抄録
CH-008
極小IDマーカー「mIDoT(マイドット)」の自動付与による大量生産電子部品の個体識別
工藤佑太(NEC)・Zwaan Hugo・Seuren Stijn(デルフト工科大)・高橋 徹・石山 塁(NEC)
mIDoT(マイドット)は,ラメ粒子入りのインクで書いた点(ドット)に含まれる粒子の分布パターンをカメラで拡大撮影することで,個々のドットを識別IDマーカーとして用いる手法である.小型の電子パーツなど,スペースがなくマーキングできないモノの個体識別に有効であるが,実応用には大量生産される部品へドットを付与する自動化が必要である.これまでに,ペンを用いて1点ずつ手動で付与した場合に,十分な識別精度が確認されている.しかし,自動化によって,手動によるゆらぎのない均一なドットを付与した時の識別精度は評価されていなかった.本論文では,ペンを一定の強度・向きで機械的に動かす直動機構を試作し,ドットを自動付与した場合の識別精度を検証する.平板に付与したドット1350点を用いた実験結果から,自動付与された均一なドットも全個体を誤りなく識別でき,十分な識別精度が保たれることを示す.