抄録
H-006
差分輝度値の確率密度分布を用いた火星塵旋風の自動検出
矢島一輝・小郷原一智(滋賀県大)
火星のダストデビル(塵旋風)は,地表から巻き上げられたダストが渦状に立ち上がる現象である.火星探査時の防災や,火星の大気運動の理解のためにはダストデビルの統計的な性質を把握することが必要である. 着陸機が撮影する画像に映る大部分の領域は遠方であり,その中の大多数のダストデビルは必然的に画像上で小さく写る.そのため,画像上の微小なダストデビルを検出できない限り,ダストデビルの統計的な性質を得ることは困難である.本研究では微小なダストデビルの輝度値に着目し,同程度の輝度値が集合している領域がダストデビルと視認されるという仮定に基づき,差分輝度値の確率密度分布を用いることによって自動検出を行う手法を提案する.