の活動を効果的に支援するサービスを実現するソフトウェアの総称として,ソーシャルウェアと呼ぶ新しい枠組みを提案する.これにより既存の社会知だけでなく,サイバー社会の中で新たに生成される社会知なども取り込みながら,人間とサイバー社会との望ましい共生を実現し,人々が安心して仕事や生活を展開できる基盤となるサイバー社会の構築を目指す.
  木下 哲男(東北大)
1979年東北大学大学院修士課程修了.同年沖電気工業(株)入社.知識情報処理技術の研究開発に従事.1996年東北大学電気通信研究所助教授,2001年同大情報シナジーセンター教授.知識工学,エージェント工学,エージェント応用システム等の研究開発に従事.情報処理学会平元年度研究賞,1996年度論文賞,電子情報通信学会2001年度業績賞など受賞.工博.電子情報通信学会,人工知能学会,日本認知科学会,IEEE,ACM, AAAI各会員.
 
講演(4)「ウェアラブル・ユビキタスコンピューティングと共生コンピューテ ィング」
3月9日(木)16:10-16:30[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
これから10年,さらに小型になって実世界に埋めこまれて使われるようになるコンピュータが,ウェアラブル・ユビキタス環境下で,どのように人や環境,機器などと連携をとって動作するようになるのかを示す.
  塚本 昌彦(神戸大)
1987年 京都大学工学部数理工学科卒業
1989年 京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了
同年 シャープ株式会社入社
1995年 大阪大学工学部情報システム工学科講師
1996年 同学科助教授
2002年 大阪大学大学院情報科学研究科助教授
2004年 神戸大学工学部電気電子工学科教授
現在に至る
NPO法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事長
工学博士
 
講演(5)「ICT産業の観点でのSymbitoic Computing」
3月9日(木)16:30-16:50[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
ユビキタス環境の普及期においては,情報活用の促進やコミュニケーション利便性が高まる反面,安心安全に対する不安や,情報過多による利用者への負荷増が懸念される.また,IT機器はコモディディ化の波に晒され,利用者の高次な欲求を充足させるIT関連サービスの提供も困難となってきている.
システムを介した人と人との関わりを重視し,人に優しく,環境変化に強いSymbiotic Computingのコンセプトは,これらの諸問題の解決に向けて,今後ますます重要になる考え方である.ここでは,ICT産業の観点でのSymbiotic Computingの特性を概観し,利用者が価値を見出し満足する機能をどのように提供するのか,どのような構成でこれら機能を実現するのか,また,どのようなICT産業が創出・発展していくのか等について議論し,今後の展望を述べる.
  原 良憲(NEC)
1983年東大・工・電気・修士修了.同年NEC中央研究所入社.ハイパーメディア,マルチメディア情報検索等の研究開発に従事.1990〜91年スタンフォード大学コンピュータサイエンス学科客員研究員.1995年より9年間,NEC北米研究所シリコンバレー研究開発拠点の立ち上げと研究開発管理に従事.ベンチャー企業設立を含む研究開発からの新事業開発も手がける.2004年より,NECインターネットシステム研究所研究統括マネージャー(関西研究所統括).京大博士(情報学).
 
パネル討論「Symbiotic Computing」
3月9日(木)16:50-17:30[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [討論概要]
ユビキタス情報環境として、コンピュータとネットワークが社会の隅々まで行き渡った時、人、コンピュータ、ネットワーク、環境及び社会が協調的に相互作用し、自然で円滑なコミュニケーションを行い共生するための課題について、様々な観点から議論する。議論の切り口の提示として、まず5人のパネラーに、それぞれの立場から講演をして頂く。具体的には、人と社会の関わりを考える社会情報学の観点から「アンビエント・ナレッジとトラスト」(田中)、ビジネス環境における組織論の視点から「企業・組織・共生・計算」(寺野)。また、人々の社会活動を支援する新しいソフトウェアの視点から「Social Ware」(木下)、文字通りコンピュータを身につける観点から「ウェアラブル・ユビキタスコンピューティングと共生コンピューティング」(塚本)、企業の立場から「ICT産業の観点でのSymbiotic Computing」についてお話して頂く。これらの講演を糸口として、ポスト・ユビキタス情報社会の構築へ向けた「Symbiotic Computing」と、その課題について展望したい。
  司会:白鳥 則郎(東北大)
1946年宮城県生まれ.1977年東北大学大学院博士課程修了.1984年同大学助教授(電気通信研究所).1990年同大学教授(工学部情報工学科).1993年同大学教授(電気通信研究所).人とIT環境の共生,コミュニケーション論,やわらかいネットワーク,共生コンピューティングの研究を推進.IEEEフェロー.情報処理学会フェロー.電子情報通信学会フェロー.2004年情報処理学会副会長.2004年IFIP日本代表.電子情報通信学会業績賞,情報処理学会25周年記念論文賞,IEEE ICPADS 2000・最優秀論文賞,など受賞.
  パネリスト:木下 哲男(東北大)
1979年東北大学大学院修士課程修了.同年沖電気工業(株)入社.知識情報処理技術の研究開発に従事.1996年東北大学電気通信研究所助教授,2001年同大情報シナジーセンター教授.知識工学,エージェント工学,エージェント応用システム等の研究開発に従事.情報処理学会平元年度研究賞,1996年度論文賞,電子情報通信学会2001年度業績賞など受賞.工博.電子情報通信学会,人工知能学会,日本認知科学会,IEEE,ACM, AAAI各会員.
  パネリスト:田中 克己(京大)
1974年京大・工卒,1976年同大学院修士課程了.1979年神戸大・教養部・助手,1986年工学部助教授,1994年工学部教授を経て,2001年より京大大学院情報学研究科社会情報学専攻教授.京大・工博.
主にデータベースとマルチメディア情報システムの研究に従事.ACM TODS Area Editor,情報処理学会論文誌:データベース共同編集委員長など歴任.情報処理学会フェロー,日本データベース学会副会長.
  パネリスト:塚本 昌彦(神戸大)
1987年 京都大学工学部数理工学科卒業
1989年 京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了
同年 シャープ株式会社入社
1995年 大阪大学工学部情報システム工学科講師
1996年 同学科助教授
2002年 大阪大学大学院情報科学研究科助教授
2004年 神戸大学工学部電気電子工学科教授
現在に至る
NPO法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事長
工学博士
  パネリスト:寺野 隆雄(東工大)
東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻教授.
機械学習,創発的計算手法,組織行動,知識システム開発方法論などの研究に従事.
所属学会:人工知能学会,計測自動制御学会,日本OR学会,情報処理学会,電気学会,経営情報学会,社会情報学会,IEEE,AAAI.
1976年東京大学計数工学科数理工学コース卒業.1978年同情報工学科修士課程修了.1978年〜1989年(財)電力中央研究所勤務.1990年より筑波大学大学院経営システム科学専攻,1996年同教授.工学博士.1996年イリノイ大学ならびにスタンフォード大学客員研究員.
主要著書:知識システムハンドブック(1990),オーム社(共編著);エキスパートシステム(1991),丸善(共著);エキスパートシステム評価マニュアル(1992),オーム社(編著);知識システム開発方法論(1993),朝倉書店ほか
  パネリスト:原 良憲(NEC)
1983年東大・工・電気・修士修了.同年NEC中央研究所入社.ハイパーメディア,マルチメディア情報検索等の研究開発に従事.1990〜91年スタンフォード大学コンピュータサイエンス学科客員研究員.1995年より9年間,NEC北米研究所シリコンバレー研究開発拠点の立ち上げと研究開発管理に従事.ベンチャー企業設立を含む研究開発からの新事業開発も手がける.2004年より,NECインターネットシステム研究所研究統括マネージャー(関西研究所統括).京大博士(情報学).
 

