抄録
E-032
合成波形の振幅誤差を最小化する回帰型WaveNetの提案
那須野僚輔・荒井秀一(東京都市大)
音声信号処理では音声を周波数領域でモデリングするのが一般的だが, 近年, 信号波形を直接モデリングするWaveNetが提案され, 様々な分野に利用されつつある. WaveNetは信号の振幅値をクラスとして扱い, ネットワークをクラス分類器として構成している. WaveNetを利用した研究の中に信号の帯域拡張や音声強調を目的としたものがあるが, これらの問題に対しては, 振幅をクラスとして扱うのではなく振幅の誤差を考慮した回帰モデルが適していると考えた. 本稿では, WaveNetを元とした回帰モデルアーキテクチャを提案し, 信号の帯域幅拡張を例に,従来のWaveNetと提案法を比較する.