抄録
G-004
スパースモデリングに基づく神経ネットワークの構造推定
政廣 蓮・大森敏明(神戸大)
近年,計測技術の発達に伴い,多数のニューロンの神経活動が同時に観測できるようになりつつある.このような新しい計測技術により得られる観測データから,その背後にあるネットワーク構造を抽出する方法の確立が望まれている.

本研究では,計測データからの神経ネットワークの構造推定を実現するアルゴリズムを提案する.まず,非線形型の微分方程式に従う神経細胞モデルからなる神経ネットワークを構成し,次に,実際の神経回路がスパース性を持つことを考慮し,興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの両方を有する神経ネットワーク構造のスパースモデリングを構成することで,計測データからのネットワーク構造の抽出を実現する.従来法では,実際には存在しないネットワーク結合が多数抽出されてしまうのに対し,提案法では,スパース性を導入することで不必要な結合をゼロとし,本質的な結合のみの抽出を実現できることを示す.