 
特別セッション(4):ブロードバンド情報発信:BBコンテンツ

3月10日(金)9:00-12:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [全体概要]
ブロードバンドの広がりにより情報の受け手から誰もが発信者として,情報を共有できる時代.人と人をつなぐ双方向のコミュニケーションツールとして,情報量の多い,音声・映像の配信は,人の生活において欠くことのできないものとなりつつある.しかし,現実にはネットならではのオリジナルコンテンツのヒット番組もまだ出ておらず,更にIT企業による既存のテレビ局の買収劇などが繰り返されている.また,インターネットの特徴である,自由区である故陰と陽の側面も見られる.ネット配信の本来の可能性と価値を高めつつ,安全で人気のある番組制作配信はできないのか?ブロードバンド放送をテレビの二次利用という,再放送メディアにするのではなく,オリジナリティのあるものとして,魅力あるコンテンツを作ることはきっとできるはずである.人の役に立つコンテンツがあってこそのメディア,テクノロジーであると考える.今回の特別セッションでは,優良なコンテンツとはどのようなものかを考え,BB配信の未来を切り拓く一助となれば幸いである.
 
基調講演「未来へ輝くブロードバンドコンテンツを創る」
3月10日(金)9:00-9:50[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
ブロードバンドの広がりにより情報の受け手から誰もが発信者として,情報を共有できる時代.人と人をつなぐ双方向のコミュニケーションツールとして,情報量の多い,音声・映像の配信は,人々の生活において欠くことのできないものとなりつつあります.しかし,現実にはネットならではのオリジナルコンテンツのヒット番組もまだ出ておらず,既存のテレビ局に向けてのTOBが繰り返されました.
また,インターネットの特徴である,自由区である故,陰と陽の側面も見られます.ネット配信の本来の可能性と価値を高めつつ,安全で人気のある番組制作配信はできないのでしょうか?ブロードバンド放送をテレビの二次利用という,再放送メディアにするのではなく,オリジナリティのあるものとして,魅力あるコンテンツを作ることは可能だと思います.人の役に立つコンテンツがあってこそのメディア,テクノロジーであると私は考えます.
今回の特別セッションでは,優良なコンテンツとはどのようなものかを考え,BB配信の未来を切り拓く一助となりましたら幸いです.
  真咲 なおこ(SKJ)
日本航空国際線客室乗務員を経て,ビデオジャーナリストへ転進,ドキュメンタリー番組TVK「未来検索」は今年で10周年を迎え長寿番組となった.2001年総務省関東総合通信局長賞,日本航空ホームページ動画サイトJALTVを提案構築する.
また中京大学社会学部・静岡大学情報学部非常勤講師を始め,総務省関係他の講演も多数行いブロードバンド動画配信の未来を語っている.SHE KNOWS JOURNAL株式会社代表取締役社長.
 
パネル討論「放送と通信の融合の本当の姿を論じる」
3月10日(金)9:50-12:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [討論概要]
 ブロードバンド通信の普及に伴い,放送番組を通信回線を使って配信しようという動きが広まっている.いわゆる通信と放送の融合だ.ネットベンチャー企業のライブドアや楽天による放送会社への出資がその大きな引き金となったが,総務大臣に就任した竹中平蔵氏も通信と放送の融合を促すための大臣懇談会を発足,制度面での見直し論議も始まろうとしている.
 本パネルディスカッションでは通信分野と放送分野のそれぞれの専門家を招き,融合を促すための課題とは何か,融合が進んだ場合の新しいビジネスチャンスとは何か,といってテーマについて議論する.特に日本では今年4月から携帯端末向けの地上デジタル放送が始まる.携帯電話も一つの通信手段であり,携帯電話と放送との組み合わせも新しい融合のスタイルの形となるに違いない.また受信料の不払い問題で揺れるNHKの経営問題についても,融合との関連で議論する.
  司会:関口 和一(日経新聞)
1982年一橋大学法学部卒,日本経済新聞社入社.1988年フルブライト研究員として米ハーバード大学国際問題研究所に留学.1989年英文日経キャップ,1990-1994年ワシントン支局特派員.電機業界担当キャップ,日経産業新聞「サイバースペース革命」企画担当キャップを経て,1996年より産業部編集委員.2000年から論説委員を兼ね,主に情報通信分野を担当.文化庁文化審議会(著作権)専門委員,法政大学大学院客員教授,早稲田大学,明治大学の非常勤講師などを兼務.著書に「パソコン革命の旗手たち」(日本経済新聞社),共著に「サイバースペース革命」「サイバービジネス最前線」(以上日本経済新聞社)「モダンタイムス2001」(日経BP社)など.論文に「日米における知的所有権問題」(ハーバード大学)がある.
  パネリスト:梶 明彦(ジャルパック)
1945年,東京生まれ.1969年,日本航空へ入社.経営企画室,取締役福岡支店長,常務取締役旅客事業総括などを経て,2003年6月に現職の(株)ジャルパック代表取締役社長に就任.日本航空時代にはJL TVの開発にも係わり,現在は,海外旅行の顧客ニーズに合わせたオンラインeビジネス事業も経営重点項目に掲げている.
  パネリスト:鈴木 滋彦(NTTソフトウェア)
1968年,東京大学工学部電子工学科卒業後,日本電信電話公社(現NTT)に入社.入社以来,NTT研究部門に従事.95年NTT理事,97年常務理事,98年NTT取締役・研究開発本部副本部長,99年,NTT取締役・第三部門長(技術戦略担当)を経て,02年NTTソフトウェア株式会社代表取締役副社長,03年同社代表取締役社長に就任.現在に至る.
工学博士.IEEE Fellow,電子情報通信学会フェロー,電子情報通信学会副会長,情報処理学会会員.
  パネリスト:安田 浩(東大)
1967年東京大学工学部電子科卒業,1972年同大学院博士課程修了.同年4月
日本電信電話公社入社.NTT理事・情報通信研究所所長を経て,1997年3月退社.NTT在職中は,画像符号化,画像信号処理,マルチメディアサービスに関わる研究・開発に従事.
1997年4月東京大学教授,先端科学技術研究センター所属.1998年4月より同大学教授,国際・産学共同研究センター所属.2003年4月〜2005年3月国際・産学共同研究センター長就任.高速通信網およびその応用,インターネットおよびその応用,画像処理・画像符号化・知的財産権保護技術の研究ならびに感性工学研究に取組中.
 

