抄録
I-011
量子化幅適応型ディープラーニングを用いたH.265/HEVC符号化雑音除去
神保 悟・王  冀・八島由幸(千葉工大)
近年,画像処理の様々な場面にディープラーニングを応用する動きが広っている.その一つとして,ディープラーニングを用いて画像符号化時に発生した雑音を除去する手法が提案され,優れた効果を示すことが確認された.そこで,符号化時に雑音を含んだ画像を入力すると,雑音を含んだ画像と原画像との差を出力するように訓練したCNNに対し,様々な量子化パラメータ(qP)で符号化した画像を用いて訓練を行ったところ,異なるqPで符号化した画像で訓練を行ったCNNの出力には相関関係があり,それぞれのqPで符号化した画像と原画像の誤差絶対値和(SAD)の比と一致することが確認された.この結果から,CNNの出力に対してSADの比を乗算することで,ブロックごとに異なるqPで符号化された画像に対して効果的な雑音除去を行う手法を提案する.