抄録
E-028
高齢者を対象とした音声解析による健常者と認知症患者の識別
宮川 大・花沢明俊(九工大)
本論文では、音声のみで認知症患者の早期発見につながるようなシステムを提案する。提案手法としては、音声解析によって音声信号の特徴を捉え、分類器で認知症患者を識別することである。特徴量抽出手法としてメル周波数ケプストラム解析(MFCC)と線形予測(LPC)分析を採用した。この2種類の手法が高齢の認知症患者と健常者の音声による識別に有効な手法であるかをSVMによって検証した。その結果MFCCでの識別精度は97.3%、LPC分析での識別精度は99.8%となった。この結果から、2つの手法は非常に有効であり、特に認知症と健常者を識別する際にはLPC分析で扱うフォルマントに関する特徴量が有効であることがわかった。