 
特別セッション(5):競争と協調による情報検索研究の深耕:NTCIRの足跡と未来

3月10日(金)14:30-17:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [全体概要]
国立情報学研究所が1999年より開催している情報検索・アクセス技術の評価型国際ワークショップNTCIR(エンティサイル)は,2005年12月に第5回ワークショップミーティングを開催する.米国NISTが主催するTREC(Text Retrieval Conference)と同様,NTCIRは10カ国以上の大学・企業の研究機関が協力しながら技術を競い合う場となっている.Web検索エンジンの普及により「検索」という言葉が一般ユーザにもすっかり浸透した今,本特別セッションでは5回のNTCIRから得られた知見の総括を行い,評価型ワークショップの未来について議論する.特にユーザ指向検索,マルチメディア検索への展開や,情報アクセス研究のさらなる加速に向けたワークショップ主催者と参加者の協力体制のあるべき姿についてフロアも交え自由に意見交換を行う.
 
基調講演「5回のNTCIRの総括と今後」
3月10日(金)14:30-15:30[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [講演概要]
国立情報学研究所が1999年より開催している情報検索・アクセス技術の評価型国際ワークショップNTCIR(エンティサイル)は,15カ国から参加した約100のチームとタスクオーガナイザの協力のもとに約1年かけて進めてきた大規模評価実験の総括として,2005年12月に第5回ワークショップミーティングを開催した.
米国NISTが主催するTREC(Text Retrieval Conference)と同様,NTCIRは大学や企業の研究機関が協力しながら技術を競い合う場となっている.
本講演では,過去5回のNTCIRを振り返り,これまでに得られた有用な知見について紹介し,さらにNTCIRを含めた評価型ワークショップの功罪および今後あるべき姿について論じる.
  神門 典子(国立情報学研)
1994年慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了.博士(図書館・情報学).同年学術情報センター助手.1995年米国シラキウス大学情報学部客員研究員.1996〜1997年デンマーク王立図書館情報大学客員研究員.1998年学術情報センター助教授.2000年国立情報学研究所助教授,2002年より総合研究大学院大学助教授を併任,2004年より国立情報学研究所教授ならびに総合研究大学院大学教授,現在に至る.テキスト構造を用いた検索と情報活用支援,言語横断検索,情報検索システムの評価等の研究に従事.
ACM-SIGIR,ASIS&T,言語処理学会,日本図書館情報学会各会員.
 
パネル討論「オーガナイザ・参加者間の壁を壊す」
3月10日(金)15:30-17:00[第1イベント会場(高層棟3階 アーバンテックホール)]
  [討論概要]
国立情報学研究所が1999年より開催している情報検索・アクセス技術の評価型国際ワークショップNTCIR(エンティサイル)は,2005年12月に第5回ワークショップミーティングを開催した.米国NISTが主催するTREC(Text Retrieval Conference)と同様,NTCIRは10カ国以上の大学・企業の研究機関が協力しながら技術を競い合う場となっている.
Web検索エンジンの普及により「検索」という言葉が一般ユーザにもすっかり浸透した今,本特別セッションでは5回のNTCIRから得られた知見の総括を行い,評価型ワークショップの未来について議論する.特にユーザ指向検索,マルチメディア検索への展開や,情報アクセス研究のさらなる加速に向けたワークショップ主催者と参加者の協力体制のあるべき姿についてフロアも交え自由に意見交換を行う.
  司会:酒井 哲也(東芝)
1968年生.
1993年早稲田大学大学院理工学研究科工業経営学専門分野修士課程修了.
同年(株)東芝入社.
2000年〜2001年英ケンブリッジ大学客員研究員.
現在,(株)東芝 研究開発センター知識メディアラボラトリー研究主務.
情報処理学会・電子情報通信学会各会員.工学博士.
  パネリスト:伊藤 克亘(名大)
博士(工学).
1993年,電子技術総合研究所入所.
2003年,名古屋大学大学院情報科学研究科助教授.現在に至る.
音声を主とした自然言語全般に興味を持つ.
連続音声認識コンソーシアムなどで音声認識ソフトウェアの普及活動をおこなってきた.
NTCIR-3においてWeb検索タスクのサブタスクとして音声入力型Web検索タスクを提案.
  パネリスト:大山 敬三(国立情報学研)
1980年東京大学工学部電子工学科卒業,1985年同大学院電気工学専攻博士課程修了.工学博士.同年東京大学文献情報センター助手,1986年学術情報センター助手,1987年同助教授,1998年同教授,2000年国立情報学研究所教授.現在に至る.XML文書処理,電子図書館,情報検索システム,Web検索技術評価手法などの研究開発に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,情報メディア学会 各会員.
  パネリスト:岸田 和明(駿河台大)
1991年慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程中退,同年,図書館情報大学助手(文部教官),1994年駿河台大学文化情報学部助教授,2002年より教授(現在に至る).1998〜99年カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員.また現在,国立情報学研究所客員教授,放送大学客員教授を兼任.
  パネリスト:藤井 敦(筑波大)
1993年3月東京工業大学工学部情報工学科卒業.1998年3月同大学大学院博士課程修了.現在,筑波大学大学院図書館情報メディア研究科助教授,博士(工学).自然言語処理,情報検索,音声言語処理,人工知能の研究に従事.IPA未踏ソフトウェア創造事業にて事典検索サイトCycloneを開発し,2003年に「天才プログラマー/スーパークリエータ」を受賞.NTCIRワークショップにて特許検索タスクを企画運営中.
  パネリスト:藤田 澄男(ヤフー)
1985年(株),日本コンピュータ研究所入社,1989年,パリ第7大学DEA,1993年,マンチェスタ工科大学リサーチアソシエイト,1995年,(株)ジャストシステム入社,1998年,米国Claritech社リサーチサイエンティスト,2002年,(株)パトリス入社,主幹研究員,2005年ヤフー株式会社入社,現在の研究分野:情報検索,テキストマイニング
  パネリスト:吉岡 真治(北大)
1991年東京大学工学部精密機械工学科卒業.1996年同大学院精密機械工学専攻博士課程修了.博士(工学).同年,学術情報センター研究開発部助手.2000年国立情報学研究所情報学資源研究センター助手.2001年北海道大学大学院工学研究科助教授.2004年同大学院情報科学研究科助教授.専門は情報検索への知識処理技術の応用,設計環境の知能化. 情報処理学会情報学基礎研究会主査.
 

