抄録
G-007
スパースモデリングに基づく神経細胞非線形ダイナミクスの推定
大塚慎也・大森敏明(神戸大)
計測技術の発展により,神経活動データの精緻な測定が可能となりつつある.しかしながら,神経細胞の非線形ダイナミクスを支配する非線形膜電流には,多数の候補が存在するため,計測データに内在する重要な因子を抽出し,神経システムの非線形ダイナミクスを抽出する方法の確立が望まれている.

本研究では,計測データからの非線形ダイナミクスの抽出を実現する新たなアルゴリズムを提案する.多数のイオンチャネルを導入した非線形微分方程式として,神経細胞を数理モデル化した上で,神経細胞ダイナミクスのスパースモデリングを構成し,神経細胞における多数の非線形膜電流の候補からの抽出を実現する.提案法により,計測データにおいて,部分的にのみ観測される雑音が重畳されたデータからの非線形ダイナミクス抽出が実現されることを示す.