抄録
CL-005
排他的論理和を用いた消失訂正符号に基づく条件付き閾値秘密分散
今井淳太・三村 守・田中秀磨(防衛大)
 排他的論理和を用いた消失訂正符号の技術に基づく、条件付きしきい値秘密分散の構築方法を提案する。ここで、条件付きとは、秘密情報のシェアを配布する各メンバー間に重みをもたせることである。簡潔な方法として、重要なメンバー(VIP)に複数個のシェアを渡すことで実現できるが、シェア数により、各メンバーは自分がVIPであるかどうかを知ることが可能となる。これにより、結託攻撃の実現が容易になる問題が生じる。本稿では、秘密情報のシェア自体に重みをつけ、誰がVIPに選ばれているかをメンバー間で知ることを不可能にする。このシェアの重みの生成に、消失訂正符号の1つであるチェーン符号を応用する。