 
シンポジウム:日本学術会議と「情報学」の新展開

3月8日(水)13:15-15:15[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  [全体概要]
この度,日本学術会議の第20期の会員(http://www.scj.go.jp/ja/info/member/)が新しく決まった.今回は,日本学術会議の位置づけや会員の選出方法などが見直されて,新しい形での再出発の第一歩となる.この中で,210人の会員の中に13名もの「情報学」の研究者が選ばれたことは,画期的なことと思われる.これは,「情報学」の分野が相当の広がりを持ったものとして認知された,とも言える.これを期に,情報学に最も関連の深い情報処理学会の全国大会に,新会員にお集まり頂き情報学について語って頂く場を設けた.新しい体制をとった日本学術会議が何を目指すのか,その中で情報学がどのように位置づけられるのか,学会とどのような連携を図るのか,など,日本学術会議と情報学についての抱負と展望をうかがう.
 
基調講演「日本学術会議と情報学」
3月8日(水)13:15-13:45[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  土居 範久(中大)
中央大学理工学部教授,慶應義塾大学名誉教授.現在,日本学術会議会員・第3部(理学・工学)副部長,文部科学省科学技術・学術審議会委員,総務省情報通信審築のための研究開発」プログラムディレクター,科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター「情報と社会」領域統括,NPO法人日本セキュリティ監査協会会長,国際計算機学会(ACM)日本支部長.専門はソフトウェアを中心とした計算機科学および情報セキュリティ.情報処理学会名誉会員.
 
パネル討論「日本学術会議と「情報学」の新展開」
3月8日(水)14:00-15:15[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  司会:筧 捷彦(早大)
早稲田大学理工学部コンピュータ・ネットワーク工学科教授.
1968年東京大学卒.
1970年東京大学工学系大学院計数工学専攻修士課程修了,同年東京大学工学部助手,1974年立教大学理学部講師・助教授,1986年より現職.
日本ソフトウェア科学会,日本数学会,日本応用数理学会,ACM各会員.
本会フェロー,情報処理教育委員会委員長,アクレディテーション委員会委員,情報規格調査会SC22専門委員会委員長.JABEE認定・審査調整委員会委員.
プログラミングの言語,方法,環境,教育に興味を持つ.
  パネリスト:安西 祐一郎(慶應義塾)
慶應義塾大学工学研究科博士課程修了,工学博士.慶應義塾大学助手,カーネギーメロン大学客員助教授,北海道大学助教授等を経て,1988年慶應義塾大学理工学部教授.1993年同理工学部長・大学院理工学研究科委員長を経て,2001年慶應義塾長就任.現在,日本私立大学連盟会長,国立大学経営協議会委員,情報処理学会会長等.また,日本認知科学会会長,科学基礎論学会等の理事を歴任.専門は情報科学・認知科学・知的社会基盤工学.
  パネリスト:武市 正人(東大)
1972年東京大学工学部助手,講師,
1977年電気通信大学講師,助教授,
1987年東京大学工学部助教授,
1993年東京大学大学院工学系研究科教授,
2001年東京大学大学院情報理工学系研究科教授,
2004年より同研究科長,現在に至る.
2003年日本学術会議第19期会員,2005年同第20期会員.
工学博士.プログラミング言語,関数プログラミング,構造化文書処理の研究・教育に従事.
  パネリスト:土居 範久(中大)
中央大学理工学部教授,慶應義塾大学名誉教授.現在,日本学術会議会員・第3部(理学・工学)副部長,文部科学省科学技術・学術審議会委員,総務省情報通信審築のための研究開発」プログラムディレクター,科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター「情報と社会」領域統括,NPO法人日本セキュリティ監査協会会長,国際計算機学会(ACM)日本支部長.専門はソフトウェアを中心とした計算機科学および情報セキュリティ.情報処理学会名誉会員.
  パネリスト:益田 隆司(電通大)
1963年東京大学工学部卒業.1965年同修士課程修了.同年(株)日立製作所入社.1977年筑波大学電子・情報工学系講師,助教授,教授.1988年東京大学理学部情報科学科教授.1995-1997年理学部長,大学院理学系研究科長.2000年電気通信大学教授.2001年同副学長.2002年同電気通信学部長.2004年より同学長.
本学会論文誌編集委員,研究会主査,理事,監事,会長を歴任(前会長).論文賞(5回).専門はオペレーティングシステム.
  パネリスト:村岡 洋一(早大)
早稲田大学副総長,理工学部教授,COE「プロダクティブICTアカデミアプログラム」拠点リーダー.
1965年早稲田大学理工学部卒業,1971年アメリカイリノイ大学電子計算機学科博士課程修了(Ph.D.).
同大学Visiting Research Associate,日本電信電話公社(現NTT)電気通信研究所などを経て,1985年より早稲田大学理工学部教授,2002年11月より早稲田大学副総長.
 

 
研究グループ企画:ありかな? 「てごろでがっちり情報保障」
〜障害のある人と考える機会を,もっと


3月8日(水)15:30-18:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  [全体概要]
私たち素人にもできる手頃な情報保障の方法をみつけませんか?すてきなアイディアは共有し,私たちの大学,企業,学会で広く実践しませんか?視覚・聴覚障害者への情報保障の担い手として,点訳者や手話通訳者などが広く知られている.しかし,研究会や一般の講演,大学の講義,職場の会議などで実際にそのような専門家を充分に配置できるケースはきわめて少ないのが現状である.結果として,研究や職業,勉強などの様々な活動に,障害のある人々が参加しにくい状況が続いている.しかし,私たちでも,保障を必要とする人々とのあいだで上手な落としどころを見つけることができれば,これまで専門家に任せきりにしていた情報保障に参加できる余地があるように思われる.素人芸ながらも,自発的に情報保障に取り組むことが,大学・企業・学会の門戸を広げることはもとより,人にやさしいシステムを産み出す原動力にならないか.それとも,素人がいくら工夫してみても,情報の粗製乱造にしかならずに終わってしまうのか.本セッションでは,素人でもできること,できないこと,手を出してよいところ,いけないところ,最低限知っておかなければならないことなどを探りつつ,素人芸であるかわりに広く継続的に実施可能な"手頃な情報保障"の可能性と,そのありかたについて議論する.
   
