祝辞

萩生田光一(文部科学大臣)

一般社団法人情報処理学会の創立60周年を心からお喜び申し上げます。

我が国の科学技術の振興に大きく貢献し、着実に成果を上げてこられた情報処理学会のこれまでの60年にわたる取組に敬意を表します。

また、今般の新型コロナウイルス感染症の流行に際し、人々の活動が制限される中で、教育や研究をはじめ、社会の様々な活動の継続に、情報処理分野の研究成果が大きな役割を果たしてきております。皆様の御尽力に感謝申し上げます。

さて、今後のポストコロナ社会に向けて新たな生活や活動への変革が求められる中で、その基盤となる「社会のデジタル化」は、極めて重要な課題のひとつであり、教育や研究活動もまた例外ではありません。

デジタル化を通じて、オンライン教育はもとより、教育・学習に関するデータの解析・活用を通じて教育の質の向上を図っていくことが極めて重要です。また、研究に関しても、研究設備のリモート化やスマート化によって、研究者それぞれの状況に応じた多様な研究スタイルの追求が可能になるのみならず、データ駆動型研究など、新たな科学的手法による科学自体の発展も大いに期待されています。そして、これらの鍵となるのが、データであり情報処理技術です。

情報処理技術は、それ自体が急速に発達している技術であると同時に、社会のあらゆる分野を支える基盤技術としての役割も有しております。

文部科学省といたしましても、今後の社会発展の基礎となる情報処理分野の研究開発の推進と人材育成、そして、その成果の多様な分野での活用促進に向けて、今後とも取り組んでまいります。

今後のポストコロナ社会における新たな生活や活動を情報処理技術で切り拓いていただくべく、貴学会の今後の一層の御発展と、学会員の皆様方の御活躍を祈念いたしまして、お祝いのメッセージとさせていただきます。

 

2020年11月吉日

文部科学大臣

萩生田光一

萩生田光一

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