イベント企画
ニューノーマル社会の次世代スマート地域
8/27(金) 13:10-15:40
第1イベント会場(オンライン)
【セッション概要】 ポストコロナのニューノーマル時代にあるべき次世代のスマート地域について、Beyond 5G通信ネットワーク、環境エネルギー政策、自動運転等の新しい交通体系などの技術を踏まえた豊かな地域社会作りの観点から議論を行う。主に以下の項目を取り上げる。
・人間性豊かなコミュニケーション
・自然災害や社会災害(コロナ禍)に対するリジリエントな社会をどう作るか
・ニューノーマル社会のデジタル化を推進する新しい地方・産官学連携の活動
13:10-13:20 司会 「ニューノーマル社会の次世代スマート地域」の狙い
田中 陽一郎(東北大学 電気通信研究所 教授)
【概要】 高度な情報社会を目指したSociety5.0への移行が進む中で、地域のデータとICTを駆使したスマートシティ・コンパクトシティ化、レジリエントなまちづくりの重要性が議論されている。パネル討論「ニューノーマル社会の次世代スマート地域」を開催するにあたり、今後の社会に求められている機能や解決すべき課題、その推進力となる技術等を踏まえて、企画の狙いについて説明する。
【略歴】 東北大学大学院博士後期課程修了。1983年より東芝で垂直磁気記録技術を中心とする高密度ストレージ技術研究と実用化開発に従事、2005年に垂直記録ハードディスクの世界初実用化を達成。ハイブリッドストレージアーキテクチャ、医科学向けデータセンター・アーキテクチャ研究に従事。2007年大河内記念技術賞受賞。2019年より東北大学電気通信研究所教授。山形県IoT推進ラボディレクター、日本磁気学会フェロー。
13:20-13:35 パネリスト・ショートトーク(1) ニューノーマル社会におけるヨッタスケールデータの有効活用のための情報質評価支援手法
塩入 愉(東北大学 ヨッタインフォマティクス研究センター/電気通信研究所 教授)
【概要】 情報技術はデータ蓄積速度を向上し続け、2030年には年間情報生成量が1ヨッタ(1024)バイト超えるとの予測もある。一方、保存可能なデータ量の増加は、それに追いつけないと言われ、増大するデータを知識の獲得に繋げるためには、価値のあるデータの選定が不可欠である。この問題の解決のために、東北大学ヨッタインフォマティクス研究センターは、超巨大情報量を享受するために、情報の質と価値に関する学術分野、情報質インフォマティクスの創造を目的に設置された。情報の質と価値は、情報を利用する主体の判断が重要であり、ヨッタインフォマティクス研究センターでは人間科学とデータ科学の連携のもとで研究が進められている。この視点での研究の、ニューノーマル社会におけるデータ収集、伝送、蓄積、処理への貢献について議論する。
【略歴】 1986年東京工業大学大学院総合理工学研究科修了。工学博士。モントリオール大学、ATR視聴覚機構研究所研究員、千葉大学工学部助手、助教授、教授を経て、2005年より東北大学電気通信研究所教授。視覚科学、認知科学分野の研究に従事。
13:35-13:50 パネリスト・ショートトーク(2) ニューノーマル社会のためのインタラクティブ技術
北村 喜文(東北大学 電気通信研究所 教授)
【略歴】 1987年大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程修了.同年キヤノン株式会社,1992年 ATR 通信システム研究所,1997年大阪大学大学院工学研究科/情報科学研究科 助教授/准教授.2010年より現職.2018年より副所長.国際会議 SIGGRAPH Asia 2015 Conference Chair,CHI 2021 General Chair 等を務めた.VRST,3DUI,SIGGRAPH Asia,ICAT,EGVE,CHI 等で Steering Committee 委員も務め,その中で VRST Steering Committee Chair.IFIP TC-13 日本代表,Liaison for Japan and Chair of ACM SIGCHI Asian Development Committee,Chair of Japan ACM SIGCHI Chapter 等を務めている.