  ※当日の情報保障につきましては,こちらをご覧下さい.

※こちらの手違いで,本企画の各講演資料のテキスト版がウェブに掲載されていなかったこと,また,同じく大会CD-ROMへの収録が漏れていることについてお詫びを申し上げます.
 
講演(1)「ありかな? てごろでがっちり情報保障」<PDFファイルTEXTファイル>
3月8日(水)15:30-16:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  秡川 友宏(静岡大)
筑波大学自然学類卒業.学部在学中に福祉機器に関心をもち,情報学部生に紛れてハードウェアやアルゴリズムを学ぶ.大学院より情報分野に転身.2000年同大大学院工学研究科修了.同年静岡大学情報学部着任.現在まで助手.パーソナルインターフェイスを中心とした機器連携によるアクセシビリティー向上の研究に従事.
 
講演(2)「手頃な情報保障:情報系研究者にできること」<PDFファイルTEXTファイル>
3月8日(水)16:00-16:30[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  坂根 裕(デジタルセンセーション)
1974年大阪府生まれ.1998年大阪大学工学部卒業.2000年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了.2002年静岡大学情報学部助手.2004年デジタルセンセーション(株)代表取締役社長兼任.空手,幼児教育,コンテンツ配信に関する研究・開発に従事.
 
講演(3)「手頃な情報保障:企業・大学にできること」<PDFファイルTEXTファイル>
3月8日(水)16:30-17:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  織田 修平(NTT)
生来の聴覚障害者.
1997年福岡大学理学部応用数学科卒業.同年日本電信電話株式会社入社.
画像通信,バーチャルリアリティにおける聴覚障害者のコミュニケーション支援の研究開発などを経て,現在,NTTサイバースペース研究所にて音声・音響信号の研究,特に聴覚障害者支援の研究に従事.
2004年電子情報通信学会HCGヒューマンコミュニケーション賞受賞.
電子情報通信学会,ヒューマンインタフェース学会,日本特殊教育学会各会員.
 
講演(4)「手頃な情報保障:情報系研究者に望むこと」<PDFファイルTEXTファイル>
3月8日(水)17:00-17:30[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  青柳 まゆみ(筑波大)
筑波大学大学院博士課程 人間総合科学研究科.聖徳大学講師(非).
研究テーマ:視覚障害学(視覚障害児教育,障害理解教育,視覚障害支援機器評価等)
主な著書:鳥山由子監修,青松利明・青柳まゆみ・石井裕志編著
視覚障害学生サポートガイドブック.日本医療企画,2005.
 
自由討論
3月8日(水)17:30-18:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  司会:秡川 友宏(静岡大)
筑波大学自然学類卒業.学部在学中に福祉機器に関心をもち,情報学部生に紛れてハードウェアやアルゴリズムを学ぶ.大学院より情報分野に転身.2000年同大大学院工学研究科修了.同年静岡大学情報学部着任.現在まで助手.パーソナルインターフェイスを中心とした機器連携によるアクセシビリティー向上の研究に従事.
  パネリスト:青柳 まゆみ(筑波大)
筑波大学大学院博士課程 人間総合科学研究科.聖徳大学講師(非).
研究テーマ:視覚障害学(視覚障害児教育,障害理解教育,視覚障害支援機器評価等)
主な著書:鳥山由子監修,青松利明・青柳まゆみ・石井裕志編著
視覚障害学生サポートガイドブック.日本医療企画,2005.
  パネリスト:織田 修平(NTT)
生来の聴覚障害者.
1997年福岡大学理学部応用数学科卒業.同年日本電信電話株式会社入社.
画像通信,バーチャルリアリティにおける聴覚障害者のコミュニケーション支援の研究開発などを経て,現在,NTTサイバースペース研究所にて音声・音響信号の研究,特に聴覚障害者支援の研究に従事.
2004年電子情報通信学会HCGヒューマンコミュニケーション賞受賞.
電子情報通信学会,ヒューマンインタフェース学会,日本特殊教育学会各会員.
  パネリスト:坂根 裕(デジタルセンセーション)
1974年大阪府生まれ.1998年大阪大学工学部卒業.2000年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了.2002年静岡大学情報学部助手.2004年デジタルセンセーション(株)代表取締役社長兼任.空手,幼児教育,コンテンツ配信に関する研究・開発に従事.
  パネリスト:竹林 洋一(静岡大)
1980年東北大大学院博士課程修了.パターン認識,知識処理,ヒューマンインタフェース(HI)の研究に従事,MIT Mediaラボ客員研究員,東芝研究開発センターHI技術センター長,知識メディアラボラトリー技監を経て,2002年から静岡大学情報学部教授.デバイスからナレッジ・サービスまでを視野に入れて文工融合研究を推進.現在,本会理事,情報環境領域委員長,デジタルセンセーション株式会社会長.
 

 
教育シンポジウム(1):理工系情報専門学科学生の実力は?:達成度調査の結果と分析

3月9日(木)14:30-17:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  [全体概要]
情報処理教育委員会では理工系情報専門学科を対象とした教育成果に関する達成度調査を行なった.本調査の分析結果は,アクレディテーション委員会が担当しているJABEE審査だけでなく,情報処理学会が予定しているカリキュラム検討の際にも有用な情報になると思われる.また,理工系情報専門学科の現状を分析した上で,産業界からのフィードバックを得ることは重要性が高い.本シンポジウムでは達成度調査の結果を報告し,教育機関や学会が果すべき役割についての議論を行う.
 
オープニング「シンポジウムの趣旨説明」
3月9日(木)14:30-14:35[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  筧 捷彦(早大)
早稲田大学理工学部コンピュータ・ネットワーク工学科教授.
1968年東京大学卒.
1970年東京大学工学系大学院計数工学専攻修士課程修了,同年東京大学工学部助手,1974年立教大学理学部講師・助教授,1986年より現職.
日本ソフトウェア科学会,日本数学会,日本応用数理学会,ACM各会員.
本会フェロー,情報処理教育委員会委員長,アクレディテーション委員会委員,情報規格調査会SC22専門委員会委員長.JABEE認定・審査調整委員会委員.
プログラミングの言語,方法,環境,教育に興味を持つ.
 
