祝辞

西尾章治郎(大阪大学 総長(一般社団法人情報処理学会 第29代会長))

1960年に創設された情報処理学会が、この度、めでたく創設60周年を迎えましたこと、心よりお祝い申し上げます。

私は、大阪大学総長就任後、中国の有力な2大学の120周年祝賀行事に招待されて参加しました。中国では、120周年を「大還暦」と言い、殊のほか記念すべき年として特に盛大な式典が挙行されます。

還暦を迎える60周年までに、当初目指してきたことを何としても頑張って成し遂げ、自立する。そして、還暦以降、その確立した自己基盤をもとに、120周年を目途に世のため、人のために尽くしていく。120周年は、そのような目標として重要な役割を果たしているとのことです。

「情報処理」の分野は、これまでの60年間における未曾有の技術革新のもとで大きな発展を遂げ、あらゆる産業の動脈的な役割を担うまでになり、学問分野としての体系化についても礎は確立したと言っても過言ではありません。

そのような背景のもとで、本会は、創設以来、会員の皆様、事務局の方々の言葉に尽くせぬ熱意と多大なるご尽力によって確固たる存在感を世に提示しつつ、活動を展開してきました。

今後、本会は、大還暦を大きな目標とし、「社会の中の学会、社会のための学会」を今まで以上に強く意識した活動を力強く展開していくことが求められています。改めまして、60周年を迎えましたことを会員の皆様と共に寿ぎたく存じます。

 

大阪大学 総長(一般社団法人情報処理学会 第29代会長)

西尾章治郎

西尾章治郎
略歴

1975年京都大学卒業。 1980年京都大学大学院博士後期課程修了(工学博士)。 京都大学助手等を経て、1992年大阪大学教授、2015年8月から現職。 専門はデータ工学。 IEEE Life Fellow。 本会フェロー、名誉会員、功績賞受賞、理事(1998年度-1999年度)、副会長(2012年度-2013年度)、会長(2017年度-2018年度)。 紫綬褒章受章、文化功労者。





お問合せはこちら