イベント企画
人間・ロボットの協調のためのCV/PR技術
8/25(水) 13:10-15:10
第1イベント会場(オンライン)
【セッション概要】 近年、移動ロボットに搭載されている画像認識・物体検出・物体追跡技術は、高性能かつ高精度であり、工場内等の産業用途に実応用されています。これまでのロボット技術は、人間の作業をロボットに代替させることを目的として研究開発が進められてきています。一方で、これからのロボット技術は、人間とロボットの関係がさらに進化し、協働による処理の効率化が主要な課題となります。このような課題に加えて、家庭環境や製造業など様々な現場における課題が存在します。本企画では、人間・ロボットの協調のためのCV/PR技術をテーマとして、2名の研究者の方にご講演をお願いしました。
13:10-14:10 講演(1) 生活支援ロボットのための組込指向脳型計算機
田向 権(九州工業大学 大学院 生命体工学研究科 教授)
【概要】 変化し続ける雑多な環境下での動作を求められる生活支援ロボットの実現には、その知的処理が重要である。また、ロボットを組込みシステムとして考えた場合、高速かつ省電力な計算機システムの構築が重要である。本発表では、世界最大のロボット競技会RoboCupの一部門である@ホームリーグに出場し世界大会優勝経験を持つ生活支援ロボットを題材に、1)深層学習に基づく画像認識システムの構築および運用法と、2)脳型人工知能モデルに基づく個人に寄り添う生活支援ロボットについて紹介する。また、3)これらを高速かつ省電力に動作させる組込指向脳型計算機のための回路とシステムについて、その研究開発の状況を報告する。
【略歴】 2006年九州工業大学大学院 生命体工学研究科 脳情報専攻 博士後期課程修了 博士(工学)。同年 同大学院21世紀COE博士研究員。2007年 東京農工大学大学院工学府先端電気電子部門 助教。2013年 九州工業大学大学院生命体工学研究科 准教授。2021年 同大学院 教授。ホームサービスロボットの世界大会であるRoboCup 2017、2018 @Home League、World Robot Summit 2018で3度の世界大会優勝。ロボカップジャパンオープン日本委員会@ホームリーグ委員長。
13:10-14:10 座長
萩原 良信(立命館大学 情報理工学部 講師)
【略歴】 2010年創価大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。2010年創価大学工学部助教、2013年国立情報学研究所特任研究員、2015年立命館大学情報理工学部助教を経て現在、立命館大学情報理工学部講師。知能ロボット、機械学習、確率的情報処理を専門とする。感覚運動情報を観測とする確率的生成モデルを用いた生活支援ロボットによる概念形成、マルチエージェント記号創発システムの構成論等に関する研究に従事。2018年World Robot Summit Partner Robot ChallengeにてNEDO理事長賞受賞。IEEE、日本ロボット学会、人工知能学会、計測自動制御学会、電子情報通信学会、電気学会、ロボカップ日本委員会各会員。
14:10-15:10 講演(2) 製造業・サービス業での人とシステムとの協調
蔵田 武志(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人間拡張研究センター 副研究センター長)
【概要】 本講演では、産総研が参画した各プロジェクトにおいて取り組まれた製造業・サービス業での人とシステムとの協調に関する研究開発事例を概説する。まず、人間拡張研究センターの研究事例から、日本食レストランへの配膳ロボット導入と屋内測位などを適用した導入効果の評価、及びその考察について概説する。次に、インダストリアルサイバーフィジカルシステム(CPS)センターの研究事例から、人・機械協調に基づく変種変量生産のための研究開発事例を紹介する。最後に、ヘルスケアサービスの提供者と利用者、さらに利用者同士がAIと協調しながらQoL (Quality of Life)やQoW (Quality of Working)を向上させるための技術基盤の構想について議論する。
【略歴】 1996年筑波大学大学院工学研究科修士課程修了。1996年より電子技術総合研究所(現在の産業技術総合研究所)研究員、2020年より産総研人間拡張研究センター副研究センター長。2003-2005年にJSPS海外特別研究員(ワシントン大HITLAB客員研究員)、2009年より筑波大学大学院教授(連携大学院)、2018-2020年に住友電気工業株式会社IoT研究開発センター(グループ長、クロスアポイントメントフェロー)をそれぞれ兼務。日本バーチャルリアリティ学会評議員、ISO IEC/JTC 1/SC 2424専門委員会委員長(HoD)、PDRベンチマーク標準化委員会初代委員長(現事務局)。サービス工学、屋内測位、行動計測、複合現実・拡張現実等の研究に従事。平成28年度産総研理事長賞「研究」受賞。博士(工学)。
14:10-15:10 座長
宍戸 英彦(筑波大学 計算科学研究センター 助教)
【略歴】 2016年、筑波大学大学院システム情報工学研究科博士後期課程修了。同年、(独)国立スポーツ科学センター研究員を経て、2017年より筑波大学計算科学研究センター助教、2018年、英国サリー大学客員研究員。コンピュータビジョン、多視点映像解析の研究に従事。博士(工学)。