イベント企画
メタバースの社会実装とサイバーワールド
9/15 13:10-15:40
第2イベント会場
【セッション概要】 社会において多くのデータを収集蓄積し、これらのデータを掛け合わせながら分 析したりすることで、過去のデータから未来を予測する、判別するなどのAIの活 用が当たり前になってきた。また、デジタルツインは、これらのデータを用い て、仮想世界の中に現実世界を反映させた建物や機械など試作品を作り、分析 し、また改善させて試作をするといったサイクルがおこなわれている。この仮想 空間で行うシミュレーションをしたりとしたデジタルツインを踏まえ、現実世界 を反映させた仮想空間に現実世界の物理、経済、社会、生物、知能、物運動など の各法則を反映し、ミワーワールドをつくり、そのミラーワールドを反映させた メタバースの研究や取り組みは計算機科学の進化と情報学の発展などから新しい 局面になってきている。
このミラーワールドのメタバースだけでなく、現実世界とは違う別の創造した世 界を仮想空間につくり、現実世界との補完や現実世界を取り込んだ新しい世界を 構成するメタバース、現実世界と連携しない自身が違う世界へ入り込む創造世界 のメタバースといったものなどから、人々が仮想世界を利活用するメタバースの 活用が注目されてきている。
そこで、メタバースを社会実装して社会でどのように活用していくのか、さらに は、メタバースから現実世界への反映ができるのか、メタバースを含めた新しい サービスの創出や仮想空間の利活用の再構築はどうするのかなど、人間の営み が、現実世界から仮想世界、仮想世界から現実世界への新しい仮想世界との付き 合い方が求められていることから、メタバースと社会実装と題してサイバーワー ルドの視点から考えていきたい。
13:10-13:20 講演(1)/司会 メタバースの社会実装とサイバーワールド
岡田 忠(鹿島情報技術研究所 主席研究員/SocioInfo 主宰)
【概要】 本企画では、メタバースの社会実装と題して、各ご講演者からお話を伺います。 仮想空間での活用だけではなく、現実世界(リアルワールド)との連携や社会実 装についての企画趣旨を説明する。
【略歴】 1971年(昭和46年)、茨城県鹿嶋市生まれ。茨城大学大学院 理工学研究科 情 報・システム科学専攻 博士後期課程単位取得退学。情報保全、危機管理、災害 リスク、リスクコミュニケーション研究、人工知能、セマンティックウェブ、ナ レッジグラフ、オントロジー、サイバーセキュリティ、GEOINT、テロ対策、国際 テロ。パケット解析、Linuxを用いたシステムに関する評価、検証、システム構 築。LinuxPCに関する評価、検証、システム構築及び推進、Linux・OSSの実証実 験プロジェクトマネージメントなど。最近では新規事業創出,DX,スマートシ ティ,スマートエネルギー,脱炭素などのコンサルティングや調査研究など従事。
委員として、2006年から日本OSS推進フォーラム デスクトップ部会 メンバー、 クラウド技術部会 副部会長兼チーム2リーダ、技術部会 データ利活用WG 主査。 国際情報化協力センター(CICC)アジアOSS普及推進小委員会委員。電子情報通信 学会サイバーワールド研究会専門委員。2014年デジタル・フォレンジック研究会 日本語処理解析性能評価分科会、医療分科会、DF人材育成分科会委員。サイバー 防衛部会 課題検討整理分科会主査。いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ 大会つくば市実行委員会 常任委員、競技委員。
研究会・勉強会 デジタルフォレンジック研究会 、社会情報学勉強会 SocioInfo/安全保障勉強会 SecInfo主宰。OSS、情報セキュリティ、IT農業、ス ポーツIT、等。クライシスマネージャ、第二種電気工事士など
所属学会、情報処理学会、日本リスク学会、日本国際情報学会、戦略研究学会
13:20-14:20 講演(2) スマートシティとメタバースの融合
三宅 陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス AI部 ジェネラルマネージャー)
【概要】 スマートシティには「都市データの集積」と「都市そのものを人工知能とする」2つの方向が存在する。都市のデジタルツインとしてのメタバースに、都市のデータを集積することで、メタバースを通じた都市のより正確なシミュレーションを行うことが可能となる。また、都市全体を統治するメタAIは、そのようなメタバース上のシミュレーションを用いて都市の未来を予見し、都市を生きる人々の生活の質を向上させる意思決定を行うことが可能となる。また都市の中で活動するドローンやロボットも、メタバース内のデジタルツイン都市データ上のシミュレーションによって、より賢い行動を生成することが可能となる。このようなメタバースとスマートシティの融合による相乗的効果について解説を行う。
