抄録
CH-001
見失いに頑健な検出混合型PTZ追跡システム
小川拓也・比嘉恭太・谷内田尚司・柴田剛志(NEC)
本論文では、不審者等の監視を目的として、見失いに頑健な検出混合型PTZ追跡システムを提案する。PTZ追跡とは、カメラの向きやズームを制御し、特定の追跡対象を画角中心に捉え続ける技術である。従来のPTZ追跡システムは、事前に対象を画角中心に捉えておく必要があった。しかし、対象が移動している場合、手動でカメラを制御し画角中心に対象を捉えておくことが非常に困難なため、追跡を開始できず実用性に難があった。また、元来追跡技術には、対象に急激な見えの変化や遮蔽が発生すると見失い、以降追跡できない課題があった。そこで我々は、システムの実用性を向上させるため、画角内の監視対象物体を検出し、その中から追跡対象を選択することで、追跡開始を可能にした。また、対象の見失いを軽減するため、追跡と並行して適応的に物体検出を行い、急激な見えの変化や遮蔽に対応した。ライブ映像実験の結果、画角中心外を移動中の対象であっても正常にPTZ追跡を開始できたこと、対象に急激な見えの変化や遮蔽があってもPTZ追跡を継続できたことを確認した。