13:50-14:05 パネリスト・ショートトーク(3) 仙台市と東北大学によるITを核とした産学官連携 ~IIS研究センタ-:地方の課題への挑戦~
舘田 あゆみ(東北大学 大学院工学研究科 情報知能システム研究センター 特任教授)
【概要】 仙台市の費用負担により運営している「東北大学IIS研究センター」は、主にICTによる地域の産学官連携を推進する組織です。その活動実績および自治体と大学連携による地域課題解決への取組みについてご紹介します。
【略歴】 東北大学教育学部教育心理学科を修了後、NECソフトウェア東北(現NECソリューションイノベータ)に入社。システムエンジニアとして各種システム開発を担当。
同社事業推進部長を務めていた2010年に東北大学大学院工学研究科情報知能システム研究センター(IIS研究センタ-)に出向。特任教授として主にICTを活用した地域産学官連携業務に従事。
14:05-14:20 パネリスト・ショートトーク(4) 映像からの重要情報抽出の試み
大町 真一郎(東北大学 大学院工学研究科通信工学専攻 教授)
【概要】 自然災害の状況を把握する手段として映像情報は重要な役割を果たす。しかし、映像情報は冗長でデータサイズも大きく、いかに必要な情報を抽出して伝送するかは重要な課題である。本講演では映像から重要な情報を抽出するための取り組みを紹介する。
【略歴】 1993年東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。東北大学助手、助教授を経て、現在、東北大学大学院工学研究科教授。IAPR/ICDAR Best Paper Award (2007年)、ICFHR Best Paper Award (2010年)、電子情報通信学会論文賞(2012年)など受賞。
14:20-14:35 パネリスト・ショートトーク(5) (仮)挑戦を続ける仙台市のまちづくり
梅内 淳(仙台市 まちづくり政策局 局長)
【概要】 仙台市のまちづくりの根幹である新基本計画”The Greenest City”SENDAIや、仙台市×東北大学スーパーシティ構想、DX推進計画など、「選ばれる都市」を目指した本市の取り組みをご紹介します。
【略歴】 東北大学法学部を卒業後、仙台市役所に入庁。平成25年度復興事業局参事(兼)震災復興室長、平成28年度経済局次長(兼)産業政策部長、平成29年度まちづくり政策局次長、令和2年度より現職。
14:35-14:50 パネリスト・ショートトーク(6) 空間統計モデルを用いたCOVID-19の主観的幸福度への影響に関する実証分析 〜どのような人々がCOVID-19の影響を大きく受けたのか?〜
佐藤 宇樹(東北大学 ヨッタインフォマティクス研究センター 特任助教)
【概要】 本研究では新たな空間統計モデルとしてspatial dynamic panel models for multilevel datasetを提案し、提案したモデルをアンケート調査により集計した日本人の主観的幸福度データに応用した。アンケート調査は2019年から2021年の間に計4回実施された。統計分析の結果から次の2点が明らかになった。1点目は県別の平均幸福度は空間従属性を持つことである。このことは、隣接している都道府県の人々の幸福度の値は似た値を取ることを意味する。人々の幸福度に影響する文化や慣習が、隣接している都道府県では相似していることが、幸福度の空間従属性を生み出していると考えられる。2点目はCOVID-19パンデミックの日本人の主観的幸福度への影響は個人の年齢によって大きく異なるということである。統計分析結果から、COVID-19パンデミックの前後では若年層の女性の幸福度が減少している一方で、高齢の女性の幸福度は減少していないことが明らかになった。このことは、若年層の女性への、追加的な支援が必要なことを示唆している。
【略歴】 2014年東北大学経済学部経済学科卒業。2016年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2019年同大学経済学研究科博士課程修了。同年東北大学ヨッタインフォマティクス研究センター学術研究員。2020年より同研究センター特任助教。位置情報を持つ空間データを分析するための統計モデルの開発とその社会科学データへの応用に関する研究に取り組む。
14:55-15:40 パネル討論 ニューノーマル社会の次世代スマート地域を考える
【概要】 膨大なデータとICTを駆使しサイバーとフィジカル空間が高度に融合するSociety5.0への移行、あらゆる価値創造の源泉が知識・データとなる知識集約型社会への対応が課題となっている。社会全体では、高齢化・人口減に伴う地域コミュニティの消失の危機や、近年自然災害リスクの増加といった課題に対応するため、データとICTを駆使したスマートシティ・コンパクトシティ化、レジリエントなまちづくりが課題である。また、新型コロナウイルス感染症への対応から、社会経済の在り方がICTを活用した分散・リモート型に不可逆に変化しつつある。
パネル討論「ニューノーマル社会の次世代スマート地域」では、ポストコロナのニューノーマル時代にあるべき次世代のスマート地域について、人間性豊かなコミュニケーションと情報質、Beyond 5G通信ネットワーク、環境エネルギー政策、I Tを核とする産学官連携、自動運転等の新しい交通体系などの技術を踏まえた豊かな地域社会作りの観点から議論を行う。
「ニューノーマル社会の次世代スマート地域」の狙い:田中 陽一郎(東北大学 電気通信研究所 教授)
【概要】 高度な情報社会を目指したSociety5.0への移行が進む中で、地域のデータとICTを駆使したスマートシティ・コンパクトシティ化、レジリエントなまちづくりの重要性が議論されている。パネル討論「ニューノーマル社会の次世代スマート地域」を開催するにあたり、今後の社会に求められている機能や解決すべき課題、その推進力となる技術等を踏まえて、企画の狙いについて説明する。
【略歴】 東北大学大学院博士後期課程修了。1983年より東芝で垂直磁気記録技術を中心とする高密度ストレージ技術研究と実用化開発に従事、2005年に垂直記録ハードディスクの世界初実用化を達成。ハイブリッドストレージアーキテクチャ、医科学向けデータセンター・アーキテクチャ研究に従事。2007年大河内記念技術賞受賞。2019年より東北大学電気通信研究所教授。山形県IoT推進ラボディレクター、日本磁気学会フェロー。