会誌「情報処理」Vol.63 No.8(Aug. 2022)「デジタルプラクティスコーナー」

Glossary─グロッサリ─

ANSI/American National Standards Institute

米国国内の工業規格の作成を行う団体.

ANSI X3H2

ANSIにおいてデータベース言語の規格の作成を担当する委員会.

APEE (Application Platform Energy Effectiveness)

ソフトウェアに着目したITサービスのエネルギー効率を定量的に評価する指標.2018年に日本が提案,2021年にISO/IEC 23544として発行された国際標準規格.

EDI

Electronic Data Interchangeの略称で,ネットワークに接続された異なる組織のコンピュータ同士が,標準的な通信手順とデータフォーマットを使用して,取引に関するデータを自動的に交換することを指す.取引の迅速化,人為ミスの排除,事務コスト削減などのメリットがある.

FCD/Final Committee Draft

最終段階のCD(委員会原案).現行の規格開発の手順にはこの段階はない.CDおよびISO,IEC,JTC 1,TC,SC,WG,IS,TS,NP(NWIPと同義)についてはデジタルプラクティスVol.10 No.1(Jan. 2019)のグロッサリ
(https://www.ipsj.or.jp/dp/contents/publication/37/S1001-GL.html)を参照されたい.

ISO/IEC JTC 1/SC 39

国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)の第一合同技術委員会(JTC 1)に設立された専門委員会の1つ.「Sustainability, IT and data centres」をタイトルとし,ITやデータセンタにかかるエネルギー効率指標の提案と標準化を推進.

ISO SQL,JIS SQL

データベース言語SQLの言語仕様は,ISO/IECの国際規格として規定されている.SQLの日本の国内規格としては国際規格に一致する言語仕様がJIS(日本工業規格)として規定されている.

ITサービス

ISO/IEC 23544(APEE)では,「情報技術を介してユーザに成果を提供するサービス」と定義.

オープンシステム,開放系(open system)

その境界,機能及び構造が時間とともに変化し,さまざまな視点に応じて異なった認識および記述のされ方をするシステム☆1

全訳JIS

対応する国際一致規格の全文を日本語に翻訳したJIS規格を全訳JISという.これに対して国際一致規格の導入部だけを翻訳して本体部分は国際一致規格そのものを参照するJIS規格を要約JISという.かつては要約JISが奨励されたが,今日では方針転換され要約JISの多くは廃止されている.

ディペンダビリティ,総合信頼性

アイテムが,要求されたときに,その要求通りに遂行するための能力☆2

脚注
  • ☆1 システムの変化には,特定の目的を持った適応だけでなく,自然発生的な進化も含まれる.たとえば,管轄の異なる複数の領域にまたがるシステムの内部における,自然発生的かつ非協調的なものが含まれる.
    オープンシステムの境界,機能および構造は時間とともに変化するだけでなく,どの時点においても曖昧で,異なる利害関係者によって異なって認識され得る.オープンシステムの定義は,所与の抽象レベルおよび視点に対するJIS Z 8115におけるシステムの定義を精緻化するものである.ある抽象レベルでは明確に定義可能な境界も,より詳細なレベルではより曖昧になり得る.ある目的に対して,またはある利害関係者にとって,どのレベルの詳細さが必要となるかは,あらかじめ定めることが可能であるとは限らず,そのレベルの詳細さを得られるという保証もない.
    オープンシステムは,ほかのシステムまたは環境と境界とをまたがってリソースを交換する.場合によっては境界自体を変化させる.
    相当規模のシステムであれば,必ずオープンシステムとしての側面および従来型システムとしての側面の両側面を持つ.オープンシステムという用語はシステムの分類には用いられない.この用語がシステムに適用されるのは,そのシステムのオープンな側面がシステムの課題検討において重要な意味を持つときである.
    ソフトウェアシステムは,“オープンソース”であり得るが,それはそのシステムがオープンシステムであるかどうかとは関係がない.ただし,オープンソースソフトウェアであることは,権限の一元化に欠けるなどのオープンシステム的側面を必然的にもたらす.
    (引用元:JIS C 62853の3.12)
  • ☆2 ディペンダビリティすなわち総合信頼性は,“アベイラビリティ”(192-01-23),“信頼性”(192-01-24),“回復性”(192-01-25),“保全性”(192-01-27),および“保全支援性能”(192-01-29)を含む.適用によっては,“耐久性”(192-01-21),安全性およびセキュリティのようなほかの特性を含むことがある.
    ディペンダビリティは,アイテムの時間に関係する品質特性に対する,包括的な用語として用いられる.
    ディペンダビリティを阻害する要因は故障,エラー,フォールトなどである.
    ディペンダビリティを実現する手段には,フォールトプリベンション,フォールトトレランス,フォールトリムーバルおよびフォールトフォアキャスティングがある.
    この用語はソフトウェア自体ではなく,ソフトウェアを含むシステムまたは製品に適用する.ソフトウェアではシステムの要素からなる製品またはサブシステムのディペンダビリティのソフトウェア的側面として扱われる.
    (出典:JIS Z 8115:2019の192-01-22)

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