抄録
K-031
弱視者のオブジェクト認識に有効な視感測色の検討
巽 久行(筑波技術大)・村井保之(日本薬科大)・小林 真・関田 巌・宮川正弘(筑波技術大)
本研究は,弱視者の色度弁別能力を分析するための新たな視感測色手法を構築することを目標としている。弱視の視認において,空間内での色差の視感を評価することは,彼らの許容限界色度を考慮する上で大切である。即ち,事前に色差を分析することで,物体色を感知しやすい光源色で分光分布させることや偏光効果を与えることにより,弱視の視認を向上させる支援を画像処理で行うことが可能となる。具体的には,マクアダムの色弁別楕円をもとに,弱視者の視線追跡データから推測された個人ごとの色弁別楕円を定義し,その色弁別楕円群の分布結果から弱視でも色差を感知できる色度座標上での色変換を考察する。