イベント企画
トップコンファレンス 7 ネットワークとセキュリティ
8/27(金) 13:10-15:40
第4イベント会場(オンライン)
座長:金岡 晃(東邦大学)
座長補佐:山田 明(KDDI総合研究所)
13:10-13:30 講演(1) 【タイトル邦題】 ライトコマンド: レーザーを用いて音声コマンドを挿入する攻撃
菅原 健(電気通信大学 )
【原発表の書誌情報】 T. Sugawara, B. Cyr, S. Rampazzi, D. Genkin, and K. Fu, “Light Commands: Laser-Based Audio Injection on Voice-Controllable Systems,” USENIX Security Symposium 2020, 2020.
【概要】 マイクに振幅変調したレーザー光を当てると,あたかも音声を受信したかのように,マイク出力に電気信号を発生させることができる現象を発見した.この現象を悪用すると,スマートスピーカーなどの音声制御システムに対し,遠隔から無音で音声コマンドを挿入し,制御を奪うことができる.Amazon Alexa や Google Assistant をはじめとする多くの機器を対象に安全性評価を行い,特に敏感なものでは 110 メートル先の遠方からコマンドが挿入できることを実証した.
【略歴】 2011 年東北大学博士後期課程修了.博士(情報科学).2011 年より三菱電機株式会社・情報技術総合研究所に入所.IC カード・車載機器・産業機器などの組込機器セキュリティに関する研究開発に従事.2017 年より電気通信大学・准教授.2019 年には客員研究員としてミシガン大学に滞在.暗号実装,サイドチャネル攻撃,アナログサイバーセキュリティなどの研究を行う.
13:30-13:50 講演(2) 【タイトル邦題】 有用性の高い局所プライベートな分布推定に向けた新たな安全性指標の提案
村上 隆夫(産業技術総合研究所 )
【原発表の書誌情報】 Takao Murakami, Yusuke Kawamoto, "Utility-Optimized Local Differential Privacy Mechanisms for Distribution Estimation," Proceedings of the 28th USENIX Security Symposium (USENIX Security 2019), pp.1877-1894, 2019.
【概要】 本研究では,sensitive dataに対してのみ局所型差分プライバシー(LDP: Local Differential Privacy)と等価な安全性を保証する安全性指標であるUtility-Optimized LDP(ULDP)を提案する.また,ULDPを満たすデータ加工メカニズムとしてUtility-Optimized Randomized Response(uRR),Utility-Optimized RAPPOR(uRAP)を提案し,理論・実験の両面で有効性を示す.
【略歴】 東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了.博士(情報理工学).日立製作所 研究員,産業技術総合研究所 研究員を経て,2018年より産業技術総合研究所 主任研究員.2020年カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員.IEEE TrustCom 2015 Best Paper Award,2019年度船井学術賞などを受賞.専門分野はプライバシー保護,機械学習の安全性.
13:50-14:10 講演(3) 【タイトル邦題】 ブラウザでのデータ収集に基づくウェブアクセス経路の追跡及び分析
高橋 健志(国立研究開発法人 情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所サイバーセキュリティ研究室 研究マネージャー)
【原発表の書誌情報】 Takahashi, T., Kruegel, C., Vigna, G., Yoshioka, K., Inoue, D.: Tracing and Analyzing Web Access Paths Based on User-Side Data Collection: How Do Users Reach Malicious URLs?, 23rd International Symposium on Research in Attacks, Intrusions and Defenses, pp. 93--106 (2020).
【概要】 本稿では,ブラウザでのデータ収集に基づき、ユーザが悪性URLに到達する経路を抽出する方式を提案する.そして、その経路の分析結果を紹介するとともに、悪性URLに到達する可能性の高いドメインを特定する方式を提案する.
【略歴】 2005年早稲田大学博士後期課程修了。博士(国際情報通信学)。Tampere工科大学、株式会社ローランド・ベルガーを経て、現在、情報通信研究機構にて研究マネージャー。2019年度カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員。Webアクセスログ分析、Androidアプリ分析、Malware分析など、サイバーセキュリティに関する研究開発を実施。
14:10-14:30 講演(4) 【タイトル邦題】 アジア太平洋地域のインターネット相互接続点(IX)事業者におけるコロナ感染拡大の影響
外山 勝保(インターネットマルチフィード株式会社 代表取締役副社長)
【原発表の書誌情報】 The impacts of COVID-19 pandemic on the IXPs in APAC region
【概要】 2020年初頭から世界に拡大したコロナウィルス感染症により、インターネットを支える基盤の一つであるインターネット相互接続点(IX=Internet Exchange)にも多大な影響を与えた。本稿では、アジア太平洋地域のIX事業者への調査・ヒアリングを通じて、IX事業者が受けたさまざまな影響とそれへの迅速な対処を明らかにし、今後の教訓を洗い出すとともに、他地域のIX事業者とのディスカッションを通じて、グローバルでの知識・経験の共有をはかる。
【略歴】 1987年東京工業大学修士課程修了、同年NTTに入社。
1997年にNTTとIIJのJoint Ventureであるインターネットマルチフィード株式会社設立に参画、そのまま同社に出向。
日本最大のインターネット相互接続点(IX)であるJPNAP事業を2001年に立ち上げる。
2010年にアジア太平洋地域のIX事業者の連合会APIX(Asia Pacific Internet Exchange association)を創立し、以来主査を務める。現在18か国から33のIX事業者が参加。
2015年にインターネットマルチフィード株式会社の代表取締役副社長に就任、現在に至る。