抄録
E-018
漸進的な言語処理のための残存文長の推定
河村天暉(電機大)・大野誠寛・松原茂樹(名大)
同時通訳や字幕生成,入力予測などのリアルタイム言語処理システムでは,
入力に対して漸進的に処理を行う必要があり,
処理の正確さを保ちつつ,遅延時間を抑えることが求められる.
このような処理を実現するにあたり,
意味的なまとまりをもつ文が今後どれだけ続くかという情報は,
重要な手がかりとなりうる.
そこで本稿では,文節が入力されるごとに残存文長を推定する手法を提案する.
本手法は,入力済みの文節列から得られる情報をもとに,
文の残りの長さが,1文節,2~3文節,4文節以上,のいずれであるかを判定する.
新聞記事文を用いた実験の結果,本手法の正解率は,chance rateを上回っており,
その実現可能性を確認した.