抄録
A-011
構造類似性の列挙問題
王 叡鵬・原口 誠(北大)
本研究報告ではイベント記述からなる対象を複数個与え,抽象的・
一般的な記述を抽出する問題について論じる.対象が物語や記事な
どの場合は,いわゆる複数文書要約技法により各対象文書に共通な
記述を抽出する問題としてとらえることも可能ではある.要約は一
般にできるだけ大多数のユーザにとって意味のある共通性に着目し,
それゆえに,評価関数に照らしてより最適性を持つ解を導出する研
究が多い.本研究では,共通性の根拠となる類似性はそもそも立場
や視点から多様であり,最適化ではなく類似性基準に制約されたグ
ラフマイニングの問題として考え,制約を満たし,かつ評価におい
ても一定の品質を持つ「要約」を列挙する手法を与える.