抄録
A-009
知覚・認知・行動特性と作業経験に着目したピッキング作業熟達過程のモデル化
太田大智・中平勝子・北島宗雄(長岡技科大)
本稿では,職能開発の例としてピッキング作業を取り上げ,その熟達過程を作業員の知覚・認知・行動特性に基づき,作業経験を次の作業にフィードバックするモデルを構築する.作業員のすべての経験は,知覚・認知情報およびその時にとった行動とともに長期記憶に蓄積される.ある時点における作業員の知覚情報を長期記憶内の情報と照合し,過去の作業に基づいた作業員ごとの最適な行動を決定する.長期記憶内の情報は,照合・行動選択回数が多い情報ほど,照合速度が上がり,知覚情報との連動もより強固になる.一連の過程を繰り返し行われる作業経験の結果であると捉えることで,作業員の熟達度や環境適応度を指標化可能とする.