抄録
D-016
行ロックによるSQLiteの同時実行性を向上させる手法の提案
片山大河・金松基孝(東芝)
リレーショナルデータベース管理システムのひとつであるSQLiteは、複数ユーザの更新による一貫性を保つためにテーブルロックを採用している。複数ユーザが同一テーブル内の異なる行を更新しようとした場合、一方は他方のトランザクション終了後でないと更新クエリがエラーで実行できない。そこでロック範囲を行単位に緩和することで同時実行性を向上させる手法を提案する。SQLite本体を修正して、ユーザごとに行ロック情報とトランザクション中の変更データを保持できるようにした。またAPIはSQLiteから変更がなく、SQLiteと同様の使用方法で利用できるように実現した。