イベント企画
東大・情報理工研究100連発 ~電子情報学専攻編~
9月12日(火) 9:30-12:00
第2イベント会場(2号館221号講義室)
【セッション概要】 電子情報通信学会設立100周年を記念して、FIT2017ホスト校である東京大学からFITと馴染みの深い情報理工・3専攻の若手を中心とした研究者が集結。これまでの研究から最新のトピックまで、1セッションで100個以上を一気に紹介し、情報理工分野の魅力を多面的に紹介するとともに、今後の情報理工分野の発展にむけた議論・提言などを行う。本セッションでは電子情報学専攻の研究者が研究成果を紹介する。
9:30-9:45 講演(1) オープニング
山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【略歴】 1999年東京大学工学部電子工学科卒業。2004年同大学工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。現在、同大学情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授。ビッグ・マルチメディア・データを用いた「魅力工学」という新たな分野を研究すると共に、物体認識、パターン認識、機械学習、3次元映像処理などに従事。
9:45-10:00 講演(2) 入江英嗣・研究10連発
入江 英嗣(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【概要】 従来の数倍の性能を目指すオリジナルCPU、アプリケーションプログラムの傾向解析やプロセッサ高速化手法、車載可能な運転姿勢検知器、盲導犬ドローン、ユーザの意図通りに連携動作するIoT機器などなど、研究中のテーマについてその最新成果と魅力を語ります。
【略歴】 2004年東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。独立行政法人 科学技術振興機構 博士研究員、東京大学理学部 助教、電気通信大学 大学院情報システム学研究科 准教授を経て、2015年より東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授。コンピュータ・システム、特に個々のユーザを支援するコンピューティングに興味を持ち、プロセッサ内部とヒューマン・コンピュータ・インタラクションの両面から研究を進めている。
10:00-10:15 講演(3) 梅舘拓也・研究10連発
梅舘 拓也(東京大学 大学院情報理工学系研究科 特任講師)
【概要】 ロボットの活躍の場は、工場からわれわれの日常生活や自然環境へと広がりつつある。そのようなダイナミックに予測不可能的に変化する環境下で、しぶとく、したたかに動くロボットを設計するには、生物に学ぶ必要がある。具体的には、生物のように柔らかい材料でロボットのボディを設計し、その大自由度を制御するために生物が採用している自律分散制御則を組み込む必要がある。本公演ではそのような生物模方型ロボットの具体例として、脳も神経も持たない単細胞生物の真正粘菌変形体から着想を得たアメーバ様ロボットSlimy、ボディのほぼ全てが柔軟素材で構成されているイモムシを模方したソフト・ロボットCaterpilikeを紹介する。
【略歴】 2003年名古屋大学工学部物理工学科卒業。2005年同大学工学研究科計算理工学専攻修了。2009年東北大学工学研究科博士。2012年より日本学術振興会特別研究員(PD、海外特別研究員)としてTufts Universityの生物学部に所属し、イモムシ(スズメガの幼虫)の動力学、神経生理の研究で高名なBarry Trimmer教授のもとで、イモムシ型のソフト・ロボットの設計・制御を研究。現在、東京大学大学院情報理工学系研究科特任講師、ERATO川原プロジェクトにてソフト・ロボットとIOTの融合に取り組んでいる。
10:15-10:30 講演(4) 落合秀也・研究10連発
落合 秀也(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
10:30-10:45 講演(5) 田浦健次朗・研究10連発
田浦 健次朗(東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授)
【概要】 私が学生時代から今に至るまで、自身および仲間(学生や共同研究相手)とやった研究(10連発)を紹介します。プログラミング言語処理系、並列処理、分散計算について、新しいシステム(言語、ライブラリ、ツール)を作り、ユーザに使ってもらえるレベルのソフトウェアとして配布することを目指してきました。
* どう始まったか: 並列オブジェクト指向言語 (ABCL)
* 高性能マルチスレッドライブラリ (StackThreads, MassiveThreads)
* 並列ガベージコレクション、分散ガベージコレクション
* 並列分散シェルGXP、並列分散make (GXP make)
* インスタント分散ファイルシステム(GMount)