講演(1)「達成度調査についての報告」
3月9日(木)14:35-15:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  角田 博保(電通大)
1974年東京工業大学理学部情報科学科卒業.1976年同大学院修士課程修了.1981年同大学院博士課程単位取得退学.1981年東京工業大学研究生.1982年電気通信大学計算機科学科助手.1990年同大学情報工学科講師,1992年助教授,現在に至る.理学博士.計算機システムのヒューマンインタフェース,教育支援システム,文字列処理等に興味を持つ.ACM,電子情報通信学会,日本ソフトウェア科学会,日本認知科学会,ヒューマンインタフェース学会各会員.
 
講演(2)「カリキュラム検討の立場からの意見」
3月9日(木)15:00-15:15[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  疋田 輝雄(明大)
1989年から明治大学理工学部情報科学科教授.
計算理論,ネットワークコンピューティング等に興味をもつ.
現在,情報処理学会コンピュータサイエンス教育委員会委員長.
著書は「コンパイラの理論と実現」(共立出版)など.
「情報科学こんせぷつ」(朝倉書店)共同編集.
 
講演(3)「アクレディテーション審査を行う立場からの意見」
3月9日(木)15:15-15:30[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  牛島 和夫(九産大)
1961年東京大学工学部卒.1977年九州大学工学部教授.2001年九州大学名誉教授.同年,財団法人九州システム情報技術研究所長.2002年4月九州産業大学情報科学部教授・学部長.本会理事,監事,九州支部長を歴任.2003年本会名誉会員.現在本会アクレディテーション委員会委員長.
 
講演(4)「JABEE認定校(情報分野)からの意見」
3月9日(木)15:30-15:45[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  掛下 哲郎(佐賀大)
九州大学情報工学科卒業.同博士後期課程修了.工学博士.現在,佐賀大学知能情報システム学科助教授.2001年度より学科の教育システムの構築を推進し,2003年度にJABEE認定を受けた.2004年度より情報処理学会アクレディテーション委員会幹事およびJABEE基準委員.データベースおよびソフトウエア工学を専門とする.現役ソフトウエア技術者向けにスーパーSEセミナーを開講中.情報処理学会,電子情報通信学会等会員.
 
講演(5)「産業界からの意見」
3月9日(木)15:45-16:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  有賀 貞一(CSKホールディングス)
1947年10月13日生まれ.
1970年3月 一橋大学経済学部卒.
1970年4月 株式会社野村電子計算センター入社
1972年12月 野村コンピュータシステム株式会社(社名変更)
1988年1月 合併により株式会社野村総合研究所
1990年6月 同取締役
1994年6月 同常務取締役
1997年6月 株式会社CSK専務取締役
2000年6月 同代表取締役副社長
2003年6月 同取締役
2004年7月 同取締役 (*代表権付)
2005年10月 株式会社CSKホールディングス取締役 (*代表権付)
 
総合討論
3月9日(木)16:00-17:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  司会:筧 捷彦(早大)
早稲田大学理工学部コンピュータ・ネットワーク工学科教授.
1968年東京大学卒.
1970年東京大学工学系大学院計数工学専攻修士課程修了,同年東京大学工学部助手,1974年立教大学理学部講師・助教授,1986年より現職.
日本ソフトウェア科学会,日本数学会,日本応用数理学会,ACM各会員.
本会フェロー,情報処理教育委員会委員長,アクレディテーション委員会委員,情報規格調査会SC22専門委員会委員長.JABEE認定・審査調整委員会委員.
プログラミングの言語,方法,環境,教育に興味を持つ.
  パネリスト:有賀 貞一(CSKホールディングス)
1947年10月13日生まれ.
1970年3月 一橋大学経済学部卒.
1970年4月 株式会社野村電子計算センター入社
1972年12月 野村コンピュータシステム株式会社(社名変更)
1988年1月 合併により株式会社野村総合研究所
1990年6月 同取締役
1994年6月 同常務取締役
1997年6月 株式会社CSK専務取締役
2000年6月 同代表取締役副社長
2003年6月 同取締役
2004年7月 同取締役 (*代表権付)
2005年10月 株式会社CSKホールディングス取締役 (*代表権付)
  パネリスト:牛島 和夫(九産大)
1961年東京大学工学部卒.1977年九州大学工学部教授.2001年九州大学名誉教授.同年,財団法人九州システム情報技術研究所長.2002年4月九州産業大学情報科学部教授・学部長.本会理事,監事,九州支部長を歴任.2003年本会名誉会員.現在本会アクレディテーション委員会委員長.
  パネリスト:角田 博保(電通大)
1974年東京工業大学理学部情報科学科卒業.1976年同大学院修士課程修了.1981年同大学院博士課程単位取得退学.1981年東京工業大学研究生.1982年電気通信大学計算機科学科助手.1990年同大学情報工学科講師,1992年助教授,現在に至る.理学博士.計算機システムのヒューマンインタフェース,教育支援システム,文字列処理等に興味を持つ.ACM,電子情報通信学会,日本ソフトウェア科学会,日本認知科学会,ヒューマンインタフェース学会各会員.
  パネリスト:掛下 哲郎(佐賀大)
九州大学情報工学科卒業.同博士後期課程修了.工学博士.現在,佐賀大学知能情報システム学科助教授.2001年度より学科の教育システムの構築を推進し,2003年度にJABEE認定を受けた.2004年度より情報処理学会アクレディテーション委員会幹事およびJABEE基準委員.データベースおよびソフトウエア工学を専門とする.現役ソフトウエア技術者向けにスーパーSEセミナーを開講中.情報処理学会,電子情報通信学会等会員.
  パネリスト:疋田 輝雄(明大)
1989年から明治大学理工学部情報科学科教授.
計算理論,ネットワークコンピューティング等に興味をもつ.
現在,情報処理学会コンピュータサイエンス教育委員会委員長.
著書は「コンパイラの理論と実現」(共立出版)など.
「情報科学こんせぷつ」(朝倉書店)共同編集.
 

