抄録
IA-001
TorusE: Knowledge Graph Embedding on a Lie Group
蛭子琢磨(総研大/NII)・市瀬龍太郎(総研大/NII/産総研)
知識グラフは、現実世界の知識をコンピュータが読み取りやすい形で記述する一つの手段である。最近、様々な知識グラフが開発、公開されており、いろいろなシステムに応用されている。しかし、例えば、DBpediaやYAGOといった知識グラフは、膨大な量の知識を含んでいるにもかかわらず、多くの知識が欠落している。それらを人手で補完することは現実的ではないため、それを自動的に行うモデルが開発されてきた。
現在主流のモデルは、知識グラフをベクトル空間に埋め込むことで、知識グラフから特徴を抽出し、それを用いて新しい特徴を予測するものである。そういったモデルの一つであるTransEは、埋め込みの際に用いる"原理"と埋め込みの発散を防ぐための"正則化"が両立しない問題を抱えていた。
本研究では、埋め込み空間を従来の実ベクトル空間からリー群であるトーラスに変更することにより、従来の問題点の解決を試みた。