【略歴】 ゲームAI研究者・開発者。京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。博士(工学、東京大学)。2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授、九州大学客員教授、東京大学客員研究員・リサーチフェロー。情報処理学会ゲーム情報学研究会運営委員、人工知能学会編集員会副委員長、日本デジタルゲーム学会理事、国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会設立(チェア)。『大規模デジタルゲームにおける人工知能の一般的体系と実装 -FINAL FANTASY XVの実例を基に-』にて2020年度人工知能学会論文賞を受賞。単著に『人工知能のための哲学塾』『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『戦略ゲームAI解体新書』(翔泳社)、『人工知能の作り方』『ゲームAI技術入門』(技術評論社)、『人工知能が「生命」になるとき』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)、『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ出版)、『<人工知能>と<人工知性>』(iCardbook)など。共著も多数。
14:20-15:00 講演(2) メタバース地球科学ミュージアムの現状(仮題)
芝原 暁彦(地球科学可視化技術研究所 所長/福井県立大学 客員教授)
【概要】 化石や地層を研究する地球科学の分野においては、過去数十年間にわたって研究成果のデジタル化が積極的に行われてきた。また近年ではCTスキャンやレーザー計測を活用した標本の新たな解析方法も確率されつつある。さらに化石発掘の基礎情報となる地形図や地質図類はオープンデータ化され、野外調査で活用されている。
 こうした環境は研究だけでなく、博物館展示などにも大きな影響を与え始めている。例えば著者の所属する地球科学可視化技術研究所では、オープンデータを活用して3D造型した精密な立体地形図上に最新の研究成果をプロジェクションマッピングしたり、フォトグラメトリで三次元計測した地層をメタバース内に設置したりなどの展示開発を行っている。
 さらに2020年からは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い博物館が一時的に閉鎖となるなか、メタバース内に恐竜や地球科学をテーマとした「メタバース地球科学ミュージアム」を開設し、博物館展示を継続させた。これらの最新状況についても報告する。
【略歴】 古生物学者。博士(理学)。18歳から20歳まで福井県の恐竜発掘に参加し、その後は北太平洋で微化石の調査を行う。筑波大学で博士号を取得後は、(国研)産業技術総合研究所の地質標本館で化石標本の3D計測やVR展示など、地球科学の可視化に関する研究を行う。2016年には産総研発ベンチャー「地球科学可視化技術研究所」を設立。「未来の博物館」を創出するための研究を続けている。2017年より東京地学協会、日本地図学会の各委員を兼任。2019年より恐竜学研究所(福井県立大)の客員教授を、また2021から同大学の客員教授を兼務。また「ウルトラマンデッカー」の地学監修、「日本沈没-希望のひと-」の地図監修などを行う。
著書に「化石観察入門」(誠文堂新光社)、「特撮の地球科学」(イースト・プレス)ほか。
監修書に「世界の恐竜MAP」(エクスナレッジ)、「古生物のしたたかな生き方」(幻冬舎)ほか多数。
15:00-15:40 講演(3) メタバースにおけるユーザーエクスペリエンスの課題
行田 尚史(株式会社テレビ東京コミュニケーションズ プロデューサー/クリエイティブディレクター)
【概要】 2030年までには220兆円規模に達するとも予測される「メタバース」。
数多くの経済、報道メディアでメタバースについての可能性が取り上げられ、技術の発展や市場予測が活発ですが、「毎日のように使って恩恵を受けている!」と断言できる方(いわゆる“社会実装”)はまだまだ少ないはずです。
米メタ社のメタバース部門が22年第2四半期3800億円の赤字を出したように、技術とサービス化には大きな隔たりがあります。
ユーザーが「メタバース」を実感するためのサービス設計をデザイナー目線で今一度整理します。
【略歴】 株式会社テレビ東京コミュニケーションズ プロデューサー兼クリエイティブディレクター
主にテレビ東京の経済系の配信番組のプロデューサーを務める。
テレ東BIZ「SURVIVE2030」「セカイ経済」プロデューサー。
日経テレ東大学ではクリエイティブディレクターとして、ユーザー設計/クリエイティブを担当。
ユーザー登録60万人を達成。
ドワンゴ (2016~2018) HONDA×初音ミク キャラクターAI企画ディレクション
コインチェック(2014~2016) デザイナー 前身のレジュプレス時代から初期のデザインを担当
Eyes, JAPAN(2011~2015) 原子力災害情報アーカイブ構築、モバイルアセスメントシステムデザイン設計など災害医療のデザイン設計を担当