抄録
CI-002
レイヤ型Light Field Displayにおけるレイヤ高解像度化の効用
小林優斗・高橋桂太・藤井俊彰(名大)
Light field display は,方向に依存して視差のある画像を表示することで3次元空間を知
覚させる.中でも,レイヤ型は,液晶パネルのような透過率を制御できる素子を複数積み重
ねた構造(レイヤ構造)により,角度に依存した表示を実現する.レイヤ型は,light
field displayの他の方式(レンチキュラ,パララクスバリア)と比較して,各視点の解像
度と視点数の両立が可能な優れた方式である.
しかし,レイヤ型にも限界があり,特に,表示される物体がディスプレイ面から前後に飛び
出すほど,ボケて表示されるという問題がある.
そこで,レイヤ型において,より高解像度(画素が細かい)のレイヤを使うことを考える.
すなわち,従来はレイヤの解像度は,表示する各視点の画像の解像度と同一であったが,本
研究では,縦横に数倍の解像度をもつレイヤを用いる.この高解像度化により,飛び出した
被写体の鮮明度が改善されるのみならず,light field全体の表示品質が向上することを,
実験的に確認した.