抄録
CA-004
異質なデータを統合した敗血症患者の転帰予測システム
石塚治也・石垣 司・小林直也・工藤大介・中川敦寛(東北大)
敗血症は臓器不全を伴う感染症であり, 死亡率が極めて高く,重症化しやすい患者を早期に予測する事は高い臨床的意義を持つ.本稿では電子カルテから得られる重症度スコア,バイタルサイン,看護記録を組み合わせた敗血症患者の転帰予測システムを提案する.提案システムは二つの段階から成り立つ.第一段階で特徴量抽出として,重症度スコアの計算,Switching AR Model を用いたバイタルサインの状態比率抽出,潜在的ディリクレ配分法を用いた看護記録のトピック比率抽出を行う.第二段階でその三種類の変数を用いてサポートベクターマシンの学習を行う,集中治療室の実データを用いた実験により,提案システムは既存手法や看護記録を用いない手法と比較して,より正確に患者の転帰を予測できる事を示す.