情報処理学会は2010年2月に「情報処理学会デジタルプラクティス」を創刊しました.創刊時の巻頭言には,趣旨として以下のように記載があります[1].
実務の現場でのIT実践から得られた知識や経験をお持ちの皆様からの投稿論文を広く受付け,成果発表する場を提供します.
情報処理学会デジタルプラクティスは,この趣旨に基づいて,読者に大変有益な情報処理技術の様々なプラクティスをお届けしてきました.情報処理学会デジタルプラクティスは,編集委員会にて筆者を選定し執筆を依頼する招待論文と,筆者が投稿し査読の結果に基づいて採録が決定される投稿論文から構成していました.そのため,筆者にとっては,査読された論文であるかどうかが分かりにくいという問題がありました.そこで,この問題を解決するために,2020年度に,情報処理学会デジタルプラクティスを改め,投稿されて査読された論文だけを掲載する「論文誌デジタルプラクティス」と,ワーキンググループにて執筆を依頼した招待論文を掲載する会誌デジタルプラクティスコーナーに分離しました.論文誌デジタルプラクティスは,研究会論文誌(トランザクション)[2]として創刊されています.
分離された論文誌デジタルプラクティスでも,分離前の趣旨と方針は継続して採用しています.すなわち,「実務の現場でのIT実践から得られた知識や経験をお持ちの皆様からの投稿論文を広く受付け,成果発表する場を提供」しています.
論文誌デジタルプラクティスでは,採択する論文の基準としては,以下の知見(knowledge)を表現した論文としています.
この基準は分離前の情報処理学会デジタルプラクティスの時代に定めていましたが,分離後も論文誌デジタルプラクティスでも継承しています.
論文誌デジタルプラクティスでは,一般的な論文を募集するだけではなく,特定のテーマに限定した特集を企画して募集しています.その特集には,会誌デジタルプラクティスコーナーと連動した場合と,情報処理学会の研究会から提案された場合があります.特集の内容によってはその特集のための特別な編集委員会を編成する場合もあります.
投稿された論文は,原則として,編集委員会を構成する編集委員がメタ査読を担当し,そのメタ査読者が2名の査読者を選出して査読しています.
また,情報処理学会の研究会やシンポジウム等からの論文の推薦も受け付けています.推薦された論文の筆者に投稿を依頼し,投稿された場合には推薦された委員会が指定した方にメタ査読を担当していただき,通常と同様に審査を行っています.
論文誌デジタルプラクティスは,2023年には,4巻として,1号から4号までを発行し,一般投稿論文として採択した論文本数は15本でした.
4巻として発行した特集のテーマ名,ゲストエディタ名,採択された論文本数の情報を表1に示します.
2024年(5巻)の発行計画と各号での特集のテーマは以下のとおりです.
編集委員については,この号の末尾に掲載されている名簿をご参照ください.
会員種別ごとに入会方法やサービスが異なりますので、該当する会員項目を参照してください。