抄録
H-005
良品サンプルのみを学習したStacked Autoencoderによる異物検知方式の考察
秋山達勇・西脇大輔(NEC)
フードディフェンスへの意識の高まりにより食品製造工場における異物検知へのニーズが高まっている.異物のバリエーションは大きい一方で,製造工程において異物が混入する頻度は低いため,画像認識技術を異物検知に適用する際には,異物サンプルが十分集まらないことが課題となる.本論文では,良品サンプルは大量に収集できる前提で,良品サンプルのみから画像を低次元特徴空間にマッピングする関数をStacked Autoencoderの学習で求め,未知のテストサンプルが正常であるかを判定する方法に着目する.テストサンプルと近傍n個の学習サンプルとの距離を用いることで,未知の異常サンプルと学習サンプルとの間に分布の重なりがある場合でも,精度のよい判定が可能となることを,MNIST手書き数字データの1字種を正常,それ以外の字種を異常と見立てた評価で,実験的に確認した.