抄録
L-010
アモーダル補完を応用したCAPTCHAにおける文字認識攻撃への耐性評価に関する検討
上妻拓也・梅澤 猛・大澤範高(千葉大)
光学文字認識や機械学習の技術発展に伴い、ボットがCAPTCHAを突破する事例が増加している。本研究では錯視を文字型のCAPTCHAに応用することでボットを排除する手法について検討する。人間にはアモーダル補完によって認識可能な単一文字画像を作成し、SVMによる認識精度を調査することで耐性評価を行った。この結果、文字形状が一定で、攻撃者が文字列から単一文字画像を正確に切り出せると仮定したときの認識精度は90%以上となった。実用的な評価のためには、領域分割に起因する文字の位置のズレや、回転・歪みを含む文字形状の違いによる影響についても精査する必要があることが分かった。