* InTrigger: 日本中の大学をつないだ並列分散環境
* 応用・共同1 (並列自然言語処理、高速多重極展開法の並列化)
* 応用・共同1 (Chapel, SML#)
* 脇道: ACM ICPC 予選システム
* 進行中の研究
などについて紹介する予定です。
【略歴】 1992東京大学理学部情報科学科卒業。同専攻 修士課程、博士課程、助手、1999年7月-2000年6月 米国カリフォルニア大サンディエゴ校 客員研究者(在外研究員)などを経て、2001年東京大学大学院情報理工学研究科電子情報学専攻 講師。2015年より同専攻教授(現在に至る)。プログラミング言語、並列、分散処理、高性能計算の研究に従事。
10:45-11:00 講演(6) 鶴岡慶雅・研究10連発
鶴岡 慶雅(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
11:00-11:15 講演(7) 豊田正史・研究10連発
豊田 正史(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
11:15-11:30 講演(8) 長谷川禎彦・研究10連発
長谷川 禎彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【概要】 生物には、物理学にあるような統一的な理論があまりないように思えます。しかし、現存する生物は例外なく「進化」という過程を経ているため、全ての生物システムは環境に対して高度に最適化されています。生物システムには多くの「Why?」が存在しますが、その問いに対する答えを最適化の観点から導き出すことが出来るのではないか、というのが研究テーマの一つです。例えば、体内時計と呼ばれる生体振動子の最適設計原理を明らかにすることが出来ます。生体振動子は正確に振動するとともに、外部の周期振動に同期する必要がありますが、この二つの能力はトレードオフの関係にあります。これらの制約付き最適化から、現存の生体振動子を説明することが出来ます。また、細胞の情報伝達においても、最適性の条件から、現存のシステムの特徴を説明することが出来ます。
【略歴】 2003年東京大学理学部物理学科卒業。2005年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻修了。2008年東京大学大学院新領域創成科学研究科基盤情報学専攻修了。2008年東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命科学専攻・特任助教。2010年東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻・特任助教。2014年東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻・講師。2016年同准教授に昇任。
11:30-11:45 講演(9) 山口利恵・研究10連発
山口 利恵(東京大学 大学院情報理工学系研究科 特任准教授)
【概要】 インターネット・情報技術が普及すればするほど、情報セキュリティの問題がおきます。情報セキュリティ技術は、安全性の検討も大事ですが利便性も併せ持たなければ利用してもらえません。山口研ではライフスタイル認証と題して、ライフログデータを活用した個人認証技術を研究を行っています。今回は、ライフスタイル認証を紹介します。
【略歴】 2003年津田塾大学理学研究科数学専攻修士課程修了、2006年東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学博士後期課程修了。博士(情報理工学)。2006年4月独立行政法人産業技術総合研究所研究員、2007年11月~2011年3月内閣官房情報セキュリティセンター員兼務、2013年6月東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センター次世代認証技術講座特任准教授(電子情報学専攻兼担)、専門は情報セキュリティ、プライバシー保護。
11:45-12:00 講演(10) 山崎俊彦・研究10連発
山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
【概要】 深層学習,機械学習,統計処理,グラフ信号処理などを用いて「魅力」の予測・解析・増強を行っている。本講演では、プレゼンの解析、一般の人の記憶に残るCMとは、SNSで閲覧数を伸ばすタグ推薦、など幾つかの研究事例について一気に紹介する。
【略歴】 1999年東京大学工学部電子工学科卒業。2004年同大学工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。現在、同大学情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授。ビッグ・マルチメディア・データを用いた「魅力工学」という新たな分野を研究すると共に、物体認識、パターン認識、機械学習、3次元映像処理などに従事。