デジタルプラクティス Vol.12 No.1(Jan. 2021)

巻頭言

吉野 松樹

論文誌トランザクション デジタルプラクティス編集委員長

2020年「デジタルプラクティス」は,改編を行い10月発行分から「論文誌トランザクション デジタルプラクティス」,学会誌「デジタルプラクティスコーナー」,「DPレポート」の3本立てとなりました.この学会WebページからHTML版を閲覧している方から見ると,従来と変わらないように見えるかもしれませんが,情報学広場でPDF版を読む場合には,論文の格納場所が変更になっています.さらに,学会誌「デジタルプラクティスコーナー」に掲載する論文は,その内容梗概が冊子として配布される学会誌に掲載されており,会員に対してより広くデジタルプラクティスの論文を周知できるようになりました.

2020年は,COVID-19の影響でリモートワーク,遠隔教育,遠隔医療など人々の日常生活の至るところでデジタル技術を活用せざるを得なくなりました.この流れはCOVID-19が鎮静化した後も,元に戻るということはないでしょう.データとデジタル技術を活用するDX(デジタルトランスフォーメーション)が,より一層進むと予想されます.

学会誌11月号では,DXの特集が組まれ,デジタルプラクティスとしても2021年10月号で特集「DXのプラクティス~ニューノーマル時代を生き延びる~ 」を予定しています.

デジタルプラクティスは,さまざまな現実世界の課題を解決するために情報技術を活用する過程で得られた知見を論文という形式で蓄積し共有することを目的として創刊されました.DXを実現するために役に立つ知見が,2010年の創刊以来蓄積されてきていると思います.DXの進展で,さらに有用な知見が蓄積されることを期待しています.

DXの進展のためには,情報技術の提供側というよりも利用者側の変革が重要です.デジタルプラクティスでは,ITベンダのユーザ会と連携し,各ユーザ会が実施している論文募集に応募された論文の中で優秀な論文を掲載し,広くその知見を共有する活動を始めています.情報技術の利用者側の視点から見た実践の知見を共有することで,情報技術の提供側にも新たな気づきを与えられるのではないかと思います.

2020年は,解説論文1編を含む特集号招待論文23編,JISA(情報サービス産業協会)招待論文4編,上述のユーザ会優秀論文として初となる富士通ファミリ会論文1編,特集号投稿論文5編,一般投稿論文11編,研究会/シンポジウムからの推薦論文3編,合計47編の論文を掲載しました.また,DPレポート2編を掲載しました.

デジタルプラクティスの活動は,貴重な知見を論文として発表していただく執筆者,論文の質を高めるために助言をいただいている査読者の方々に支えられています.ご協力に感謝の意を表したいと思います.

 

 

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