抄録
CG-001
ウシの健康管理における心拍変動解析の意義
湯田恵美(名古屋市大)・矢用健一(農業・食品産総研)・早野順一郎(名古屋市大)・荻野紀美(茨城大)
畜産現場において、農家数の減少と飼養頭数の増加に伴って、頭数あたりの従事者の少人数化が進む中、家畜の健康状態の把握や疾病の早期発見が困難な状況となっている。そこで、家畜の生理学的指標や行動学的指標をセンシングし、人工知能を活用して異常を早期に発見する試みが行われている。しかし、家畜に対する多数のセンサの装着やその管理は飼育者と家畜の双方にとって大きな負担となることから、最小限度のセンサからの信号で必要な情報を効果的に得る方法が望まれる。演者らはヒトの心拍変動の研究で、心拍信号のみから自律神経機能、呼吸、心肺休息度、睡眠段階、情動、健康リスクに関する情報を抽出する技術を開発してきた。そこで、これらの技術をウシの心拍情報に適用する事で、ウシの健康状態や疾病リスクなどの評価に有用な情報が得られるか否かを検討した。