抄録
F-003
群れ行動と縄張り行動の相転移モデル
澤田 樹・松本倫子・吉田紀彦(埼玉大)
近年,生物集団の知的な振る舞いに着想を得た数理モデルが数多く提案されている.
その例として,群れの数理モデルとしては群知能が,縄張りの数理モデルとしては被覆制御が挙げられる.
群れと縄張りの数理モデルの間にはいくつかのアナロジーを見出すことができるが,従来の研究では,群れ行動と縄張り行動は異なる現象として扱われ,個別にモデリングされるに留まっている.
本研究では,周囲の個体数密度に応じて群れ行動と縄張り行動を切り替える魚類の事例をヒントに,これらの行動が,個体数密度のような環境的変数による相転移現象として扱えるような自己駆動粒子モデルを提案する.