抄録
G-005
脳波を指標とした運転熟練度の評価に関する検討
丸野達也・後藤祐哉・稲垣圭一郎(中部大)
運転時には,認知・判断・操作に関する情報処理が脳で行われている.このとき,同じ運転という動作時においても人によって,認知・判断・操作には違いがある.こうした差異は,運転習熟度によるものが大きいと考えられる.したがって,運転時における運転熟練度と脳活動の関係を明らかにできれば,ドライバの誤認や操作ミスなどの事故防止の運転支援へ使用することができると考えられる.本研究では、車両運転時を想定した脳波を計測し,運転習熟度と脳波の関連性を評価する.運転習熟度の異なるドライバの脳波を異なる運転シーンにおいて計測し,α波やβ波などの脳波帯域と運転熟練度の関連性を評価したところ,熟練者のほうが初心者よりもα波が多く発生し,さらにβ波が少なくなることが確認され,脳波が運転習熟度に関する一指標になりうることを示した.