抄録
H-016
蛍光物体のモデリングとその任意照明下画像の生成・編集への応用
北原雅啓・岡部孝弘(九工大)
蛍光成分は,吸収した光よりも長い波長の光を放射するという特徴があり,身の回りの様々な物体に含まれている.本稿では,光源色の異なる画像を解析する分光イメージングと光源方向の異なる画像を解析する照度差ステレオを組み合わせて,多波長・多方向光源下の画像から,蛍光成分を含む物体の分光特性(分光反射率,蛍光吸収スペクトル,および,蛍光放射の色度)と法線の両方を推定する手法を提案する.また,提案手法により分光特性と法線の両方を推定することで可能になる応用として,空間分布も分光分布も任意の照明環境における写実的な画像を生成する.さらに,蛍光吸収スペクトルや蛍光放射の色度などの分光特性を編集して画像を生成することで,蛍光物体画像の質感を制御する.