 
教育シンポジウム(2):高校の「情報科」教員養成における課題
−企業・社会と高校のギャップ,教員養成制度と教員採用のギャップ−


3月10日(金)9:00-12:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  [全体概要]
2003年4月から全国の高校普通科に必修の教科として,普通教科「情報」が設置された.日本全国では1万人程度の「情報」科の教員が必要となったが,現在でも,情報科学・情報工学系(以下,情報系と呼ぶ)の学科やコースを「情報」の免許を取得して卒業しても,教員として就職することができない事態が続いている.文部科学省は2000〜2002年に数学や理科などの現職教員に3週間の研修を行ない,9千人の教員を促成栽培したが,これらの教員の多くは,コンピュータ操作などの「教えやすい内容」を中心に教科「情報」の授業を行なっているのが実情である.その結果,現在の学校現場では情報系学科等の卒業生が教壇に立つ必要性が薄いことが問題である.また,「情報」のみ担当の教員採用が少ない一方で,情報系学科では他教科の免許を学生に取得させることが困難,という問題も生じている.
本セッションでは,企業・社会が学校卒業者に求めているものと,現在の高校が教育しているもののギャップが大きいこと,教員養成制度と教員採用状況のギャップが大きいこと,などを指摘し,それを埋めるのは高校の役目なのか,大学の役目なのか,それとも制度・政策に問題があるのかについて議論しながら,大学における「情報」教員の養成問題について,議論を深めたい.
 
講演(1)「情報科の教員養成に関わって(1)」
3月10日(金)9:00-9:30[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
 
  辰己 丈夫(農工大)
早稲田大学理工学部1991年卒業.同大学情報科学研究教育センター助手,神戸大学発達科学部講師を経て現職.非常勤講師として,東京大学理学部,青山学院大学で「情報科教育法」を担当.他に,早稲田大学,東京大学教養学部,放送大学,放送大学大学院で講義,論文指導を担当.情報処理学会代表会員,初等中等情報教育委員会,一般情報処理教育委員会委員,コンピュータと教育研究会・幹事など.国分寺市情報公開・個人情報審議会委員.
 
講演(2)「高等学校における現状と課題」
3月10日(金)9:30-10:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  小原 格(都立町田高校)
東京学芸大学教育学部特別教科教員養成課程数学科専攻 卒業
1993年4月 東京都立新島高等学校数学科教諭として入都
2000年4月 東京都立町田高等学校へ異動
現職教員等講習会により、教科「情報」免許取得
2003年〜 現任校にて情報科を担当
東京都「東京の教育21」研究開発委員(情報),東京都高等学校情報教育研究会幹事(情報活用部会長)
本校において,文部科学省学力向上フロンティアハイスクール及び教育課程研究指定校情報科担当教員
日本文教出版「情報A」教科書編集委員
 
講演(3)「情報科の教員養成に関わって(2)」
3月10日(金)10:10-10:40[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  和田 勉(長野大)
1984年から長野大学産業社会学部専任講師,1988年同学部産業情報学科発足に伴い同学科専任講師,助教授を経て現在教授.高等学校普通教科「情報」の発足に先立つ「情報処理学会試作教科書」の執筆に参加した後,長野大での高等学校情報科教職課程を担当し「情報科教育法」等で教える.教えた学生の数人は学部在学中に情報教育シンポジウムSSS等で発表しているが,そのような学生すら高等学校教員になる道がほとんど閉ざされていることに疑問を持つ.情報処理学会,CIEC,ACM各会員.英語・中国語・韓国語ができる.
 
意見発表「高等学校の情報科教員をめざす大学新卒者の立場から」
3月10日(金)10:40-10:55[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  下村 幸子(信州大)
信州大学大学院教育学研究科学校教育専攻学校教育専修修士課程在学.2004年長野大学卒業.同年4月より現在の所属.大学時代に高校教科「情報」の免許を取得.2003年に行った教育実習に際しては,出身高校での受け入れがされず,所属大学の先生の紹介で慶応義塾湘南藤沢中・高等部で実習を行う.また,同年に教員採用試験を地元で受けることを希望するも募集がなく,断念.現在は,主に情報モラル教育について研究.
 
講演(4)「社会人として必要な情報分野の資質と高校における情報教育」
3月10日(金)10:55-11:25[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  大久保 昇(内田洋行)
1979年 京都大学工学部卒,株式会社内田洋行入社,教育システム事業部に配属.
2003年 同 事業部長, 取締役就任 2005年 常務取締役就任.
現在 文部科学省初中局教育の情報化検討委員会委員,教育情報化推進協議会代表幹事,日本教育工学振興会 副会長,日本教材備品協会 副会長,日本理科教育振興協会 副会長.
日本教育工学協会 常任理事,New Education EXPO実行委員会事務局長.
その他近年の政府e-japan政策関連での文部科学省,総務省,経済産業省等からの受託事業や研究案件に多く関わる.
 
パネル討論「大学の役割と高校の役割と政府・行政の役割」
3月10日(金)11:25-12:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  司会:立田 ルミ(獨協大)
1969年津田塾大学数学科卒,同年獨協大学計算機室勤務,1972年津田塾大学理学研究科修士課程修了,獨協大学経済学部経営学科助手,講師,助教授を経て,1987年より教授,教育工学に従事.1974年より情報処理学会会員.現在コンピュータと教育研究会財務担当幹事.教育システム情報学会評議委員,論文編集委員,イリノイ大学客員研究員,イリノイ大学客員教授を歴任.現在CIEC理事,私立大学情報教育協会フォーラム委員.
  パネリスト:大久保 昇(内田洋行)
1979年 京都大学工学部卒,株式会社内田洋行入社,教育システム事業部に配属.
2003年 同 事業部長, 取締役就任 2005年 常務取締役就任.
現在 文部科学省初中局教育の情報化検討委員会委員,教育情報化推進協議会代表幹事,日本教育工学振興会 副会長,日本教材備品協会 副会長,日本理科教育振興協会 副会長.
日本教育工学協会 常任理事,New Education EXPO実行委員会事務局長.
その他近年の政府e-japan政策関連での文部科学省,総務省,経済産業省等からの受託事業や研究案件に多く関わる.
  パネリスト:小原 格(都立町田高校)
東京学芸大学教育学部特別教科教員養成課程数学科専攻 卒業
1993年4月 東京都立新島高等学校数学科教諭として入都
2000年4月 東京都立町田高等学校へ異動
現職教員等講習会により、教科「情報」免許取得
2003年〜 現任校にて情報科を担当
東京都「東京の教育21」研究開発委員(情報),東京都高等学校情報教育研究会幹事(情報活用部会長)
本校において,文部科学省学力向上フロンティアハイスクール及び教育課程研究指定校情報科担当教員
日本文教出版「情報A」教科書編集委員
  パネリスト:下村 幸子(信州大)
信州大学大学院教育学研究科学校教育専攻学校教育専修修士課程在学.2004年長野大学卒業.同年4月より現在の所属.大学時代に高校教科「情報」の免許を取得.2003年に行った教育実習に際しては,出身高校での受け入れがされず,所属大学の先生の紹介で慶応義塾湘南藤沢中・高等部で実習を行う.また,同年に教員採用試験を地元で受けることを希望するも募集がなく,断念.現在は,主に情報モラル教育について研究.
  パネリスト:辰己 丈夫(農工大)
早稲田大学理工学部1991年卒業.同大学情報科学研究教育センター助手,神戸大学発達科学部講師を経て現職.非常勤講師として,東京大学理学部,青山学院大学で「情報科教育法」を担当.他に,早稲田大学,東京大学教養学部,放送大学,放送大学大学院で講義,論文指導を担当.情報処理学会代表会員,初等中等情報教育委員会,一般情報処理教育委員会委員,コンピュータと教育研究会・幹事など.国分寺市情報公開・個人情報審議会委員.
  パネリスト:和田 勉(長野大)
1984年から長野大学産業社会学部専任講師,1988年同学部産業情報学科発足に伴い同学科専任講師,助教授を経て現在教授.高等学校普通教科「情報」の発足に先立つ「情報処理学会試作教科書」の執筆に参加した後,長野大での高等学校情報科教職課程を担当し「情報科教育法」等で教える.教えた学生の数人は学部在学中に情報教育シンポジウムSSS等で発表しているが,そのような学生すら高等学校教員になる道がほとんど閉ざされていることに疑問を持つ.情報処理学会,CIEC,ACM各会員.英語・中国語・韓国語ができる.
 

