抄録
CO-005
犯罪発生履歴データの機械学習による時空間カーネル密度推定型犯罪予測の最適化
中川淳子・小西勇介・宮野博義(NEC)
犯罪予測とは、犯罪の発生履歴データから近い将来の犯罪発生場所を予測する技術で、警察のパトロールで利用が始まっている。本稿では、犯罪発生場所の予測値を発生履歴データから時空間カーネル密度推定で求める発生件数の密度分布の高密度エリアとし、パトロール可能な面積における予測値が最大となるように、カーネル関数の最適バンド幅を機械学習で推定する手法を提案する。これにより、従来手法で必要だった犯罪学の知見に基づく統計量選択やパラメータ設定が不要になる。米国司法省の公開データで実験した結果、提案手法で得られた罪種毎の最適バンド幅の傾向は犯罪学の知見と合致しており、提案手法の犯罪予測への有効性を確認したといえる。