抄録
CN-004
採点ミス発見支援システムの開発Ⅱ ~汎用性を向上させる処理部の導入~
三上徹朗・松尾賢一・西川雅清(奈良高専)
本論文では,以前に開発した採点ミス発見支援システムの性能向上への改良ならびに汎用性を高める新たな認識処理部の追加導入について述べる.本システムは,採点された答案から単一の手書き採点記号と部分点の両者に認識処理し,その認識結果間の整合性から採点ミスの有無を採点者にフィードバックする機能をもつ.以前のシステムでは,認識処理部の辞書作成での被験者数が少なく,不特定多数への性能評価が未確認であった.また,実答案でよく見られる自由書式であり,接触・重畳した採点記号に対する処理への対応が不十分であった.本論文の中で,被験者を増やして得られた汎用辞書・個人辞書の導入による認識精度の向上,ならびに,採点記号の時系列の筆跡情報を取得可能なオンライン処理部の追加導入によって,本システムの性能向上と汎用性を高めることを目的としている.