 
教育シンポジウム(3):大学の一般情報処理教育のあり方について
−2006年問題を考える−


3月10日(金)14:30-17:30[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  [全体概要]
2006年春には高校の必修科目『情報』を履修した学生が大学に入学してくる.大学の一般教養課程における情報処理教育の実態は高校の情報の内容とかなり重複した内容となっており,2006年春からの大学等における一般情報処理教育が破綻することが懸念されており2006年問題といわれている.情報処理学会情報処理教育委員会一般情報処理教育小委員会では大学等における一般情報処理教育のあり方に関する調査検討(文科省委託研究)において,教育内容の実態を調査し,2006年以降に実施されるべきカリキュラムを策定した.また,昨年秋にはカリキュラム体系のコア科目の教科書を情報処理学会のIT Textシリーズとして出版した.2005年,各大学での2006年問題への取り組み状況を調査する予定であり,その調査結果の報告と一般教養課程での情報処理教育のあり方を考えるパネルを行う.
 
基調講演(1)「企業から見た大学の一般情報処理教育への期待」
3月10日(金)14:30-15:00[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  駒谷 昇一(NTTソフトウェア)
1980年NTTソフトウェアに入社,システム設計,プロジェクト管理,教育研修体系の策定に従事,2004年経産省ITスキル標準を活用した人材育成のあり方に関する調査委員会委員,ITSSユーザー協会導入コンサルタント認定委員会委員長,情報処理学会1996-1999年コンピュータと教育研究会運営委員,1999年第1回情報教育シンポジウム(SSS99)プログラム委員長,一般情報処理教育委員会幹事,教科書編集委員会委員.
 
基調講演(2)「早稲田大学における一般情報処理教育」
3月10日(金)15:00-15:30[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  楠元 範明(早大)
早稲田大学教育・総合科学学術院助教授.
早稲田大学教育学部卒業.同大学院理工学研究科博士後期課程修了,博士(理学).同教育学部(現教育・総合科学学術院)助手を経て,現在に至る.2004年9月より早稲田大学メディアネットワークセンター教務主任(学生担当).早稲田大学総合研究機構情報教育研究所幹事.情報処理学会コンピュータと教育研究運営委員会,一般情報処理教育小委員会委員.
 
調査報告「2006年問題に対する大学の対応状況」
3月10日(金)15:30-15:50[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  河村 一樹(東京国際大)
1955年生まれ.立教大学理学部化学科卒業,日本大学大学院理工学研究科博士前期課程電子工学専攻修了,博(工).尚美学園短期大学,宮城大学を経て,現在,東京国際大学商学部情報システム学科教授.情報教育工学の研究・教育に従事.情報処理学会2003-2005年度代表会員.情報処理学会に於いて,コンピュータと教育研究会幹事および運営委員,情報処理教育委員会委員,一般情報処理教育委員会幹事,初等・中等情報教育委員会委員を歴任.
 
パネル討論「大学等における一般情報処理教育のあり方」
3月10日(金)16:00-17:30[第2イベント会場(高層棟6階 A-0652教室)]
  司会:河村 一樹(東京国際大)
1955年生まれ.立教大学理学部化学科卒業,日本大学大学院理工学研究科博士前期課程電子工学専攻修了,博(工).尚美学園短期大学,宮城大学を経て,現在,東京国際大学商学部情報システム学科教授.情報教育工学の研究・教育に従事.情報処理学会2003-2005年度代表会員.情報処理学会に於いて,コンピュータと教育研究会幹事および運営委員,情報処理教育委員会委員,一般情報処理教育委員会幹事,初等・中等情報教育委員会委員を歴任.
  パネリスト:楠元 範明(早大)
早稲田大学教育学部卒業.同大学院理工学研究科博士後期課程修了,博士(理学).同教育学部(現教育・総合科学学術院)助手を経て,現在に至る.2004年9月より早稲田大学メディアネットワークセンター教務主任(学生担当).早稲田大学総合研究機構情報教育研究所幹事.情報処理学会コンピュータと教育研究運営委員会,一般情報処理教育小委員会委員.
  パネリスト:駒谷 昇一(NTTソフトウェア)
1980年NTTソフトウェアに入社,システム設計,プロジェクト管理,教育研修体系の策定に従事,2004年経産省ITスキル標準を活用した人材育成のあり方に関する調査委員会委員,ITSSユーザー協会導入コンサルタント認定委員会委員長,情報処理学会1996-1999年コンピュータと教育研究会運営委員,1999年第1回情報教育シンポジウム(SSS99)プログラム委員長,一般情報処理教育委員会幹事,教科書編集委員会委員.
  パネリスト:竹村 治雄(阪大)
1958年4月3日生まれ.
1982年3月 大阪大学基礎工学部情報工学科 卒業.
1984年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程物理系専攻 修了.
1987年3月 同博士後期課程物理系専攻 単位取得退学.
1987年4月 株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)入社.
1992年4月 同 主任研究員.
1994年3月 同 退社.
1994年4月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教授.
1998年10月〜1999年7月 トロント大学工学部客員助教授.
2001年4月〜 大阪大学サイバーメディアセンター.
現在,情報メディア教育研究部門 教授.
1987年7月 工学博士(大阪大学).