日本将棋連盟と情報処理学会との対戦の覚書

 日本将棋連盟と情報処理学会はプロ棋士とコンピュータの対戦が円滑に進むように相互信頼の原則に基づいて以下の通り対戦を実施することとする。

2010年8月17日
社団法人    日本将棋連盟  中川 大輔
一般社団法人  情報処理学会  松原  仁


0)原則
 日本将棋連盟と情報処理学会側双方から立会人を出し、対戦において何らかの問題が生じた場合は協議のうえ解決するものとする。但し日本将棋連盟側はコンピュータ将棋に関する技術的アドバイザーも協議に参加することとする。
 2010年10月11日の対局では将棋連盟側は「日本将棋連盟米長邦雄会長」、情報処理学会側は「松原仁トッププロ棋士に勝つためのコンピュータ将棋プロジェクト副委員長」、連盟側の技術アドバイザー「柿木義一氏」とする。

1) 対戦条件
 持ち時間は各3時間で、それがなくなったときは1手1分とする。なお時間の計測はチェスクロックとする(1分以内もカウントする)。先手後手は振り駒によって決定する。コンピュータ側はコンピュータの入出力の時間を考慮して思考時間を短めに設定するが、入出力の遅延による影響については常識の範囲内で許容するものとする。

2) コンピュータのトラブルについて
 予期しないコンピュータ側の誤動作についてはできる限り対局を再開する方向で進める。その際に将棋連盟側の了解を得た上で人手の介入をする場合がある。

3)千日手・持将棋について
 開始3時間未満の千日手・持将棋については、30分の休憩の後、先後を入れ替えてその場で再戦・再開するものとする。その場合、持ち時間は、残り時間1時間未満を切り上げるものとする。
 開始3時間以上後の千日手・持将棋については、当日の対戦は引き分けとする。再戦についてはその有無を含めて日本将棋連盟と情報処理学会で協議の上で決めることとする。

4) 持将棋の判断について
 持将棋は24点法で計算する。コンピュータの持将棋についてはコンピュータ側の代表の人間(中島秀之トッププロ棋士に勝つためのコンピュータ将棋プロジェクト委員長)が判断を代行する。

5)コンピュータ側の投了について
 コンピュータ側はコンピュータ側代表の人間あるいはコンピュータが投了する。

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