抄録
A-023
パイ分割問題に対するカット数最小の無羨望メカニズム
梅田博之・浅野孝夫(Chuo Univ.)
 パイとは始点と終点を同一視した閉区間 [0, 1] であり,これをどのように分割し,参加者に割り当てるかを考える問題がパイ分割問題である.この問題に対し,Barbanel, J. B. らは参加者数を3人以下と制限すれば,無羨望性・カット数の最小性を同時に満たす分割を返すメカニズムを提案した.一方,類似問題であるケーキ分割問題に対し,Alijani, R. らは参加者数を制限することなく,上記二つの性質に加えて戦略的操作不可能性を同時に満たす分割を返すメカニズムを提案した(ただし,評価関数へ制約を加えている).本研究では後者の結果をパイ分割問題へ応用し,参加者数を制限することなく,3つの性質を同時に満たす分割を返すメカニズムを提案する.