CB-005
並列処理を用いた対話的多倍長演算環境MuPATの高速化

◎八木武尊・石渡恵美子（東理大）・長谷川秀彦（筑波大）

MuPATはScilabとMatlab上の対話的多倍長演算環境で，Double-Double(DD)演算とQuad-Double(QD)演算を用いて，4倍精度と8倍精度の演算を倍精度演算のみで実行する．DD，QD演算は10～600回以上の倍精度演算が必要なため，対話的な利用を想定したMuPATの高速化を行う．FMA，AVX2，OpenMPなどを用いて並列化し，ルーフラインモデルにより性能を評価した．4コアの環境でN=4096の行列積だと，並列化しない場合と，FMA，AVX2，OpenMPのすべて用いた場合の比較では，DD演算で17倍(ピーク性能の44%)，QD演算で16倍(同38%)の高速化となった．